【能登半島地震】チャリティーコーチングを行っています

ストレスの原因・対処のための、ストレングスファインダー®活用のススメ

はい、ごめんください。Gallup認定ストレングスコーチの小杉です。
ストレスは、寝たり話したりすると大抵解消するメンタルの持ち主です。

さて今回は、

  • ストレスになりやすい原因にアタリをつける
  • 過剰なストレスを適度なストレスに変えて対処する

この2点について、ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)の結果を活用してみましょう。すでにストレングスファインダーを診断されている方は、ご自身はもちろん、気になっている相手の上位資質(TOP5)をふまえてご覧ください。むやみにストレス要因に意識を向けることを推奨するのではなく、見極めて対処することが大切です。

以下はあくまでカエルコムニスとしての提案であり、Gallup公式の発言ではないことをご留意ください。
また、上位資質の組み合わせによっては、より過剰に感じたり、逆に打ち消し合ったりすることもあります。具体的にストレスを軽減し活用したい場合にはストレングスコーチングやカウンセリングをご検討ください。なお、慢性的なストレスにより疑心暗鬼になっていたり、日常生活に支障があったりする場合には、精神科の受診をオススメいたします。

ストレスになりやすい原因と対処法(34資質別)

今回の記事を書くに当たり、ストレングスファインダーの34資質それぞれにおける「ストレスの原因になりやすいケース」「ストレスへの対処法」をツイートしています挑戦と能力のバランス(後述)を取って、ストレスを味方にしましょう。

長いので、領域ごとにまとめました。
なお、上位資質にないストレスは感じないわけではなく、上位資質に関することは人一倍気になってしまうために、早めに対処しておくことが大切です。

資質はそもそも、その分野に関して100倍反応しているようなものですから。

戦略的思考力は、ゆっくり考える時間を持とう

考えることが目的や欲求になる戦略的思考力の資質は、知識や思考に関することが制限されると大きなストレスを感じやすいです。ただ、ストレスを俯瞰したり集めた情報に照らしたりして冷静に判断し、ストレスマネジメントしやすい特徴も併せ持っています。戦略的思考力の資質が上位をかなり占める場合は、対話したり紙に書いたりしながら、感情面からご自身を振り返ってみましょう。自分の気持ちをしっかり味わいながら整理できると進みやすいです。

戦略的思考力(クリックで開きます)
学習欲

学習欲

学びのプロセスを楽しめないとストレスを感じやすいです。トレンドはもちろん、若い人の言葉も興味深く真摯に聴く姿勢があるため、学生に混ざってるくらいがちょうどイイかもしれません。

  • 学びたいことが多すぎる
    → 優先順位をつけて、学習計画を立てる
  • マンネリ化を感じる
    → まだ知らないことはないかを考えたり、その業界からスライドした知見を得る
原点思考

原点思考

背景を把握できないとモヤモヤしやすいです。過去の教訓や事象から、新しいアイデアや戦略を形成する才能なので、現場の先駆者に話を聞きに行きましょう。

  • 過去の事例や情報が不足
    → 関係者に経緯を確認したり、別の観点から専門家の知見を得る
  • 新しく始まったことへの対応
    → 始まる前に何が起きていたのか、きっかけを深堀

収集心

とにもかくにも情報量が命。アウトプットが足りないときはインプットが足りていないので、NotionやChatGPTなどを使って整理しながら、情報の活用機会を見つけましょう。

  • 情報過多で整理が難しい
    → カテゴリー別に整理して優先順位をつける
  • 情報が少なくて判断しにくい
    → 一次情報を調べたり、関係者数名から情報収集

戦略性

全体を把握できないとイライラしやすいです。視座が高く、抽象と具体を行き来した仮説ベースで考えます。ご自身の思考は他の方よりも速いことを自覚しておきましょう。

  • 選択肢が絞り込めない
    → 目標や期限など他の条件を明確にする
  • 考えが伝わらない
    → 一歩ずつ具体化して伝える

着想

精神的な窮屈さがストレスになって天邪鬼に。スパーク才能なのでアイデアの数で勝負できると発散できます。イジケちゃうくらいなら踊っちゃいましょ。

  • 刺激がなくてつまらない
    → 自ら刺激を起こす、刺激を得るために行動する
  • 真面目にやれと言われる
    → 別の環境で発散する、環境を変える

内省

ひとりで悶々とストレスを熟成させてしまいがち。普段から自分の脳内の思考・感情・行動をノートなどに書き出しておくことで、冷静さを保てます。

  • 熟考する時間が与えられない
    → 保留しておく、発言順を最後にしてもらう
  • 絶対解を求められる
    → 中立な立場で多方面の解を示す

分析思考

物事の意図がわからないとモヤモヤし、ド正論発言で相手を追い詰めがちに。カオスから本質を見出していく才能ですから、KPIの再設定と検証をしながら動きましょう。

  • 感情的に話される
    → 相手の感情を言語化して相手に確認
  • 考える時間が足りない
    → 動きながら考えることをあきらめなくてOK

未来志向

ビジョンを共有できないと停滞感でイライラしやすいです。前向きに行動できるリーダーシップの才能なので、自分だけの空想に留めず、他者と共有して実現しましょう。

  • 現在や過去に囚われた状況
    → 自ら動いて状況を変える
  • 想定外の未来を迎える
    → ビジョンを軌道修正する

人間関係構築力は、心を許せる人と話そう

他者に貢献し、喜んでもらうことが目的や欲求になる人間関係構築力の資質は、対人関係がうまくいかないとストレスを感じやすいです。ストレス耐性は比較的高いですが、笑顔で隠しているだけの場合も少なくありません。孤独になると不安のスパイラルに陥りやすいです。人間関係構築力の資質が上位をかなり占める場合は、感情を開放できる相手に自分の気持ちを聴いてもらい、傷ついていることに向き合ってからキッチリ対処しましょう。割と怒りを溜め込んでいる場合も多いです。

人間関係構築力(クリックで開きます)

運命思考

地に足がつかないときは、ストレスのサイン。超受容のレジリエンス才能ですが、それでも感じるストレスは縁を手放しても大丈夫。必要なら戻ってきますよ。

  • 自分が他者に与える影響が大きくて慌てる
    → 縁の糸(意図)を見ると、実は表面的なもの
  • 俗世間に疲れる
    → 芝生や土の上を裸足で歩き、自然を踏みしめる

共感性

他者のストレスを自分のストレスとして取り込みがち。感情を扱える超才能ですから、深〜く呼吸して「感じているという事実」に向き合えば大丈夫☺

  • 他者の感情に圧倒される
    → 他者と心理的に線を引き、自己一致を意識する
  • 過剰にお節介してしまう
    → 冷静に、誰のためかを考えた行動に変えていく

個別化

自分を変化させる分、ストレスに気づいたら自省のタイミング。対人特化の才能は、相手を詳細に知るほど磨かれます。その分、自分の多様性を知るのも忘れずに。

  • 他者のことを知らない
    → 自ら話を聴きに行く機会をつくる
  • 自分が見えない
    → 他者からのフィードバックを受け取る

親密性

貢献の手応えを感じられないと不安になりがち。相互信頼で超活性する才能なので、不安や恐れは早めに解消しておきましょう。大丈夫、あなたが信じた人だから。

  • 不信感を向けられる
    → 相手の気持ちを聴いてから本心を共有する
  • 安心できる時間がない
    → 安心できる人との親密な時間をつくる

成長促進

がんばり屋さんな分、徒労感を感じやすいです。深呼吸して視野を広げ、相手の卒業を見極めながら育成の超才能を発揮しましょう🌱

  • 相手のやる気がない
    → 手を出さず、問いながら見守る
  • 成長が見えにくい
    → 目標を再確認して支援する

調和性

争いと無益がストレス源に。平和を尊ぶ合理主義者なので、意見の主張が苦手なときは、質問で前進させていきましょう。

  • 言い争いの場
    → 別途、個々の話を聴いて目的を再設定
  • だらだら会議
    → 会議後に何をすべきか、具体的な行動を場に問う

適応性

何気なく流されて首を絞めることも。とはいえストレス耐性が高く、ピンチをチャンスにできる超才能です。ストレスを感じた時こそ、まさにチャンス✨

  • もう対応しきれない
    → 一旦整理して優先順位をつける
  • 役割が不明確になる
    → 改めて確認しすり合わせる

包含

孤独に対する心理的負荷が大きいです。ファシリテーターとして個を輪にできる超才能ですから、オープンマインドで円卓をじっくり育てましょう。

  • 巻き込みすぎる
    → 輪に入れる前に意思を確認する
  • 独りにされる
    → グループ対話の機会を増やす

ポジティブ

ネガティブを避けようとするあまり、自分の心の傷にすら気づかないことも。笑顔で場を明るくする超才能だからこそ、ご自身の気持ちや情熱を大切に。

  • 悲観を強要される
    → 楽観的姿勢で必要な行動を
  • ムリヤリ笑顔
    → 傷ついていることに目を向けて感情整理を

影響力は、エネルギーを発散しよう

他者を変え、動かすことが目的や欲求になる影響力の資質は、自分の判断が受け入れられないとストレスを感じやすいです。基本的に「自分が正しい」というスタンスなので、自省する余裕がなくなってくると、短絡的に怒りで相手をコントロールしがちになります。影響力の資質が上位をかなり占める場合は、スポーツや筋トレなどで発散しつつ、怒りの奥にある本当の感情を冷静に見つめ、本来の目的を見据えましょう。実は恐れや寂しさを隠したい場合もあります。

影響力(クリックで開きます)

活発性

3倍速で行動しているので、周囲の行動が遅すぎるように感じやすいです。走りながら考える才能なので、他者への影響範囲に気をつけて飛び込んでいきましょう。

  • 素早い行動が制限される
    → 別の方法で行動を起こす
  • 失敗を咎められる
    → リスクヘッジした行動範囲を決めて動く

競争性

比較の才能なので、競争そのものに振り回されがち。勝つためには努力を惜しまないため、負けた時は悔しくて当然です。その経験を次に活かしましょう。

  • 短期的に見て勝ちにくい状況
    → 長期視点で勝利を見出す
  • 競争相手がいない
    → 勝つことの意味を問う機会として捉え、適切な好敵手を探す

コミュニケーション

話すことで思考が整理されるため、声を出せない環境はしんどくなりがち。聴衆がいて発揮される言葉と音の超才能ですから、スキルを磨いてネットを活用しましょう。

  • 雑談できない
    → 別の人に話を聴いてもらう機会を作る
  • 文字ばかりの資料
    → 音読するか、関係者に必要事項を声で説明してもらう

最上志向

こだわりが強すぎると摩擦が起きがちに。満足せずに最善を尽くす才能ですから、視野を広げて「どうなるのが一番良いのか」にこだわりましょう。

  • 自己卑下する
    → できていることを認めて比較対象を再考する
  • (まだ改善の余地があるのに)満足される
    → 本当のゴールを共有する

自我

他者評価に左右されやすいため、実は繊細です。人一倍強い貢献欲求で、社会を良くする価値をつくりあげる超才能。しっかりと手をかけて、モノにしてください。

  • 仕事が認められない
    → 自分の価値を第三者から伝えてもらう
  • 自分のやりたいことが大衆化する
    → 次の開拓者になる

自己確信

他者に選択を決定されることがストレスに。自己決定力が強く必要なリスクは進んで負う特別な才能を活かせるよう、特性を周囲に理解しておいてもらうことも大切です。

  • マイクロマネジメントされる
  • 相手の決心が鈍い
  • 命令のようなアドバイス
    → 伝え方を工夫して自分の決断を伝える

社交性

無視や嫌われることがストレスに。知らない人と話すことが大好きなコミュ強。最初から友達のような気楽さや、安心感で相手を魅了する天才です。

  • 人間関係がマンネリ化する
    → コミュニティを横断して新しい人と会う
  • 他者との接触が少ない
    → お店や公共の場で会える人と話す

指令性

ハッキリしないとイラつきがち。威圧的な雰囲気がありますが、率直なだけなんですよね。反論も大歓迎で決着するまでやりあいます。場を主導し、一丸となって進めることを尊重しています。

  • 遠回しに言われる
    → 選択肢を提示する/「!」をつけずに確認する
  • 萎縮される
    → 他の資質も活用して性質を理解してもらう

実行力は、目的と目標を定めて構造化しよう

物事を達成して完了させることが目的や欲求になる実行力の資質は、成すべきことが曖昧になるとストレスを感じやすいです。抽象的な状況を時間の無駄と感じ、他者に相談する時間すら迷惑と考えてしまうと、燃え尽き症候群になりかねません。実行力の資質が上位をかなり占める場合は、人生を大きな仕事と考え、全体的な目的や目標を定めましょう。定期的に短期目標や中期目標を定めて時間を構造化するとブレにくくなります。動きにくい時は他の資質に由来する感情を持ち込んでいるかも。

実行力(クリックで開きます)

アレンジ

マルチタスクの才能なので、リソース(人的・物的)の把握がキモ。人に頼りながら同時進行でたくさんのことをできる特異才能なので、ゴールを見極めて最大化しましょう。

  • 急がされる
    → 焦らずリソース確認を
  • 抱えるタスクが少ない
    → スキルを棚卸しして提案

回復志向

解決状態が見えないと燻りがち。自分だけでは動きにくいと感じた時は、あえて「問題」として認識しましょう。どんなことも解決できるはずですから。

  • 問題が大きすぎて解決策が見えない
    → 問題を分解して解決できるところから対処する
  • 一気に解決しようとする
    → 行動を起こして視座を変える

規律性

ルーティンが乱されるとストレスに。環境に適応しながら、継続的な効率化の秩序をもたらしましょう。

  • 一時的に日課が狂う
    → 例外を受け入れて日常に戻る
  • 慣れない環境
    → 振り返りを習慣化して共通項を見つける

公平性

えこひいきや不公平に苛立ちを感じやすいです。個人より集団の利益を優先し、安定性をもたらす才能。組織の隠れた要石のような存在です。

  • 個を優先される
    → 視野を広げて全体を見る
  • ルールが形骸化している
    → 自ら立て直して新しいルールをつくる

慎重さ

心配しすぎると動けなくなりがち。リスクヘッジして確実にやり遂げたい才能なので、中長期を見越したリスクを共有し、活躍しましょう。

  • 即決を求められる
    → 変更の可能性をふまえた合意を得る
  • 判断に困る
    → ゴールや全体像の合意を得る

信念

言動の不一致に葛藤します。倫理観のハッキリした社会的信念が核となって原動力になる才能です。その真っ直ぐな価値観を言語化し共感を得て、変革を起こしましょう。

  • 価値観の衝突
    → お互いの偏見に気づいて認め合う
  • ビジョンと現場の齟齬
    → 改革の余地があるなら自ら企てて動く

責任感

他者からの期待に対して人一倍敏感です。期待にはキッチリ応えたい貢献才能なので、独りで抱え込む前に、ゴールを明確に照らして活躍しましょう。

  • 期待に応えられない
    → 限界を認識し相談することで過度な期待を調整
  • 自分との約束が守れない
    → 他者に宣言して巻き込む

達成欲

体力とのバランスが取れなくなると崩れがちに。効率的に休息できるようにメンテナンスしながら、チェックリストをモリモリこなしていきましょう。

  • タスクが少なすぎる
    → 大きめの課題に取り組むことでタスクを増やす
  • タスクが多すぎる
    → 燃え尽きる前に上流工程に相談する

目標志向

まさに目標に左右されます。目標をトンネルの先に見据え、一直線に達成する才能ですから、爆発的な行動力を発揮できるよう、環境を整えましょう。

  • 目標が定まらない
    → 関係者に相談して具体的な目標を確定する
  • 目標が遠すぎる
    → 目標までのマイルストーンを明確に

ストレスは、毒にも薬にもなる

悪いイメージばかりある「ストレス」ですが、否定的な側面と、肯定的な側面の両方があります。

そもそも「ストレス」とは、「心身に対する外部からの刺激や要求に対処するために生じる反応」のことです。乱暴にまとめると、「集中力や警戒心を高めてくれるもの」ですね。

過剰なストレスは、健康やパフォーマンスに悪影響をもたらします。しかし適度なストレスは、集中力や判断力が研ぎ澄まされ、生産性の高いフロー状態を得られます。ストレスは、毒にも薬にもなるんです。体内で生成される、エナジードリンクみたいなもの。

ストレスに関してより深く知りたい方には、こちらの書籍をオススメしています。脳科学の観点から、ワクワクするような流れで書かれているので、難しいことを脇において理解しやすいのがポイント。アマプラ会員ならKindleで0円なので、ダウンロードだけでもしておきましょう。

BRAIN DRIVEN ( ブレインドリブン ) パフォーマンスが高まる脳の状態とは

「モチベーション」「ストレス」「クリエイティビティ」という3つのテーマについて、「脳の中で何が起こっているのか(WHAT)」を解き明かし、「なぜそうなるのか(WHY)」について知識を深めれば、「パフォーマンスを高める方法(HOW)」を自ら創り出せる。という流れでわかりやすく解説されています。

で、この本だけでも良いのですが、ストレスをうまく活用したいなら、私の記事よりも同じ著者の青砥さんのこちらを読むのが一番です。上記の本から、ストレスに関してより具体的に説明されています。

HAPPY STRESS (ハッピーストレス) ストレスがあなたの脳を進化させる

ストレスについて、神経科学の観点からモリモリ書かれているため、ストレスが「(なんかよくわからないけど)めっちゃ嫌なもの」から「人間の生体機能として必要不可欠なもの」という認識に変わります。そのうえで、ストレスの対処法と活用法も具体的にわかりやすく書かれています。

なお、ストレス要因を見つけて対処する行動戦略を「コーピング(coping)」と言います。メンタルヘルス用語なので、興味のある方は「コーピング」も調べてみてください。

というわけでこのストレス状態、つまり「集中力や警戒心が高まっている状態」は一時的に爆発的な効果を発揮するものなので、ずーっと続いていたら、心身がおかしくならないわけがないんですよ。だから身体にも不調が出るし、精神も持ちません。ストレスが悪いイメージなのは、過度なストレスに晒されている状態が病状としてわかりやすいためですね。

そんなわけで、過度に大きなストレスを適度に小さくしてつきあいやすくするため、もう少しご説明します。

適度なストレスとは

ストレスが “毒” になるか “薬” になるかの判断基準として、以下の2つを把握しておきましょう。

①挑戦(チャレンジ)と能力(アビリティ)のバランス

挑戦できる課題があって、対処するための能力があれば、ストレスは適度であると考えられます。もちろん「挑戦」と感じられるかどうかも大切です。適度な段差のある階段を上るようなイメージですね。

逆に、挑戦が大きすぎて、対処するための能力が不足している場合、ストレスは過剰となります。対処するための能力があるにも関わらず、発揮できていない状況も同様です。階段の段差が大きすぎて壁のようになっていたり、そもそも階段なんて上りたくないと感じているようなイメージです。

このような場合、挑戦する対象を分解して小さくし、段階的に挑戦することでストレスをコントロールできます。

  • 目標の対応期間を長くし、小さな目標に分解する
  • ゴールの解像度を高め、必要な要素を洗い出す
  • 目標の先にある目的を言語化し、目標を改めて対応できないか再考する

大きすぎる課題の分解にひとりで向き合うことがしんどいと感じたら、一緒に問題を分解してステップにしてくれる相手と一緒に考えてみましょう。上司や同僚など、同じ目標を共有する相手と対話しながらステップをつくっていくのが一番望ましいですが、その対話のためにストレスを整理する必要があるときは、コーチなどの専門家を頼ってくださいね。

②個人差(ストレングスファインダーの上位資質)

ストレスの程度は、個々人の性格や状況によって異なるため、絶対的な指標はありません。しかしストレングスファインダーを活用すると、個人差を理解しやすくなります。以下のように、ストレスを感じる状況が真逆であることも明快にわかります。

  • 〈コミュニケーション〉は、人前に立ってプレゼンすることが得意かつ刺激的な経験ですが、リアルタイムではない文章によるやり取りを億劫に感じやすいです。
  • 〈内省〉は、自分の考えをノートに書き出しながらまとめ、多面的に考え抜いた文章を書くことに充実感を得ますが、唐突にその場で意見を求められると混乱しやすいです。

また、以下(一部)に挙げたように、比較的ストレス耐性の高い資質もあります。レジリエンス才能ともいえますね。

  • 〈自己確信〉は、自己決定力が強いため、リスクを想定して行動します。
  • 〈運命思考〉は、すべての事象に意味を見出すため、ストレスも必要なものと捉えやすいです。
  • 〈ポジティブ〉は、ストレスに晒されても長続きさせず、楽観的に捉えて対処する傾向があります。
  • 〈成長促進〉は、相手の成長を長い目で支援するため、多少の苦難に対する忍耐強さがあります。
  • 〈適応性〉は、非日常なことが起きたときこそ、冷静な判断で行動する柔軟性を持っています。
  • 〈個別化〉は、個性そのものに興味を持つため、相手を決めつけない対人柔軟性が高いです。

もちろん、これらの資質が上位になければ、ストレスに対応できないという話ではありません。

ご自身の上位資質から適度なストレスにアタリをつけ、それに応じたストレス管理を行うことで、ストレスがもたらす悪影響を軽減できます。更に適度なストレスによって適応力を高め、ストレス耐性を促進することもできます

人間関係のストレスになりやすい原因

危機に瀕することなく日常生活を送っていると、自分にとって “普通” なことは、相手にとっても “普通” だと認識してしまいやすいです。これが、人間関係のストレスになりやすい原因です。

「私にもできるのに、なんでできないの?」「普通、考えればわかるでしょ?」「やっぱり私が悪いからなんとかしなきゃ……」なんてことを思ったら、どんな人にも下位資質があることを思い出してみてください。上位資質と下位資質が逆の傾向がある者同士では、価値観も異なります。価値観を押しつけあっているだけでは、摩擦しか生まれません。

ですから、ストレスを感じてしまう本人と似たような資質、つまり自分の下位資質を持っている方と対話したり、壁打ちしたりするのがオススメです。自分とはまったく異なる価値観を持っている相手に対し、どのようなコミュニケーションが適切なのか、客観的に理解しやすいです。

特に、影響力系(オレンジ色)の資質を持っている方や、怒りのストレスを感じやすい方は、無意識に「自分が正しい」と思い込んでしまっているため、他者の価値観を尊重した行動に変わると、持ち前の影響力によって事態が好転しやすいです。

話しているうちに「結局、何がしたかったんだっけ?」と、本来の願いに気づけるようになると、価値観を押し付ける必要性も薄れてきます。そして、資質を強みづかいしやすくなります。

たとえば、以下のようなことが起きます。

  • 〈戦略性〉が上位(TOP5)にある方
    伝えているのになかなか伝わらないことに不満があれば、〈調和性〉が上位の相手に共有し、理解しにくいところを指摘してもらいましょう。「普通、考えればわかる」と思いこんでしまっているので、実現可能性のフィードバックによって、考えている内容を具体的にしてから伝えられるようになります。
  • 〈最上志向〉が上位(TOP5)にある方
    一定のレベルで満足されてしまうことに不満があれば、〈回復志向〉が上位の相手に共有し、達成目標の価値観について対話してみましょう。「普通、目標は超えるもの」と思いこんでしまっているので、本当に達成すべき目標をどのように共有すればチームが望む成果を出せるのか、より良い選択肢を検討できるようになります。

家庭や事業など、長期間共通の目的を共にしているパートナーの資質を見比べてみると、真逆の印象を持つことが多いです。自分と真逆の資質を持つ相手とは、信頼に基づく相互尊重のうえで、お互いを補完しあっているんです(ストレングスファインダー®の相性? “真逆” な資質とのつきあいかた も参考にどうぞ)。

また、自分と同じ資質を持っているストレングスコーチなら、上位資質のストレスマネジメントをしていることが多いため、ストレス状況を打破する参考になります。何より、同じ価値観で話せるため、自尊心も回復しやすいです。ご自身のストレス段階に応じたストレングスコーチを探してみてください。思いっきり愚痴るだけでも感情を整理できますが、どの資質の感情が葛藤しているのかを理解できると、行動を変えやすいですよ。

「そうは言ってもさ〜!あの人とはさ〜〜!!💢💢💢」って、イライラしながらも状況を変えられないときは、あると思います。思考でなんとか理解しようとしても、感情がザワザワするんですよね。私もよくなります。価値観の全く異なる姑と同居してるので……。そんなときは「いつ、今の関係を解消するのか」を考えてみてください。別居の時期を決めたら、それまでにやっておきたいことが見えてきたので過ごしやすくなりましたYO!

別の心理学の理論からイライラについて語りまくった記事もあるので、気になる方はどうぞ↓

note(ノート)
あなたの「心理ゲーム」はどれ?イライラの根本理由を探ろう|コスギのあたまのなか コミュニケーション心理学「交流分析」が大好きなコスギです。 今回は、めちゃくちゃ嫌〜な気分になるのにやめられないコミュニケーション、「心理ゲーム」について。 自分...

そしてもし、あなたの友達や家族がストレスにもがいていたら「なんかちょっと、あなたらしくないね?」と伝えてみてください。「自分を見ていてくれる人がいる!!」と、孤独から開放され、存在承認に喜び、本来の「自分らしさ」にフォーカスしやすくなります。状況が深刻になる前に、声をかけてみてくださいね。

ストレスは孤独によって増幅されます。他者に話しても思考優位になっていると、自分でストレスを増やしてしまいます。ストレス解消のコツは感情に向き合うこと。ひとりではうまく行かないときにストレングスコーチングを受けてみたいな、と思われたら、こちらの記事もどうぞ。使えるものは使い倒してナンボです。

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著者

話しているとゴキゲンになれるメンタルマネジメントの人。ストレングスファインダー®を扱うGallup認定ストレングスコーチです。心理学はエリック・バーンの交流分析とカール・ロジャーズの傾聴が大好き。WordPressの勉強会やサイト制作、ウェブマーケティング支援など、ウェブ方面でも色々とやっています。登壇は楽しく役立ちわかりやすく、がモットー。

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