はい、ごめんください。Gallup 認定ストレングスコーチのコスギです。今回は、私のクリフトンストレングス(ストレングスファインダー)のTOP5を「弱み」から振り返って、どのように対処してきたのかを綴ります。
私のTOP5は〈着想〉、〈戦略性〉、〈最上志向〉、〈ポジティブ〉、〈活発性〉なので、このあたりのネタです。
着想:アイディアの押しつけ問題
私の場合、〈着想〉は〈戦略性〉とセットで発揮されることが多いため、提案時によくアイディアが出ることが多いです。こういう事もできそう、ああいうこともできそう、というのがズラッと脳内に並ぶんですよね。
このとき、3つくらいの選択肢に絞られることが多く、私の中では第1候補から第3候補くらいまでランク付けがあり、第1候補に関してはその理由が明確です。これは〈最上志向〉が優先順位をつけるからかもしれません。
ただ、これらの選択肢の提案は、必ずしも相手が求めているとは限らないのが、弱みづかいにつながりやすいんですよね。提案にノッてくれたら、ノリノリで語り始めたり、第2候補と第3候補に興味を示されると「え?そっち?第1候補がオススメだよ?なぜなら……」と、説得しちゃったり。
今では、コーチングのときは(5回に3回くらいは)「ちょっと提案があるんですが、必要ですか?」と確認できるようになりましたが、ウェブの仕事のときは10回に1回くらいになっているかもしれません。まあ、ねえねえ聞いて聞いてオーラを出しながら確認してもねえ……。ありがたいことに、ほとんどの方には楽しんでもらっているようなのですが。
この暴走は、新しい情報が過去の経験とつながったときに起こりやすいです。点が一気に面になるような感覚です。「これはイイものだ!」と〈最上志向〉が判断しちゃうんでしょうね。
ですので、確認を取る以外にも、新しい情報を自分の中で咀嚼するのが大事かなとも思うのですが……そうなると、より〈最上志向〉を刺激して暴走しかねないので、やはり、拒否されることも相手に委ねつつ確認することがベストなんじゃないかと思っています。
あとはXで喋りまくる。たまに突飛な投稿をしているのは、私の〈着想〉がニュッと出たときです。#dancingpudding は暴走じゃないと信じたい……!
戦略性:わかっている気になっていただけ問題
〈戦略性〉は天才的なカーナビ才能なので、おそらく直感的に提示する選択肢は最適なものなんだと思います。ただ、それは現在の自分が持っているリソース(情報や経験)から得られるものなのですよね。新幹線や飛行機の存在を知らなければ、その手段は選べないのと同じです。
これは〈活発性〉と合わさった暴走かと思いますが、相手の話を最後まで聴けずに「はいはいはいはい、そういうことね、それなら」と、わかった気になってしまっていたことは、めちゃくちゃ多いです。もともと、2015年の時点で〈戦略性〉は1位だった(今の資質は2018年のもの)ので、この弱み使いはとても多かったです。
ストレングスファインダーの資質を知って、頭を抱えました。どれだけ弱みづかいしていたのかと……。ですので、意識しなければ相手の話をまったく聴けない人間でした。「聴けていたつもり」から「ある程度は聴ける」ようになったのは、産業カウンセラーの資格取得を通じた傾聴のトレーニングの賜物です。
おかげで〈活発性〉のコントロールもできるようになった結果、全体像を把握してから話せるようになりました。かなり大変でしたが、自分が成長することはわかっていたので、しんどくはなかったです。まだまだ未熟なところは多いものの、カウンセリングのトレーニングは土台になるほどの糧になりました。
この「わかった気になる」クセが出そうなときは、ゼロにはできないので、毎月コーチングを受けることを継続しています。やはり忙しくなると資質が暴走しやすいので、コーチングの時間でクールダウンし、暴走状態を客観的に振り返ることをしています。
おかげで、そこまでヤバい暴走をすることはなくなりました。ただ、気づいていないだけかもしれないんですけどねー……_(:3」∠)_
最上志向:「良かれと思って」で暴走する問題
この資質には、本当に手を焼きました。上記にも出ていますが、〈最上志向〉は他の上位資質の長所と短所をブーストする性質があります。ですから、何をするにも振れ幅が大きくなりやすいのです。
〈着想〉×〈最上志向〉は、最善を尽くした環境の中でひらめく場合と、俗っぽさを煮詰めたようなひらめきとでは、その質はまったく異なるものになります。また、〈戦略性〉×〈最上志向〉は、全体前略の中で最適なルートを選ぶ場合と、得られた新しい情報をもとに最適な選択を選ぶ場合とでは、視座も視野も異なります。
私が暴走していたときは、どれも後者でした。特に、〈戦略性〉×〈最上志向〉の “ムービングゴール” は、実行力資質の高い方にはストレスだったろうなと……ゴールが動く=終わらないんですよね。本人は良かれと思って朝令暮改しているのですが、資質すべてを知ったことで「自分が良かれと思っていることは、必ずしも良いわけではない」と痛感しました。
そんな私が継続的にコーチングを受けるときの目的が「〈最上志向〉を乗りこなしたい」だったんです。使いこなしたいではなく、乗りこなしたい。暴れ馬だったんですが、馬上から降りるつもりはなく、自分がスムーズに進むためには絶対に必要なことだという覚悟がキマってましたね。
継続的にコーチングを受けた結果、(プロセスが複雑すぎてほとんど忘れてしまったんですが)「乗りこなしたい」から「味方になった」感覚を得ることができました。
今でもたまに暴走することはありますが(にんげんだもの)、コーチングのおかげもあり、早めに気づけるようになっています。「あー、これ、〈最上志向〉の暴走か〜」と認識できれば、「良かれと思って、になってないか?」「自分の何かを認めてほしいと思っていないか?」と自問自答できるようになりました。
最近だと、自分が全然できていなかったことを痛いほどに思い知らされた経験があるのですが、その感情は「恥ずかしい」だったんですよね。颯爽と歩いていたら、大通りのど真ん中ですっ転んだような恥ずかしさです。大勢の人に見られたわけではなく、あくまで内面で起きていたことですが、怒りや悲しみではなく、羞恥心が先にありました。
もちろん、できない自分に怒りも感じたのですが、それは長続きせず、改めてがんばるしかないと思えるようになっています。滑って立ち直るまで3日間くらい。
「暴走してるかも」と気づけるようになったのは、コーチングで指摘してもらうこともありますが、「私は◎◎してるのに」と、イライラするときですね。「良かれと思って」と言い訳したくなるときも、〈最上志向〉の暴走です。自分にとっては良いことでも、相手や社会にとって良いとは限らないことなんて、山ほどありますもんね。
それをふまえて、相手との関わり代としての余白を持てるようになると、だいぶ落ち着けるようです。
ポジティブ:ネガティブから目をそらす問題
さて、珍しく弱みに目を向けているので集中力が切れかけているくらいには、ネガティブなことから目をそらしたいのがこの資質。端的に「イヤなものは見たくない」んですよね。だから、問題が大きくなるまで「まあいっか、なんとかなるでしょ」と放置することも少なくありません。
実際、〈ポジティブ〉以外の上位資質を総動員すると「なんとかなっちゃう」ので、私の人生でこのTOP5が強化されてきたのもある意味頷けます。なんとかするのを面白がるところすらあるので。資質理解が進んだ結果、「(ある程度は)人事(の6割くらい)を尽くして天命を待つ」にはなったのでそれほど暴走しませんが、ゼロにはならないですね。
〈ポジティブ〉×〈最上志向〉は情熱を燃やしますが、〈戦略性〉が全体像を見えていないと情熱が行き場を失ってしまい、ショックを受けやすいことも多かったせいか、心から情熱的になることがなくなったと同時に、暴走もしなくなりました。今もし診断し直したら、資質の順位が下がっているかもしれません。それでも私は〈ポジティブ〉が好きだし活用したいので、受け直すつもりはないんですけども。
〈ポジティブ〉の暴走としては、自分が傷ついていることに目を背けていたことが多かったような。問題は外にあるのに、自分の内側に閉じ込めて見ないふりをして、前だけを見ていたんです。ですから、表面的には明るく振る舞えていたものの、自分の背中には生傷が絶えないような状況でした。今思うと、「そんなこと」というのが口癖だったように思います。いろいろなものを軽視していました。私は傷ついていたことを認めるのは、ちょっとしんどかったですね。
だから今、クライアントさんの「大したことじゃないんですが」とか「どうでもいいことなんですが」などの前置きにはピコンとアンテナが立ちます。言葉に表れなくても、非言語の仕草でなんとなくわかるようになりました。杞憂ならそれで良いんですが、〈ポジティブ〉の資質が高くても低くても、自分を偽ることはよくある話ですし。問題は「なんとかなる」うちに摘んで、エネルギー漏れをさせないことが大切なんですよね。
活発性:いつの間にか焦ってる問題
〈活発性〉の暴走状態はわかりやすいです。焦る。以上。
ただ、自分で焦っていることに気づかないのが非常に問題なんですよね。気づかないから資質の暴走なんですけども、それにしたって「これも〈活発性〉か!」と思うことが多かったです。〈最上志向〉が落ち着いたと思ったら、今年の暴走オブ・ザ・イヤーは〈活発性〉でした。
むしろ、速さは私の強みだと思っています。思考は速いし、サイクルを回すのも早いし、立ち直りも早いし、決断も早い。こういった成功体験によって「速さは正義」の価値観が強固にあるからこそ、〈活発性〉の暴走に気づくことは、本当に難しいです。
ただ、暴走しやすいトリガーは見つかっています。それが「忘れたことを挽回しようとする」とき。〈活発性〉は動き回っているため、(私は〈ポジティブ〉も相まって)とにかく忘れっぽいです。その場でやるのは、すぐやらないと忘れてしまうからというリスク回避の動機は少なからずあります。
忘れたことを思い出し「ああそうだ、やらなきゃ」と思ってもすぐに「できちゃう」のですが、暴走機関車のように止まらなくなりやすいのです。「コレもしなきゃ」「アレもやりたかったんだった」と、〈着想〉に火がついてしまう。タスクが明確になっていれば「仕事が早い」になるのですが、だんだんと視野が狭くなるので「滑って転ぶ」のですよね。(そういえば、車を運転していて曲がりきれずに崖から落ちる夢を何度も見るんですが……こういうことか……)
あと、リミッターが外れて動きすぎるので、疲れて動きにくくなります。13位の〈達成欲〉が刺激されているのだろうと思っていましたが、やはり10位以下の資質なので、多少は動けるだけの凡人です。〈達成欲〉をTOP5に持つ人のようには動けません。
ですので、イベントなどで動くときは次の日は確実に休んだり、タイミングを逃しそうな場合は Google カレンダーに「やる日」と締切日を予定として入れています。未来の自分が思い出せるようにしたら、暴走しやすさは落ち着きました。それ以外は、マイコーチに「また焦ってるんじゃない?」とツッコんでもらっています。
上位資質の弱みも認めよう
ストレングスファインダーは強みを知れるツールという認識が広まっていますが、実際にわかることは「才能」です。ですから、「強みづかい」や「弱みづかい」(公式には Help と Hinder)の側面はあっても、「強み」を発揮できているとは限りません。そして「強み」として磨けるかどうかは、メンタルに左右されます。
私はストレングスファインダーが大好きで、強みの側面を見出していましたが、過去に「強みの側面を言語化したところで、弱みづかいに囚われている人には受け入れてもらえないんじゃ、意味がないのでは」と絶望して(〈最上志向〉×〈ポジティブ〉の暴走)、プロファイリングから離れていたことがありました。今では、本人の認識として当たってようが間違っていようが、望まれたのなら私から見える可能性を言語化するだけだと割り切っています。
上位資質を強みとして磨くためのメンタルは、自分の弱みを認めること。「弱みを認めることができれば苦労しない」と感じていたら、ストレングスコーチを頼ってほしいのです。暴走に気づいて弱めるだけでも、強みづかいしやすくなりますから。
上位資質が暴走するのは、理由があります。私の場合は、以下。
- 〈着想〉:ユニークでありたい。大衆に埋もれたくない。自由でありたい。
- 〈戦略性〉:最短ルートを見つけたい。提案を認めて欲しい。
- 〈最上志向〉:プロでありたい。もっと成長したい。
- 〈ポジティブ〉:楽しくすごしたい。前を向いて欲しい。
- 〈活発性〉:悩むくらいならやってみたい。やらずに後悔したくない。
改めて挙げてみると「〜したくない」という欲求が出る資質は暴走しやすいかもと思いました。資質を活かす方向性が定まっていないからでしょうね。
雲が厚くても、雨が降ればそのうち晴れるように、弱みに向き合って涙を流せば、強みが顔を出しやすくなります。上位資質の欲求を書き出してみて、否定形が多かったらコーチングを検討してみてくださいね。
\ 資質の特徴から紐解くのでわかりやすい /
ということで、ストレングスファインダーのエピソードトーク Advent Calendar 2024(#つよカレ2024)の1日目の記事でした。今年は参加者少ないので、ゆるっとやりますー