はい、ごめんください。Gallup 認定ストレングスコーチのコスギです。
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は就職活動や転職活動の話題に上がることが多く、それを知った企業が「ストレングスファインダーの研修を実施したい」と興味を持つ流れができているようです。
※ストレングスファインダーの詳細は「ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)とは?一問一答でまとめました」をご覧ください。
とはいえ、現場の研修担当者としては「研修を受けたら何が得られるのか」という具体的な成果はもちろん、「評価に手間をかけられない」「経営層や現場にフィードバックして次につなげたい」といったニーズもあるかと思います。さまざまな制約の中で、どんな研修を選んだらいいのか迷いますよね。
そんな方向けに、Gallup 認定ストレングスコーチの視点から国内のサービスをまとめました。(もちろん弊社カエルコムニスのサービスを選んでいただきたい気持ちは強いですが)サービスはマッチングなので、チームのニーズに合うサービスを選んでいただけたらと思います。
ストレングスファインダー研修で期待できる効果
以下のような課題感が1つでもあるチームや組織にはオススメできます。
- 部署間・チーム間の連携がうまくいっておらず、情報共有や協働に問題が生じている
- メンバー同士の違いをネガティブに捉えてしまい、生産性やモチベーションが低下している
- 離職率が高い/社員が受け身で仕事をしており、自発性が不足している
- 若手・中堅社員のモチベーションを向上させたいが、現行の施策が形骸化している
- 管理職やリーダー層が人材を活かしたいと感じていても、指示命令型の組織になっている
- 評価や指導が「弱点の指摘」に偏りがちで、組織の成長よりも効率を重視している
- 組織再編や事業転換などに伴い、新しい価値観・風土を形成する必要がある
- スタッフが組織の将来性に疑問を感じ、キャリアパスの選択に迷いが生じている
ただし、これらの課題は仕組みや文化の影響も大きいため、ほとんどの場合「ストレングスファインダーの研修をやったけど、何も変わらなかったね」という結果に陥りやすいです。成果を出している企業は、年単位で継続的に実施していますので、「人はそんなにカンタンに変わらない」という大前提を認める必要があります。
そして、指示命令型の縦割りで効率重視の環境では、個性はむしろ邪魔である可能性も、十分にあるのですよね。ここは、トップの経営方針にも関わります。個性を活かす重要性を認識していても「うちにはそんな余裕はない」「今は乗り越えなければならない」と苦渋の決断をしている経営者もいらっしゃることは、明記しておきます。迎え入れたスタッフを混乱させたい経営者なんて、いないはずなんです。
そんな背景がありながらも、この記事を読まれている方なら「それでもスタッフの強みを活かせるなら活かしたい」「このチームで働けて本当に良かったと言ってもらいたい」と感じていらっしゃることでしょう。段階はありますが、以下のような効果を期待できます。
- お互いの強みを理解し合い、協力関係を深められる
- 異なる個性を活かし合い、個人の成長やイノベーションを進められる
- 一人ひとりが自分の強みに気づき、やりがいをもって業務に取り組める
- リーダーやマネージャーが部下の強みを伸ばせるマネジメント手法に変わる
- 1on1 ミーティング(面談)を強みの活用アプローチに変えられる
- 個性を尊重し活かす組織文化が醸成され、インナーブランディングが加速する
これらのことを期待するなら、ストレングスファインダー研修を(できれば継続的に)選んでいただくことをオススメします。
国内のストレングスファインダー研修サービス9選(2025年3月現在)
以下は、Gallup 認定ストレングスコーチのコスギが独断と偏見とAIを使って集めた情報です。一括見積もりなどには対応しておりませんので、気になるサービスは直接ご相談なさってください。
- 研修を担当する Gallup 認定ストレングスコーチが明記されていないものや、外部講師としてストレングスコーチを依頼していると思われるものを除いています。
- セミナーや講演会、個別コーチングではなく、ストレングスファインダーを研修の軸として出しているものを選んでいます。
ストレングスプレイス

まさにストレングスファインダーの学習に特化したプラットフォーム。運営は株式会社ラーニングプレイスで、代表の塙コーチが務めています。「プレイス」が「Play-ce」になっているところに、こだわりを感じますね。元々、ストレングスファインダーは人材育成ツールであり、外資系企業や大企業の活用を想定したものなので、日本の中小企業にとっては理解しにくいものでした。ですが、それらの理解から活用までを体系立てて学べるようになっています。
特筆すべきは、サポートメンバー全員が Gallup 認定ストレングスコーチの資格を持っていること。まずは第一候補に上がるのではないかと思います。
補足情報
- 所属コーチ:代表の塙英明コーチを筆頭に、複数のストレングスコーチが所属しています。
- 対応環境:対面研修とオンライン研修の双方に対応。東京での対面講座のほか、Zoomを利用した1日オンライン研修も実施しており、全国どこからでも参加可能です。
- 費用感:要問い合わせ
株式会社ハート・ラボ・ジャパン

日本国内でストレングスファインダーの情報を調べたことのある方なら、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。ストレングスファインダーの情報がまだまだ少ない黎明期からの開拓者であり、ストレングスコーチである知識コーチ(トップページのキービジュアルになっている男性)の膨大な情報量は、その信頼性を裏づけるのに十分です(私(コスギ)の資質理解の師匠でもあります)。
プログラムの種類も豊富で、特に、ストレングスコーチからアサーティブ・コミュニケーションを学べる研修はあまりないため、コミュニケーション全般に課題を感じている組織やチームにはオススメです。
補足情報
- 所属コーチ:代表である知識茂雄コーチを中心に、ストレングスコーチ資格を持つスタッフが研修を担当しています。
- 対応環境:オンライン研修やリモート開催に加え、必要に応じた全国出張も実施しており、対面・オンライン双方での実施が可能です。
- 費用感:要問い合わせ
スパークルチーム合同会社

ストレングスファインダーで組織開発をしたいなら、一番にオススメしたい研修です。単発研修にとどまらず、戦略的なフォローアップ体制や他領域の専門家とのコラボレーションしており、組織全体の強みを引き出す仕組みが整っているのが特徴。さらに、D&Iやイノベーションなど規模の大きい企業の課題にも強いです。
個人的には人事にめっぽう強い印象があり、キャリアをテーマにしたストレングスファインダー活用ならスパークルさん一択ですね。
補足情報
- 所属コーチ:代表の楠麻衣香コーチをはじめ、複数のストレングスコーチが研修を担当しています。
- 対応環境:対面登壇、オンライン、さらにはハイブリッド形式にも対応。オーダーメイドの社内研修から、体験会・オンライン公開講座まで幅広く実施。
- 費用感:要問い合わせ
株式会社アイ・ラーニング

IBM系列の研修会社としてさまざまな研修を提供しています。ストレングスファインダーを活用した研修を提供しており、認定ストレングスコーチがプログラムを設計しています。半日講座では、資質の理解と実際の強み使いまでを行い、1日研修ではリーダーシップの育成にフォーカスしています。
IBM系列ということもあってか、システマチックに運用されている印象です。エンジニアさんも多そう。まずは全員にまんべんなく受けてもらい、社内にストレングスファインダーの共通認識をつくっていくことを大切にしたい組織にオススメしたいですね。
補足情報
- 所属ストレングスコーチ:横山理絵コーチ、高田和広コーチなどのストレングスコーチが企業研修の設計と実施を担当しています。
- 対応環境:定期的なオープンオンラインクラスと、企業向けプライベート研修の両方に対応。対面・オンラインいずれも実施可能な体制が整っています。
- 費用感:0.5日間 33,000円/名 1日間 50,600円/名
株式会社マイキャリア・ラボ

キャリアコンサルティングの色が濃く、若手から管理職まで、それぞれの成長段階や課題に合わせたプログラムが設計されています。ワーキングマザーのための両立支援を謳っているのは、マイキャリア・ラボさんの特徴でしょう。
ストレングスファインダー研修に関してはサラッと書かれている程度ですが、キャリアコンサルティング技能士(キャリアコンサルタントの上位資格)の資格を持つお二人によるキャリア講師養成講座などもされています。
補足情報
- 所属ストレングスコーチ:代表取締役の森ゆきコーチおよび黒野正和コーチが担当しています。
- 対応環境:基本的には東京事務所や貸し会議室での実施ですが、オンライン対応も可能なようです。
- 費用感:要問い合わせ
ここからは、私(コスギ)とは面識のない企業です。
株式会社ザ・アカデミージャパン

ストレングスファインダーだけでなく、ポジティブ心理学を取り入れた研修を提供しているところがポイントですね。講義とワークショップを組み合わせることで、知識習得に留まらず、相互理解とリーダーシップを促すプログラムを構築しています。
エグゼクティブに精通している方々が担当されているので、次世代リーダーの育成に力を入れる企業を中心に、多数の導入実績があるのが強みなのではないでしょうか。
補足情報
- 所属ストレングスコーチ:小屋一雄コーチが所属しており、エグゼクティブトレーナー陣が担当しています。
- 対応環境:集合型から公開コースまで、3時間から1日の研修プログラムに対応しているようです。
- 費用感:要問い合わせ
株式会社ワークハピネス

ストレングスファインダーを活用したチーム力強化ワークショップを提供しています。講義だけでなく演習と対話を重視した設計により、自他の強みを再認識し、相互理解を深められる点が特徴です。ウェルビーイングに強そうな印象。
研修では強みの実務活用を具体的に議論するため、受講後の現場定着度も高いと好評です。これは研修担当者もニッコリ。
補足情報
- 所属ストレングスコーチ:江藤克晃コーチが研修の設計・進行を担当。その他、組織開発コンサルタントが研修をサポートしています。
- 対応環境:対面、オンライン、ハイブリッド形式のいずれにも対応。
- 費用感:要問い合わせ
株式会社ジェイック

上場企業ということで安心される方も多いはず。新人や若手のリーダーシップ&コミュニケーション研修を得意とし、ストレングスファインダーを活用したマネジメント研修を展開しています。参加者は自らの才能を理解し、強みへと伸ばすプロセスを体系的に学び、組織内で最大限に力を発揮するための具体策を検討します。
そしてジェイック社さん自身でも、社内でストレングスファインダー研修を実施しており、その効果を実感できているのは大きいのではないでしょうか。対応コーチがどちらも女性というのは珍しいかも?
補足情報
- 所属ストレングスコーチ:東宮美樹コーチと高嶋あゆりコーチが担当しています。
- 対応環境:オンライン(zoom/ミーティング形式)
- 費用感:32,780円/名
そしてお約束の弊社。研修プログラムをリニューアルしたばかりなので、モニター募集中です。
カエルコムニス株式会社

チームの生産性は、チームの共通課題に左右されます。つまり、チームが本当に解決すべきイシューを見つけ、そのイシューをメンバーが自分ごと化し、それぞれの強みを活かしながらの解決を通してチームが育つ。カエルコムニスではこの流れを、ストレングスファインダーとアクションラーニングのメソッドを活用して、チームの生産性を上げることに特化しています。Gallup でも「5つのC」を掲げており、マネージャーの積極的な活用が推奨されています。
また、研修は3部構成ですが、第2部と第3部は実際の課題解決のプロセスにつながるようにプログラムしています。継続的に研修を受けていただくことが難しければ、オンラインの個別コーチングにも対応しています。
補足情報
- 所属ストレングスコーチ:代表取締役の小杉清香コーチが担当します。
- 対応環境:オンライン環境に強いですが、深いコミュニケーションを望む場合には会場型を推奨しています。
- 費用感:33,000円/名(内容によって変動)
研修後の効果はどのように測定したら?
ストレングスファインダー研修を実施する企業が気になるのは「で、この研修って実際にどれだけの成果が見込めるの?」ということですよね。研修の効果を測定するための、一般的な指標として用いられているのが「カークパトリックモデル(Kirkpatrick Model)」です。
- レベル1(反応): 受講者の満足度や研修に対する反応(アンケートなどで取得)
- レベル2(学習): 知識やスキルの習得度合い(テストなどで取得)
- レベル3(行動): 職場で実践されているか、行動変容が起きているか(インタビューなどで取得)
- レベル4(結果): 業績指標や離職率、エンゲージメントや顧客満足度など(経営指標として取得)
レベル2までは、研修実施直後のアンケートやテストなどで確認できます。
弊社では、レベル1として「楽しかった」「理解できた」「役に立った」を5段階で定量評価しており、受講者のコメントを定性評価しています。また、レベル2として研修最後に設定している行動宣言の具体性で判断しています。
ストレングスファインダーの知識は最低限必要ですが、レベル2は学習の定着度合い以上に、得た知識がレベル3への足がかりとなっているかどうかを大切にしています。
そこで、レベル3として1ヶ月後に企業担当者へのアンケートやインタビューを行い、チームの成長を支える研修担当者の個別コーチングを提供しています。ストレングスファインダー研修の及第点となるラインは、「実際の業務でもストレングスファインダーの話題が出ること」としています。そのため、レベル3においてはある程度の継続を見込んでおかないとなかなか届きません。
そしてレベル4は離職率などの経営指標になりますので、少なくとも3年以上の継続で定期的にチェックしていく必要があります。ストレングスファインダー研修だけの影響には留まらないため、ここは研修担当者の方と相談しながら、必要に応じてシステマチックに進めていくべきものと考えています。
研修の成功は目的設定がすべてです。まずはレベル3を目指して、研修参加者にどのような行動変容を望み、どのような成果を期待したいかを共有しましょう。
\ 課題を自分ごと化し、強みでアクション /
社内のストレングスコーチの方へ
今のチームを変えたい、チームの良いところをもっと伸ばしたいと思って Gallup のストレングスコーチの資格を取得したことと思います。ストレングスコーチの認定講座って、コーチングや資質の説明よりも、人事での扱い方や、チーム活用を中心とした内容なんですよね。
Gallup としても、外部コーチより内部コーチを増やして、継続的にチームを支援するストレングスコーチとして、強みの組織を育てていきたいという思いがあるはずです(以前、そんなことを伺いました)。Learn it, Love it, Live it のサイクルよりも、もっと具体的なコーチングプロセスを知りたい場合は、上級講座を受けていただくことをオススメします。
ただ、社内のストレングスコーチって孤独になりやすいのですよね。複数名が在籍しているならまだしも、ひとりで活動するのは、想像以上に骨が折れることと思います。協力者がいなければ、日々の業務に飲まれてしまいかねません。本当に、おつかれさまです。
私が研修担当者にコーチングを提供するのは、こういった企業内で奮闘するストレングスコーチの味方になりたいという思いもあります。レポートの活用や資質理解に関する情報提供はもちろん、理想と現実のギャップに葛藤しながらも、その葛藤を共に成長のモチベーションとするためのサードパートナーとして、共に歩んでいきたいと願っています。