はい、ごめんください。Gallup 認定ストレングスコーチのコスギです。
チームの価値を最大化する仕組みにチカラを入れています。
さて、そもそも「チームワーク」とは何でしょうか。ここでは「同じ目的や目標を目指すために、集まったメンバー同士で、お互いに協力・連携し合いながら、成果を目指す活動」と定義しておきますね。
さてこのチームワーク、モヤモヤすることが多いですよね。少なくともこの記事を読んでいる方は、言葉にしにくい感覚があるのではないでしょうか。
- 会議で報告し、情報共有もしている。でも、意思疎通がイマイチ……
- メンバー一人ひとりは優秀なのに、「チームワーク感」が持てない……
- 「団結力」というより、「複数人でやっている」感が強いような……
これは、チームメンバーの能力や意欲の問題ではありません。多くの場合、チームワークの仕組みの問題です。個人をなんとかするのではなく、仕組みを改善すればチームワークはうまくいくことも少なくありません。
この記事では、理論に裏づけられた価値の高いチームワークの3つの評価基準と、5つの条件をご紹介します。
このページは文章ばかりなので、内容を AI でまとめました。サクッと知りたい方はこちらをどうぞ。
チームワークを高める仕組みをつくるツール「しつもんトランプ」を開発しました。実際のチームで使ってみたい方は、以下のページからご覧ください(現在モニター募集中)。
価値の高いチームワークは「3つの評価基準」で測れる
チーム研究の第一人者である J. Richard Hackman(ハックマン)氏 は、チームの効果性を次の3つの観点で定義しました。
| 観点 | 問い | うまくいっていないサイン |
|---|---|---|
| 成果 | 話が前に進んでいるか? | 決まらない、動かない、進まない |
| 継続 | このメンバーで続けたいか? | 疲れる、やらされ感、対立、発言できない |
| 学習 | 判断と行動が改善されているか? | 同じ失敗を繰り返す、改善されない |
これらは別々に見えて、実は連動しています。たとえば、こんな会議を経験したことはありませんか?書いててしんどくなりますが……
- 同じことをずっと議論していて進まない(学習・成果)
- 1時間以上も話したのに、結局「持ち帰り」で終わる(成果)
- 発言するのは同じ人ばかりで、他の人はやらされ感だけが残る(継続)
- 外部の情報や事例を誰も持ち込まず、判断しにくい(学習)
- 何を聞いたらいいかわからず、会議が終わってから相談(継続)
- 次に何をやるか、誰がやるか、いつやるかが決まらずに終わる(成果)
- 議題がなく、何のための会議かわからない(成果・継続)
- イライラした感情に任せて発言する人がいる(継続)
- 何も決まらず「とりあえず様子見」で放置される(成果・学習)
逆に言えば、1つが動き出すと他も動きやすくなります。そのため、チームワークが成り立つゴールとして、3つの評価基準がバランスよく満たされているのが理想的です。
しかし、基準は直接満たせない
「成果を出せ」と言っても、成果は出ません。
「仲良くしろ」と言っても、関係は続きません。
「学べ」と言っても、学習は起きません。
トップダウンで仕組み化することで対応することもできますが、ほとんどのチームは、人を活かすボトムアップとのハイブリッドです。そこに必要なのは「指示命令」ではなく「創造的関係性」なので、時間もかかるし悩ましいですよね。
だからこそ、ハックマン氏は「チームワークが高まって結果を生むためには、どんな条件が必要なんだろうか?」と、高いチームワークの基準を満たすための「前提条件」を研究してきました。
チームワークが高まって結果を生む「5つの条件」
ハックマン氏は、チームに「3つの評価基準」を満たすための条件として、次の5つを挙げています。理論の話なので、気になる方はクリックして参考にしてください。
1. Real Team(実体としてのチーム)
チームとは単なる「人の集まり」ではなく、
- 境界が明確
- メンバーが一定期間安定
- 成果に向けて相互依存する
という性質を持つものです。「ただのグループではない」ということです。
兼務が多い中小では、まず「誰が何の成果に責任を持つか」を明確にする必要があります。「あの人って何やってるんだろう?」がない状態といえるでしょう。
2. Compelling Direction(魅力的な方向性)
チームの向かうべき方向性が
- 明確
- 価値・挑戦性がある
- 意味づけがされている
という状態です。「売上1億!」ではなく「これを達成することに意味がある」とメンバーが感じられること。これがなければ、チームに希望が持てなくなるほど重要です。人は、自分がやっていることに意味を感じられなくなると鬱になりやすいと言われますしね。
3. Enabling Structure(仕事を前に進める構造)
チームが成果を出すために設計された、構造や仕組みのことです。
- 会議のやり方
- 意思決定方法
- 役割分担
といった「仕事の進め方」が妨げになっていない状態です。「会議が意味あるものになっている」「期待されている役割が明確」などで判断しやすいです。小さなチームほど見落としがちかもしれません。
4. Supportive Context(支援的な環境)
チームワークを支える環境のことです。
- リソース(情報・ツール)
- 評価・報酬
- 教育・支援制度
が整っていることを指します。状況によっては、ヒト・モノ・カネが潤沢でない場合も少なくありません。経営判断も関わるためチームの問題だけではない範囲です。だからこそチームは、足りないものを具体的に上申しつつ、コントロールできる範囲で進めていく必要があるとも言えますね。
5. Expert Coaching(専門的なコーチング)
日本では馴染みのない言葉なので、「一気に胡散臭くなったな」と思われた方もいるのでは?
要素としては「適切な関わり」です。これは答えを教えることではなく、一旦立ち止まって一緒に考え、進め方を整える役割を担います。
必要なタイミングで
- 現在抱えているタスクの進め方
- チーム内の人間関係で気になること
- プライベートと仕事との兼ね合い
などについて相談できる機会ですね。これができると、優先順位を決めて進めたり、不安を解消したり、事前に備えておくことができます。とても実務的な支援をする「イイ上司」と言われる方々ですが、兼任せざるを得ないので希少です。マネージャーの役割として期待されるところ……。
簡単にまとめると、以下です。
| 5つの条件 | チームの現実 |
|---|---|
| ①チームの実体 | 誰がメンバーで、誰が何の成果に責任を持つかが明確 |
| ②チームの方向性 | 何を目指し、なぜそれをやるのかが共有されている |
| ③チームの仕組み | 会議の進め方、意思決定の方法、役割分担がある |
| ④チームが使える資源 | 情報・ツール・報酬・教育など必要な支援が整っている |
| ⑤チーム内の関わり | 悩みに向き合ったり、気づきを促す対話の機会がある |
これらは、メンバーの性格や相性の話ではなく、チームワークを高めるために設計できる仕組みの要素です。仕組みが整えば、人が活かされる土台になります。
- ただし、「④チームが使える資源」については外部要因に左右されやすいため、チームだけではコントロールしきれないことも多いです。
特に中小企業はチームワークが成果に直結する
中小企業のチームはお互いの距離が近い分、「これくらいわかってるよね」と、5つの条件すべてが暗黙のままになりやすいです。たとえば、こんなことが起きていないでしょうか。
- 「あの人って何やってるんだろう?」と思っている人がいる
- 「なんでこれやってるんでしたっけ?」と聞けないまま進んでいる
- 会議の進め方が「いつもの人」に任されていて、他の人は様子見
- 「こうしたほうがいい」と思っても、「どうせ予算がない」とあきらめている
- 困っていることを話せる場が、飲み会しかない(そして気にしすぎと言われる)
①や②(チームの実体・方向性)は、経営者との距離が近いぶん「伝わっているはず」と思われがち。③や⑤(仕組み・関わり)は、大企業なら制度で補えますが、中小企業では個人のスキルや先人のやり方に頼りがちです。
結果として「これは自分の役割じゃないし、首を突っ込まないでおこう」「確認はしたけど質問が出ないから、進めていいよね」といった姿勢が、チームの日常になっていきます。
中小企業では、チームワークの質が業績に直結します。少人数だからこそ、違和感の影響は無視できません。問題が出ないことが、良いとは限らないんですよね。しかし裏を返せば、変化も早いのが中小企業。改善がすぐに成果につながりやすいです。
とはいえ「わかっているけど、それができたら苦労しない……」という方もいらっしゃるでしょう。暗黙の前提に触れるのは「なんで今更?」「余計なことを考えてないで手を動かせ」と、問題に目を向けることになり、痛みを感じやすいのですよね。
それでもリーダーとしてチームワークを高めたいのなら、「問い」のチカラを使ってください。真摯に向き合えば「そもそも、私たちってフラットな対話というか、コミュニケーションが足りていなかったよね」と、チームから声が上がりますから(実話)
なぜ「問い」がチームワークを変えるのか
「質問はしている」というチームは多いです。でも、その多くは確認のための質問です。合意を取って進めるには有効なので、よく使われています。
「質問ありますか?」→(沈黙)→「……ないようなので進めますね」
これで本当に問題なく進めばよいのですが、5つの条件が満たされていないと「そもそも、何を質問したらいいのかわからない」ために沈黙している場合も少なくありません。
これは、仕事の意味や納得感よりも終わらせることを重視している構造で起きやすいので、トップリーダーや仕組みがすでに答えを持っている場合、トップダウンで指示命令して進めるほうが効率的です。実際、こういう組織もありますよね。
それでも、ほとんどの組織はトップダウンとボトムアップのハイブリッドです。ボトムアップには主体性、つまり自らの意思と判断が求められるため、納得できる答えを出す必要があります。ここで使われるのが、確認質問ではない「問い」です。
- 「改めて、私や皆さんに期待されていることって何でしたっけ?」
- 「そもそも、なぜこれをやっているんでしたっけ?」
- 「今回の議題設定は、◎◎さんでしたっけ?困ってることあります?」
- 「もしこれが失敗するとしたら、何をやっておいたほうがよさそうです?」
- 「今のタスクで、どんなことが気がかりですか?」
こういう問いを出しても責められないチームは5つの条件がそろいやすく、主体性も育まれる環境です。それこそ(バズワードになってしまいあまり使いたくないのですが)「心理的な安全状態」でないと、なかなか出せないかもしれませんが。
そこで、納得できる答えを出せる問いを立てて、主体的に行動に進める仕組みをつくるツール「しつもんトランプ」を開発しました。現在、モニターを募集しています。実際のチームで使ってみたい方は、以下のページからご覧ください。
チームワークを高めるためには、個人よりも仕組みから
改めて、「チームワーク」の定義を「同じ目的や目標を目指すために、集まったメンバー同士で、お互いに協力・連携し合いながら、成果を目指す活動」としていました。つまり、ただ仲が良いことでなければ、才能や相性の問題でもありません。
同じ目的や目標が見えて、
集まったメンバー同士のことがわかっていて、
お互いに協力するための役割が明確で、
連携しあうための環境があって、
目指す先で迷っても相談できる。
意見を言い合える関係なら、きっとできていることです。ですが、どれか足りないと感じるのなら、仕組みを整えるために「問い」を活用してみてくださいね。
