ストレングスファインダーの結果をどう活かせばいいですか?
直接「資質を活かす」よりも、「すでにやっていることに資質を絡めて考える」ことから始めましょう。
そもそも、才能は「日常的で無意識な感情・思考・行動の生産的なパターン」なので、気づかないまま使っていることがほとんどです。
以下は私の場合ですが、ここまで具体的でなくても最初は「この資質かな?」「またこの資質かな?」と振り返ってみるといいですよ。
- 聞かれたことに対して適切に回答できる
- 相手の意図に仮説を立て、条件に合う選択肢を見繕う〈戦略性〉
- 選択肢の中から最適なものをひとつに絞る〈最上志向〉
- わかりやすいメタファーを使って伝える〈コミュニケーション〉
- 凹んでもタダでは起きない
- 湧いてくる感情を俯瞰的に認識する〈戦略性〉
- この経験を納得行くまで食い尽くす〈最上志向〉
- 何が起きていたのか、自分の思考を振り返る〈内省〉
- よく寝てネガティブな感情を昇華する〈ポジティブ〉
- 他の人とは違うことをネタにする〈着想〉
まず、なんとなくの理由と合わせて自覚するところから。気づけば気づくほど、具体的に分解しやすくなります。そして、資質ごとに何が起きているのかがわかると、知識とスキルを投資しやすくなります。
- 感情を俯瞰的に認識 → 心理学の知識を得る
- 何が起きていたのか、自分の思考を振り返る → リフレクションスキルを上げる
このように、資質の理解が完全でなくても「何をすれば自分の能力が上がるのか」を考えて実践してみましょう。
そして、「得意なこと」が「特定の活動において一貫してほぼ完璧なパフォーマンスを提供できること」になったとき、それが「強み」になります。
ストレングスファインダーの結果で、領域が偏っているのですが……
完璧な組み合わせは存在しないので、問題ありません。
ストレングスファインダーでは、34の資質を「実行力」「影響力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」の4領域に分類しています。上位資質が特定の領域に集まる人もいれば、まんべんなく分散する人もいます。どちらが良いということはなく、それぞれに強みがあります。
領域が偏っている場合
- 領域の特徴が出やすいので、軸となる価値観が定まりやすいです。
- 苦手なことがハッキリしているものの、どのように対応してきたのかを振り返りましょう。一般的な考え方ではない場合があります。
領域が分散している場合
- さまざまなケースに対応でき、柔軟性が高いです。
- 資質同士が葛藤することがあります。補完関係ができているため、何が起きているのかを自覚しておきましょう。資質ごとの特徴を知ると条件やタイミングがわかりやすくなります。
どちらの場合も、チームに貢献できること・パフォーマンスアップのために必要な仕組みを共有できるようにしましょう。
時々(というかほとんどの人は)、「特定の領域がない(低い)からできない」と誤解することがあります。
- 実行力の資質がないから、行動力がない、そもそも仕事に向いていない
- 影響力の資質がないから、リーダーには向いていない
- 人間関係構築力の資質がないから、人に興味が持てない
- 戦略的思考力の資質がないから、考えられない
……そんなこと、あるわけないじゃないですかー!
そもそも、領域は目的意識の違いで大まかに分けたものですから、〈責任感〉のように「人間関係構築力のような実行力」の資質もあります。
ストレングスファインダーは可能性を広げるツールです。苦手だからやらないための言い訳にするものではありません。領域のバランスを気にするより、今ある資質をどう活かすかに注力した方がはるかに生産的です。
ご自身の偏りやバランスに向き合いにくいときこそ、ストレングスコーチを頼ってくださいね。
才能を強みに変えるにはどうすればいいですか?
知識・スキル・経験を「投資」しましょう。Gallup が強みの方程式として「才能×投資=強み」と定義しています。

「才能」に必要な最初の投資は、その「才能の持つ可能性」を自分のものにすることです。
そのためには、まず以下の4段階を1つのサイクルとしてチャレンジしてみてください。筋トレと似たようなもので、まず自分の身体の筋肉を知って、動きを意識して、無理なく効率的に使っていくようなものです。
TOP5は無意識なパターンですから、自覚できないことが(かなり)多いです。それでも「自分ではわからないけれど、そういう傾向があるんだな」と知っておくことが大切です。これによって、自分の行動へのアンテナが立ちやすくなります。
「あ、〈調和性〉ってこれか!」と自分で気づいたり、他者から「こういうところ、〈達成欲〉っぽいですよね」と言われて気づいたりして、認識を深めます。このとき、評価(だから良い/悪い)も含めるとレッテル貼りになってしまいやすいので、フラットに「こういうところがあるんだな」と気づきを集めていきましょう。
「この上位資質をこう使えているからこそ、私なんだな」と腑に落ちると、資質が自分のものになります。これは自己受容に直結していますので、自分の可能性を信じる土台になります。よく「ストレングスファインダーをやると自己肯定感がアガる」と言われますが、それは資質に感謝できた瞬間ですね。
資質が自分のものになっていれば、意識的に使えるようになります。まず、上位資質が過度に発揮されてしまう状況(野生化したままの暴走)に気づいて、止めてみましょう。それだけで強みとして使いやすくなることが多いです。「あ、今〈最上志向〉が不満なんだな、〈着想〉で遊んでみよう」ということができるようになります。
このサイクルは1回で終わるものではないので、何度も繰り返します。まずは自分のために資質を試すことに慣れてきたら、次はチームのために試してみましょう。強みとは「常に完璧に近い成果を生み出す能力」ですから、一生やっても飽きないですよ。
「無意識なものを意識する」のが大きなハードルなので、ストレングスコーチと二人三脚で進めていくのがオススメです。
ストレングスファインダーの結果に納得できないときは?
納得できない部分にこそ、重要な気づきが隠れていることが多いです。そもそも、上位資質は「無意識で日常的なパターン」=(自分にとっては)あまりにも当たり前すぎて自覚しにくいため、結果に違和感を覚えるのは珍しくありません。しばらく向き合えなかった、という方も多いです。
また、自分が意識的に努力して身につけたスキルと上位資質が異なったり、ポジティブな自覚があるのに〈ポジティブ〉が下位にあったりすると、戸惑いますよね。
この場合、誤解していることがほとんどです。そうでなければ、そもそもストレングスファインダーの哲学そのものを否定しているスタンス。
ストレングスファインダーの結果は絶対的な真実ではなく、自己探求のきっかけです。納得できない部分も含めて、あなたを理解する道具として活用していくことが大切です。
自分の強みが弱みにしか見えないので、他の資質が良かったです……
ストレングスファインダーで得られる才能は、200万人以上のハイパフォーマーから得られた結果です。つまり、資質に良し悪しはありません。成熟した使い方ができるかどうかだけです。長所と短所が表裏一体のように、強みも弱みも上位資質から発揮されるものです。
資質は「日常的で頻度の高い順」と言われていますが、「エネルギーの高さ」や「充実しやすさ」と言われることもあります。そのため、資質が弱みのように現れるのは、有り余るエネルギーをコントロールできていない「暴走」とも言われたりします。
弱みのことを考えると弱みにフォーカスすることになるため、ストレングスファインダーを活かすのであれば、「うまくいっていたこと」を意識して注目する必要があります。
これが難しいのであれば、資質から離れて自分を俯瞰して見つめる時間をとってみてください。一般的なコーチングや(医療的ではない)カウンセリングを受けてみるのもオススメです。
家族や同僚と違いすぎるときは、どうしたらいいですか?
補完し合える最高のチームやパートナーシップになりますが、価値観が異なるため、自分の上位資質を相手に求めるとイライラしやすいです。
- 実行力「なんで最後までちゃんとできないの?」
- 影響力「なんで自分の意見をハッキリ言えないの?」
- 人間関係構築力「なんで相手に優しくできないの?」
- 戦略的思考力「なんでもっと考えられないの?」
領域で分けるとこんな感じになります。自分が当たり前のようにやっているからできるのであって、それが相手の下位にあるのなら、お互いに消耗を強いることになってしまいます。
上位資質を使うときは、人ではなく目的に向けることが大切です。そもそも、ストレングスファインダーは職場のパフォーマンスを上げることがメインの使用シーンなので、共通目的が明確になっていると使いやすいんです。自分が苦手なことを、相手は苦も無くできるどころか、やればやるほど充実するのであれば、分担したほうが良いですよね。
この際、「◯◯の資質があるからカンタンだよね?」と依頼するのはレッテル貼りの誤った使い方ですから、あえて資質名を出さないほうが建設的に対応できます。
まずは、違いを楽しむ姿勢を持ちましょう。それは相手を尊重する姿勢として、関係の質が変わります。
それでも家族や同僚との違いに悩んだときは、「この違いがなかったら、何が起きるか」を想像してみてください。きっと、偏った判断や見落としが増えることに気づくはずです。
ちなみに、夫と私は資質の傾向がほぼ正反対です。ひとつの事例として、参考にどうぞ。

専門家に相談するのが良いのはわかりますが、できるだけ費用をかけずに活用するには?
まずはレポートを読んで理解を深めましょう。以下を参考にしてください。

そして、仲間と深めてフィードバックをもらいましょう。他にも、今なら ChatGPT などのAIと壁打ちすることで、ある程度理解を深めることもできます。
上記の「才能を強みに変えるにはどうすればいいですか?」のステップを参考にしてください。
また、ChatGPT でストレングスコーチング Bot もつくっています。結構ズバズバ聞いてくるので、質問に答えられないときは正直に「わかりません。もう少し優しくしてください」と伝えることがコツです。
人間のストレングスコーチに依頼するのは、心理的ハードルが高いこともありますよね。それでも、人間同士のシナジーから得られるものは大きいです。特に、継続的に何かをしていきたいときにはオススメですよ。
\ 資質の特徴から紐解くのでわかりやすい /