はい、ごめんください。離職予防士のコスギです。
実は ChatGPT、Claude、Gemini、Midjourney の課金勢です。最近、「生成AIのセミナーをお願いできませんか」というご相談をいただく機会が増えてきました。私は聴講型ではじっとしていられない、ワークショップ系講師です。
これまで、セミナーや研修の講師としてさまざまなテーマでお受けしてきましたが、ニーズとして「1時間くらいで、初心者向けに、活用方法を教えてほしい」というのは、AIに限った話ではないんですよね。
そこで、1時間で何ができるのか・できないのか、どんな目的ならどれくらい必要なのかをまとめてみました。生成AIセミナーを検討している方の、講師選びや企画の参考になれば幸いです。


1時間(60分)でできること・得られるもの・できないこと
1時間でできることは限られているため、座って聞いている「講義型」、実際の動きを見る「デモ型」、少しでも手を動かす「ミニワーク型」のどれかになります。
A. 聞いてわかる(講義型)
できること
生成AIの全体像、仕事での活用事例、やってはいけないこと(機密情報の扱いなど)のレクチャー。
得られるもの
参加者全員の共通認識。「AIって何?」から「うちの仕事ならここで使えそうかも」の問い。
できないこと
聞いただけでは、翌日から手は動きません。「いい話だった」で終わるリスクが高いです。
Aの講義型は、「自分で調べて読むより、教えてくれるほうが理解しやすい」という方に向いています。ただし、本人が知りたいと思っているならともかく、(私の体感では)夜には忘れているケースがほとんどです。
知識の定着を目的とするなら、ディスカッションをするなどして、インプット:アウトプット=2:3 くらいにするとベストです。得られるものは要点のみとなるため、私はよく「たったひとつのこと」としてキーフレーズをお伝えすることがあります。
生成AI系なら「意図と意思」ですね。心臓を捧げよ!
B. 見てつかむ(デモ型)
できること
参加者から仕事の悩みを募り、その場で目の前でAIに相談して見せるライブデモ。
得られるもの
「自分の仕事で使うとこうなる」という具体的なイメージ。「もっとこうしたい」の行動促進。
できないこと
自分ひとりでは再現できず「わかったつもり」になりやすいため、次の布石が重要です。
Bのデモ型は、「実際に、プロならどうするのかを見てみたい」という方に向いています。ただし、その場でわかりやすい結果が出やすいぶん、自分たちによる再現性が低かったり、「これは自分にはできない」と無力感を覚えてしまったりするケースがあります。
そのため私は、その場で完成させることをしません。宿題として持ち帰っていただき、自社で続きを実施するためのきっかけとしていただきます。当然ストレスがかかるため、満足度は低めになります。満足度を上げるのはご本人。
生成AI系なら、実際にやってみせるのが王道ですね。私はいくつかのツールを使えるため、違いも見えます。
C. 触ってはじめる(ミニワーク型)
できること
レクチャーに基づいて各自の環境でAIに聞いてみるワークとディスカッション。
得られるもの
「やってみたらこうだった」という体験と振り返り。これなくして生成AIの利用は進みません。
できないこと
業務への本格適用までは足りません。また、機材やWi-Fiなど環境の事前確認が必要です。
Cのミニワーク型は、「まずやってみたい」という方に向いています。ただし、その場でちょっとやるだけなら「へ〜」で終わります。3つの型の中でも、特に準備が必要になるものなのに、「へ〜」で終わってはもったいない。
重要なのは「やってみたビフォーアフター」を、お互いに共有すること。やる前後の変化が、この型の成果です。インプット:ワーク:アウトプット=2:3:5 くらいの比重で考えています。
生成AI系なら、触る前にどんなことを思っているか・感じているかをメモしておき、同じプロンプトをAIに入力してみて、何度かやりとりしたあとで振り返ると、最初の表情と変わっていることが多いです。沼っちゃうね、AI。
目的別、生成AIセミナーのパターン
上記は「1時間でやるなら」ですが、そもそも「何のためにやるのか」から一緒に決められるなら、時間は目的に合わせて設計したほうがいいでしょう。生成AIの研修は「誰の・何を変えたいか」で設計がまるごと変わるため、私は4段階で考えています。
①個人の「認知」を変える(生成AI体験セミナー)
- 目的
-
AIへの印象を「怖い・難しそう」から「面白いかも・楽しいかも」へ変える
- 得られるもの
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実際に手を動かした体験と、組織の共通言語
- 所要時間の目安
-
60〜90分/回
- オススメ
-
「まだ誰も触っていない」「社内の温度差が大きい」という組織
まずは、AIと仲良くなるためのきっかけづくりです。規模によっては、全社ではなく、少人数の部署や有志などを対象に実施しても良いですね。
ただし体験だけで終わると、次の日には忘れてしまいます。そのため、組織で推奨するAIを決めておいたほういいでしょう(組織で用意できない場合は、体験用に用意することも可能です・要相談)
ChatGPTを「チャッピー」と呼ぶように、なんらかの愛称をつけたり、「共通言語」をつくることを大事にします。「この仕事、AIでいけるんじゃない?」と誰かが言い出しても、頭ごなしに止める人がいなくなるのがゴールです。
②個人の「行動」を変える(実践ワークショップ)
- 目的
-
自分の業務に当てはめて、「知る」から「使える」への実践
- 得られるもの
-
業務の棚卸し → AIに任せる部分の切り分け → 試して振り返る、までの一巡
- 所要時間の目安
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半日、または120分×2回 など
- オススメ
-
「触ったことはあるけれど、業務では使えていない」という組織
次は、仲良くなったAIを自分の仕事仲間にするステップです。雑談相手から、実際に自分の業務を手伝ってくれる相棒になるので、個人で活用している方のゴールと言えます。ようこそ、AI沼へ。
つまづいているのは「どうやって使えば良いのか」ではなく「自分の仕事のどこで使えるか」なので、業務の棚卸しをするのがベストです。といっても、ふだんパソコンでやっていることを振り返ってみればヒントはあります。
よく「事例を知りたい」と言われますが、これは意外と、雑談の中で出てくることが多いのですよね。なぜなら、人間が当たり前にやっていることが多いから。
たとえば、名刺情報の入力は、名刺管理サービスを使っているケースも多いでしょうが、動画で撮影すればAIが読み取ってくれる時代です。じゃあ個人情報とかどうするの、などの議論が起きてくれば、活用のスタートです。
③組織の「仕組み」を変える(定着支援)
- 目的
-
一部の詳しい人任せから、チームの標準にする
- 得られるもの
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社内の活用ルール、うまくいった事例を共有する仕組み
- 所要時間の目安
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月1回×3ヶ月程度から
- オススメ
-
「詳しい人に依存していて、その人が休むと止まる」という組織
そして、自分だけの相棒から職場みんなの同僚にする。「あの人だけが使えるAI」ではなく「AI社員」の爆誕です。いわゆるDXの初〜中期フェーズ。
ここは、本格的に業務の棚卸しが必要になります。会社の仕組みになっているサービスや、属人化している業務、ルーチンワークを洗い出して、それをAIに代替できないかを検討します。社内ツールが増えすぎても本末転倒なので、「そもそも何のために導入したのか」の費用対効果を検討する機会にもなりますね。
このステップで一番使いやすいのは、Google Workspace と連携している Gemini と言われていますが、これまでに使ってきたAIを選んでもいいと、私は思います。連携できるので、変える必要はありません。たとえば、FAQをAIに連携して新人さんがAIに尋ねるような仕組みは、すぐできます。
ここは、社内の推進役と一緒につくっていくことになります。まずは社内のAI利用ポリシーを仮で決めつつ、進めましょう。ここでルールを厳しくしすぎると誰も使わなくなってしまうため、禁止事項を増やすより、活用事例を増やすほうが先です。楽しいですよ。
④組織の「時間の使い方」を変える(活用伴走)
- 目的
-
効率化で浮いた時間を、人の育成に再投資する
- 得られるもの
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「AIに任せる仕事」と「人が担う意思決定」の切り分け・設計
- 所要時間の目安
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四半期〜半年の伴走から
- オススメ
-
「すでに効率化が回り始めた」という組織
最後は、AI社員に仕事を任せて、空いた時間でリアルな人を育てること。いわゆるDXのゴール(とスタート)はここにあたります。なお「AI活用人材」は②で、この④はAI活用が当たり前になって、組織として心理的ハードルも下がっている状態です。「最近AIを使わなくなった」という感覚にすらなるかもしれません。
ここまで来ると、たとえばクリフトンストレングス(ストレングスファインダー)のようなツールで個人の傾向をAIがすべて把握できるようにもできます。業務でつまづきやすい点の仮説があれば、お互いに人間同士がフォローし合える仕組みになり、評価や育成の納得感が高まります。
ただ個人的には、何でもかんでもAIを使うのではなく、AIを使うこと・使わないことの切り分けこそが重要だと考えています。対面で会って信頼関係を育むことは、人にしかできません。AIを使うたび、人が人として生きる時間が濃くなるのだと感じます。その分、人間力みたいなものが残るのが、興味深いところですね。
同じAIでも、最適な使い方は人によって違う
そもそもの話ですが、生成AI利用の大前提は「AIを使うのは人である」です。だからこそ、職場を良くしたい私としては、AIの使い方は人の意思決定タイプによっても大きく変わると実感しています。たとえばですね。
- データを揃えてじっくり確かめたい人 → AIを検証役・抜け漏れチェック役にすると力を発揮します
- 結論を最短で欲しい人 → AIを要約役・時短役にすると仕事が加速します
- まわりの納得感を大事にしたい人 → AIを説明資料のたたき台役にすると説明がラクになります
- 思いつきで動きたい人 → AIを壁打ち・ブレスト相手にすると発想が広がります
「操作方法を教えて終わり」のセミナーだと、この違いが置き去りになってしまいます。だからこそ生成AIセミナーは、人を見ることとセットになったらいいなと思っているのですが、ここがつながらないケースばかりなんですよね。
本当は、「タイプ診断(事前実施)+レクチャー+意思決定のタイプ別AIワーク+振り返り+実施報告(宿題)」くらいまでできたら、各自が共感と納得を得られるため、「利用」から「活用」に進みやすくなるのですが。
ミニマムで90分くらいになりますが、このメニューに興味を持たれましたら、お声がけください。
AIで効率化したら、別の仕事を入れてはいけない
AIを導入する目的は、時代の波もあると思いますが、期待するのは業務効率化かと思います。今後は更に発展して、パソコンに向かっている仕事のほとんどは、AIができるようになるでしょう。「これ、AIでいいじゃん」というものは、どんどん増えていくと思います。
そのAIを使うのは、人です。人が担うのは、意思決定(と、それに伴う責任)です。法律がまだ追いついていませんが、遠くない未来に整備されることでしょう。
ですから、AIによって浮いた時間は、「適切に意思決定するための人の育成」に使うべきです。お互いの強みをどう活かせるかを対話したり、目標に向かってどう進めていくかを議論したり。AI活用は目的ではなく、人に向き合う余白をつくる手段だと捉えています。
私が生成AIを扱っているのは、職場に心の余裕をつくるためでもあります。忙しいという字は、「心を亡くす」と書きますからね。離職予防士として、子どもたちに胸を張って仕事を楽しむ大人を増やしたいんですよ。
そんなわけで「ただツールの使い方を教えてくれればそれでいい」という依頼にはお応えできませんが、そうでなければ、一度お声がけください。以下から予約できますので、オンラインで30分くらいお話しませんか?
