はい、ごめんください。
Gallup認定ストレングスコーチのコスギです。
ストレングスファインダー®を受けた結果を見ると、4つに色分けされていますよね。実はこの4色には、それぞれ領域としての意味があります。
- 緑(グリーン):戦略的思考力(物事を考える力)
- 青(ブルー):人間関係構築力(人を尊重する力)
- 橙(オレンジ):影響力(人を動かす力)
- 紫(パープル):実行力(物事を終わらせる力)
Gallup社では2020年8月から、この領域の4色(ドメインカラー)を変更しています。これはADA(障害を持つアメリカ人法)に基づいた措置で、色盲の方に配慮したカラーリングになりました。なお、お手元のレポートで戦略的思考力が赤(レッド)の方は、Gallupのサイトにログインしてレポートを取得すると、新しい色のレポートを取得できると思います。
資質の特徴を読み込んで理解することも大切ですが、この領域の意味を念頭に置いて結果を読むと、比較的容易にストレングスファインダーの結果を読み解くことができます。
大前提:結果をレッテル貼りしないこと
まず、最も大切なことは、ストレングスファインダーの結果を見て相手や自分をレッテル貼りしないこと。そして、免罪符にもしないこと。あくまで「人の可能性がそこにある」ことを意識して読むようにしてください。
※Gallup認定ストレングスコーチという資格は、この可能性を見据えられるためのものでもあります。
簡単に読み解いてみよう
これは私(コスギ)のストレングスファインダーの結果です。左側が上位資質、右側が下位資質です。
こうしてみると、左側には3色まんべんなく入っていますが、緑が4つありますね。紫は左側に偏っています。
つまり、
- 基本的には考えることが好きかも(TOP5に緑が2つ)
- 人のために考えて行動することが好きかも(TOP10に青と橙と緑が多い)
- 実行力は低めだけれども、それを戦略的思考力で対処しているかも
といったことが読み取れます。つまり、たいていのことは考えることで突破できるということが想定できますが、あくまで仮定であり、納得できるかどうかは本人次第です。可能な限り本人と対話して、資質の可能性を広げていきましょう。
そのような前提で、それぞれの領域についてもう少し詳しくご説明します。まずはご自身のTOP5に多い色→TOP10に多い色→全体的な偏りを確認してみてください。パートナーや同僚と合わせて見ていくのもオススメです。
戦略的思考力(緑)
- 学習欲
- 原点思考
- 収集心
- 戦略性
- 着想
- 内省
- 分析思考
- 未来志向
「〜〜を考えたい」「〜〜で対話したい」といった、考えることそのものが目的になる領域です。知的活動を楽しむので、何かを学んだり情報を収集したり、アレコレ思いを馳せたりすることが大好きです。
半面、思考を奪われるような環境は非常に苦痛でストレスになりやすいです。また、インプットばかりが多くアウトプットが少なくなると、視野が狭くなりやすく、思考の渦にハマってしまうこともあります。本来、フラットに物事を捉える才能ですが、ネガティブな感情が入ってしまうと、そのままぐるぐると考え込んでしまいやすいです。
ただ、このような状況に陥っても、ノートに書いて思考を俯瞰できるようにしたり、壁打ちや対話をしながら感情を俯瞰して思考を整理できれば前に進めるので、やはり考えることを辞めなければ突破できる才能の領域ですね。
人間関係構築力(青)
- 運命思考
- 共感性
- 個別化
- 親密性
- 成長促進
- 調和性
- 適応性
- 包含
- ポジティブ
「〜〜で助けになりたい」「〜〜な人と一緒にいたい」といった、他者との関わりそのものが目的になる領域です。「何をやるか」よりも「誰とやるか」を大切にしており、相手を知り、つながり、関わり、一緒に活動し、お互いに尊重しあいながら幸せを感じられることが喜びです。顔の見えない大衆よりも、手を伸ばせる範囲の人を大切にします。
相手を尊重することを普遍的価値とする領域なため、悪意や罵詈雑言などには非常に敏感で、大声や怒気などもストレスになります。攻撃に対する防御を知らないと大きく傷ついてしまい、相手はもちろん、自分自身を尊重できなくなってしまいます。そうして萎縮してしまうと、本来の人間関係を構築する力を出せなくなってしまいやすいです。
このような状況になった場合、助けとなる人物を頼ってください。人間関係構築力の才能が高い人には、必ず仲間がいるはずです。家族でも良いんです。そしてストレスからある程度距離を置き、話を聴いてもらうなどして、自分自身を回復し防御もしくは回避するスキルを身に着けましょう。本来の自他尊重の力を取り戻したら、新しい関係を再構築できるようになります。
影響力(橙)
- 活発性
- 競争性
- コミュニケーション
- 最上志向
- 自我
- 自己確信
- 社交性
- 指令性
「〜〜させたい」「〜〜して動かしたい」といった、相手や社会にインパクトを起こすことが目的になる領域です。フィードバックが大好きで、「自分が他者からどう見られているか」の外的評価をとても重視しながらも、自分軸の行動が社会に認められ続けること、そのために高みを目指していくことが喜びです。
上下関係が前提にあり、“上” の相手には耳を貸しても、“下” の相手には高圧的になり、視野が狭くなる傾向が強いです。なぜなら「自分も同じように指導されてきたのだから、自分が正しい」と、自らも “下” から “上がってきた” 強力な成功体験があるためです。自分が打たれ強くなった分、他者にも同じ厳しさで接するので、平和を尊重する環境では孤独になってしまいやすいです。
本来影響力は、相手がいないと発揮することはできません。話をしたい相手が「面と向かって話をしてくれない」ことには、危機感を持って対応しましょう。そして、(存在を否定するような悪意ではなく)ネガティブなフィードバックにも耳を傾け、反論よりも改善をしましょう。行動をあきらめないことこそが次のステージへの土台となり、本来の才能を輝かせます。
実行力(紫)
- アレンジ
- 回復志向
- 規律性
- 公平性
- 慎重さ
- 信念
- 責任感
- 達成欲
- 目標志向
「〜〜して終わらせたい」「〜〜にしておきたい」と、物事の達成が目的になる領域です。プロセスよりも結果を重視し、成果によって信頼されることが喜びです。できる限り思考を省いた効率的な行動を好みます。とはいえ、欲求や感情にさほど影響されず「やるべきことを淡々とやる」というブレない軸こそが、実行力最大の強みです。
ただし、信頼を失うことを何よりも恐れているため、期待に応えられなかったことをひどく責める傾向が強いです。一度失敗してしまうと、焦って自分だけでなんとか解決しようとして、その間のプロセスや戦略を考えないまま闇雲に行動してしまい、同じような失敗を繰り返し、負のスパイラルに陥ってしまいやすいです。
ゴールやプロセスを明確にして、一連のプロセスの中で自分が期待されている役割はなにか、詰まったときには誰に確認すればよいのか、行動する前にハッキリさせておきましょう。感情ではなく事実ベースの準備こそが、本来の行動力を発揮します。
ストレングスコーチの読み解きは何が違うのか
ストレングスコーチは、それぞれの領域が明確に区別できるものではないこと、資質の中には領域を超えて発揮されるものがあることなどを理解しています。そして、資質は単独で発揮されるものではなく、組み合わせによって資質の特徴が変化することも理解しています。更に、和らげたり活性化させたりする資質があることも把握しています。
このような知識を元に、クライアントさんの可能性を見据えて、一緒に次の一歩を踏み出していくものです。ですから、2回目以降のコーチングでは、資質の理解よりも才能の活用や強みの投資に重点が置かれます。セッション中に資質名が出てこないことも珍しくありません。
そもそもストレングスファインダーは育成ツールなので、人を成長させるためのコーチングと合わせて活用することが求められます。決して「◎◎ができるけれど、▲▲は苦手」で終わってしまう評価ツールではありません。何より、もったいないですよね。
また、強みがどれだけ発揮できているかのセルフコーチングも良いのですが、ストレングスコーチングのパワフルさを知っているのも、ストレングスコーチです。自らのリフレクションと資質からのフィードバックは、何度やっても新しい発見があります。時々、コーチ同士で10分のショートコーチングトレーニングを行っていますが、毎回得られることばかりです。
資質の読み解きやストレングスコーチングは、ココナラなどのサービスでも無料や格安で受けられますし、SNSなどで募集している方もいらっしゃいます。投資対効果がまだピンと来ない方や、資質をまだよく理解しきれていない方は、このようなサービスをご検討いただいても良いのではないかと思います。
もちろん、カエルコムニスでも個人向けのストレングスコーチングを行っています。初回は資質の説明を多めにして理解を促進していますので、方向性が見えやすくなりますよ。
\ 資質の特徴から紐解くのでわかりやすい /