はい、ごめんください。Gallup 認定ストレングスコーチのコスギです。
私は、目標という言葉が苦手です。その理由はモリモリ説明できますが話が進まないので、今回は目標を立てて進めることが苦手な人でも、目標を立てて進めるためのコツをまとめました。
できないことはないんです。そう、クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)を活かせばね!!
ぜひお手元にストレングスファインダーのTOP5をご用意のうえ、ご一読ください。34資質別の目標設定のコツをまとめてあるので、参考にどうぞ。
そもそも、目標って何のため?
ちょうど、2024年末に Gallup の CliftonStrengths 公式がポストしていました。
For some, goal setting can feel daunting, while for others, the excitement of endless possibilities can make it difficult to know where to begin. Goals should be a reflection of your strengths and priorities—an opportunity for growth, not a form of self-punishment or negative discipline.
Deepl 訳:目標設定が難しく感じる人もいれば、無限の可能性にワクワクするあまり、何から始めたらいいのかわからなくなる人もいるだろう。目標は、自分の長所や優先事項を反映したものであるべきで、自己処罰や否定的な規律ではなく、成長の機会であるべきだ。
目標は、成長の機会。つまり、成長思考ではない状態の個人が目標を立てる必要はないし、企業にとっては目標なくして成長なし、です。まずはこの認識を共有しておきましょう。固定思考が悪いものではなく、バランスの問題です。
今回は個人が「成長の機会とするための目標」を考える記事です。
目標=目的が達成されたかどうかを判断するための手がかり
目標=成長の機会であるなら、「どんなふうに成長したいのか」が目的です。
目的があいまいなままだと目標にはならない
たとえば「毎日寝る前に Kindle を読む」なんて目標を立てても、ゲームに負けるのが関の山(←2024年の私)なので、「Kindle を読むことで、どうなりたいのか?何を期待しているのか?」が大切なんです。ここに納得感がなければ、三日坊主にすらなりません。
上記の目標で言えば、Kindle なら、漫画だってイイわけです。たぶん漫画なら読めます。だけど、ビジネス書でなければならない理由があるんですよね。それはやはり、知識を得たいから。自分の頭の中を言語化して整理したいから、ということもあるかもしれません。では、その知識がどのように活かされ、どんな自分になるのか。それがハッキリしないことには、ゲームの誘惑に負けます。だってモンハンパズル楽しいからさぁ……ログインボーナスほしいし……!
目的をスパッと言えないものは、「やれたらやる」くらいにして、優先順位を下げましょう。目標なんて持たず、気分転換の趣味にするくらいでちょうどいいかもしれません。
ちなみに「とはいっても、やりたい気持ちはあるんだよね……」ということなら、ChatGPT に相談すると目標から目的を提案してもらうこともできます。参考にどうぞ。
目標を達成するためには、「やりたい」から湧き出る目的が必要
「やると決めたからやる」ができる方もいますが、ほとんどの人間は怠け者です。「やると決めたのにできない……」と、自分を責めてしまうこともあるでしょう。
上記の Kindle の例でいえば、目的がムニャムニャとして明確な言葉になりませんでした。今までの私なら「ゲームばかりしていて、甘い人間だ……」と自責していましたが、そもそも、目標の立て方が間違っています。こんなんで自分を責めていたら、何度人間をやり直しても足りません。
今回、私が本当に考えたいことは、「2025年には強みのチームワークのためのカードゲームをつくる(仮)こと」。すでに「ための」と入っているとおり、目的がハッキリしています。コスギを「強みのチームワークづくり」に掻き立てるものは何かといえば、ストレングスファインダーが大好きで、個人のパフォーマンスだけでは限界を感じているからです。
ずっと前から考えていたことを、ChatGPT o1 pro と壁打ちしたことで、実現できる未来が見えてきました。やりたいことが目的となって、目的を深めて目標設定できるようになった瞬間。思いに納得できていれば、あとは行動するだけ。そこは ChatGPT がいくらでも道筋を示してくれる時代ですからね。
長期的な目標を追い続けるためには、「やりたい」の根源欲求から生まれる目的がスタミナの源泉になります。そこで使えるのが、ストレングスファインダー。
ストレングスファインダーの領域別・目的の捉え方
ストレングスファインダーには4つの領域(ドメイン)があり、これらの根源欲求が目的の捉え方に影響します。まず、上位資質がどの領域に属しているかを確認しましょう。実行力と影響力があるなら、その2つから紐解くと考えやすいですよ。
実行力(紫)
欲求としては「終わらせたい」ので、「終わらないとムズムズする」ほどの行動才能。その根っこには「実績によって信頼されたい」があります。個人で完結するような目的よりも、仕事のように対外的に認められる目的を定めるほうが達成しやすいです。
実行力が上位の方は、目標=信頼につながる成果として明確になっていることが大切です。動ける環境を整えておきましょう。
もちろん、資質や環境によって変わってきます。たとえば〈公平性〉や〈規律性〉など、環境維持を重視する資質を持っていると、「快適な環境を維持する」「小さい子どもとの生活を維持する」という継続が目的であり目標になることも少なくありません。達成目標だけが目標だけではないことは、意識しておきたいですね。
実行力を活かすポイント
- 目指すゴールを、関係者とすり合わせて合意をとっておく。
- 最終的な成果イメージを、数字や状態などで具体的に共有する。
- タスクが増えても優先度を判断する基準をつくっておく。
実行力資質で目的を定める3つのステップ(クリックで開きます)
ゴールに対する周囲の認識を把握しておきましょう。社会的倫理観としての「べき」で動くことが多いため、小さなコミュニティではその価値観が通用しないこともあります。暗黙の了解となったまま行動してしてしまいやすいので、ビジネスでもプライベートでもお互いの認識を明確にしておいたほうがタスクに埋もれません。自分の行動は自分で選んでいいんですよ。
例)このゴールに関して、他の人はどのように感じているのだろう?
実行力資質が高いほど、具体的なタスクに意識が向きやすいですが、最終的に得たい「成果」を数字や状態で示すとブレにくくなります。どこまでやればよいのかがわかると動きやすいのが、実行力。
例)月収50万円を目指す → 5万円/月の客単価で、継続契約 10名/月を目指す
やろうと思えばなんでもできてしまうため、「やるべきタスク」「やりたいタスク」が混じって増えがちに。行動に移す前に「優先順位の理由」を明確にしておくと、スムーズに行動しやすくなります。手を動かすときは考えないのが大切。
例)なぜこのような顧客を大切にするのか?継続する仕組みに大切なことは何か?
影響力(橙)
欲求としては「動かしたい」し、根っこには「スゴイと称賛されるほど役に立ちたい」があります。だから、平凡なことでは満足できず、自分が動くからには周囲に影響を与えて支持を得る存在でいたいという願いがあります。下心があるとも言えますが、本気になれば下心だろうがなんだろうが使えるものは何でも使い、泥水をすすってでも這い上がるほどの努力をする才能ですから、とんでもないですよ。
影響力が上位にある方は、目標=ブランディングになると達成しやすいです。まあ、目標を宣言したからには、カッコ悪い姿を見せるわけにはいきませんよね?
影響力は上位に1つでもあれば大きな存在感がありますが、〈調和性〉や〈親密性〉などの人間関係構築力が上位に多いと「とは言っても、前に出たいわけではないし……」と葛藤することも少なくありません。そのような場合、対象範囲を狭めることが大切です。「目の前の相手の期待に全身全霊で応える」みたいなこともありますから。
影響力を活かすポイント
- 「誰に」「どんな行動を期待するのか」をハッキリさせる。
- 相手が求めるメリットを具体的に示し、共感を得やすい言葉や場づくりを意識する。
- 定期的なレビューやフィードバックを通じて調整することで、より大きな支持を得られる。
影響力資質で目的を定める3つのステップ(クリックで開きます)
「多くの人に広める」「周囲を巻き込む」「発信を強化する」ことが得意です。だからこそ「誰に」「どんなアクションを取ってほしいのか」を明確にしないと、影響力が空回りしてしまいやすいです。もったいないですよね。
例)自分の発信によって、社内の上層部に新プロジェクトの価値を理解してもらう
影響力を発揮するためには、相手が「それならやりたい」「それを応援したい」と思える価値やメリットを明確にアピールする必要があります。このあたりは、マーケティングの考え方がハマります。
例)「このサービスを導入することで、最短1ヶ月でチームの工数を30%削減できます」
影響力資質の高い方がひとりで声を上げ続けるのは限界がありますから、協力者を得ることで、更に共感の輪を広げることができます。どんな人をどんなタイミングで巻き込むのか、その結果、どんな相乗効果が生まれるのかを明確にします。
例)社内のキーパーソンに試作品を使ってもらい、感想をフィードバックしてもらう
人間関係構築力(青)
欲求としては「助けたい」し、根っこには「役に立って喜んでもらいたい」があります。影響力の右腕になるのも得意なので、サポートすることを目的に据えたほうがスムーズです。
そのため、個人で目標を設定してもピンと来ないことが多いですが、チームで同じ目標を目指して一緒に活動することは嫌いではありません。それが誰かを応援するものであったり、楽しませるものであったりするなら夢中になり、気づいた頃には目標を達成しているでしょう。
つまり人間関係構築力が上位の方は、目標=誰かを応援できるものなら最後までがんばれます。基本的に、自分のことより他者に貢献したい才能ですからね。そのための道筋が暗黙の了解になりやすいので、対話だいじ。
人間関係構築力を活かすポイント
- どんな人とどんな関係性を築きたいのかによって、コミュニケーションが変わる。
- 関係性がもたらす価値や成果を言語化することで、ただ仲が良いだけではない具体的な成果を実現しやすくなる。
- 利害関係のない相手との交友関係をつくってセルフメンテナンスすると揺らぎにくくなる。
人間関係構築力資質で目的を定める3つのステップ(クリックで開きます)
人間関係を重視するあまり、コミュニケーションそのものが目的化してしまい、関係構築のゴールが曖昧になることがあります。対象者を選べない環境なら、なおさら「どんな関係性を望むのか」を明確にしておきましょう。
例)新しい取引先の担当者と、率直な意見を共有し合える関係をつくる
目的が他者に影響される才能だからこそ、自分を守るためにも成果を明確にしておく必要があります。ただ仲良くなるだけでなく、関係構築の先にある「成果」を明らかにしておきましょう。
例)取引に関する問題の解決窓口となり、新しい顧客も紹介してもらえる
相手との良好で対等な関係性を維持するためにも、自分をいたわり、メンテナンスする時間が必要です。相手を支えるには、負けていられませんからね。相談できる人がまわりにいなければ、第三者を頼ってください。
例)本来、望んでいる関係になっているか振り返り、感謝をもって相手に伝える
戦略的思考力(緑)
欲求としては「考えたい」し、根っこには「お互いの考えで対話したい」があります。思考そのものが目的となる才能です。手を動かすより頭を動かすほうが得意なので、つい、目的から目標を導き出して全体像をつくったとき、つまり全体的な戦略ができた時点で、満足してしまうことが多いです。本来、ここがスタートなんですよね。
そもそも、目標を立てるにも行動するにも「何のために?」と目的が決まっていることが大前提。だからこそ、他の上位資質が喜ぶ目的や目標のために戦略を立てて進めましょう。戦略的思考力は8つありますから、TOP10には必ず他の領域が入ります。
ちなみに、この思考力を維持するための継続目標として「思考の時間を定期的に確保する」のもアリ。目標の立て方もSMARTの法則よりALIVEの法則(安斎さん提唱)のほうが合うかもしれません。
戦略的思考力を活かすポイント
- 「Why」から問い直して納得できる目的にブラッシュアップする。
- 多面的に将来性を検討し、メリット・リスクの洗い出しをするなど複数のシナリオで検討する。
- 中長期視点での目的と目標を定め、シナリオ全体を把握する。
戦略的思考力資質で目的を定める3つのステップ(クリックで開きます)
すでに目的が決まっていたら、あえて問い直す姿勢が大切です。テーマや背景、解決すべき課題を包括した目的でなければ、やはり納得できませんよね。いくら多角的にシナリオを考えても、最終的なゴールが曖昧になってしまいます。
例)(まだ検討する余地はあると考えられるのに)どうしてその目的で進めるのか?
可能性を多面的に考えます。ただシナリオを並べるだけでなく、「どのシナリオが最も有望か?」「どんなリスクが潜んでいるか?」を具体的に見極めることで、目的設定に説得力が増します。目的がハッキリしていれば、複数のシナリオを比較検討しやすいですよね。
例)
A:短期的に利益が出やすいが、長期的なブランドイメージに影響がある
B:将来性は高いが、初期投資が大きい
C:低リスクで始めやすいが、インパクトは限定的
戦略的思考力資質の高い方は、長期的な視点での最善策を見極めることに長けています。逆に言えば、すぐ抽象化してしまうため、地に足をつけて決定しておく必要があります。途中である程度変更があったとしても、中長期的にブレないためのシナリオを軸にしておきましょう。そのためには、スタートとゴール、望ましい判断基準が明確になっていると動きやすいですね。
例)ミッションとビジョンを定め、行動指針としてコアバリューをつくる
こんなかんじに、欲求から「やりたい!」が生まれて目的として定まると、目標を考えやすくなります。
\ 資質の特徴から紐解くのでわかりやすい /
目的から目標に落とし込んでいく
さて、ようやく目的が定まったら、目標に落とし込んでいきましょう。ある程度、領域や資質の特性を加味した調整は必要ですが、たいていは以下の流れで落とし込めます。難しく考えて動けなくなるよりも、目的に紐づいた成功指標を定めればなんとでもなるくらいに考えておけばOK。
まず「どんな状態になっていれば成功とみなせるか」を定性的にイメージします。目的とゴールは混同しがちですが、ここでは「最終的に実現したい姿」を明確にするステップです。
いくつかの問いやAIの力を借りてゴールの状態をありありと想像できると、指標となる数値目標も考えやすいです。実感がない場合、あとで変えることも十分想定できますが「どこまでやったらどんな基準で変更を決定するか」を決めておきましょう。変えるのとブレるのは違いますから、目的と離れていないことが大切。
例)
目的:強みのチームワークを実感できるカードゲームによる研修サービスをつくりたい
- ゴールでは、誰が・どんなメリットを受けている?
- ゴールでは、自分や周囲はどのように変化している?
- ゴールでは、社会的にどのように評価されている?
- 理想の状態を10点満点とすると、どんな状態? ……など
ゴール:弊社以外の社内にゲームマスターがいて、朝礼代わりなどで継続的に実施されている状態。ゲームマスター同士の交流もあり、企業ごとにローカルルールが生まれている。
STEP1で言語化したゴールの達成度合いを判断するための指標が、数値目標です。売上や利益などの金銭的な指標以外にも、(さまざまな領域の資質が)納得できる指標があるとやる気につながります。とはいえ、あまり多くても動きにくくなるので、しっかりと連携する指標を3つ以内にしておきましょう。
例)STEP1のゴールを数値化する
- 弊社以外の社内にゲームマスターがいて → いつに何人?
- 朝礼代わりなどで継続的に実施されている → 頻度はどのくらい?
- ゲームマスター同士の交流 → どんな内容でどのくらいの頻度?
- 企業ごとにローカルルールが生まれている → 数値化できる?
- このゴール時の売上目標は?
数値目標:3年以内にゲームマスターが2名誕生している/月平均売上200万
KGIを達成するための過程をフェーズごとに区切って中間ゴール(マイルストーン)を設定し、いつ・どの順番で着手するかを決めます。年間目標だったとしても、フェーズごとに優先する基準を定めておくとブレにくくなります。
ここも、一度設定したら GPT にチェックしてもらうと具体的に考えやすいです。定量的・定性的な評価がなされるようにしておきましょう。
例)STEP1〜2で決めたゴールと目標にマイルストーンを設定する
- 2月中に ChatGPT と壁打ちしてゲームの全体戦略と評価指標を一旦決定
- 3月中にプロトタイプを完成させ、3名で10回のテストプレイをし、レビュー
- 4月からテストプレイを100回おこない、フィードバックを得て調整
- 7月頃にモニター企業を募ってβ版実施、フィードバックを得て調整
- 来年1月に正式版リリース、研修導入へ
- 2年目にゲームマスター制度を整備、展開
そこまで大きな目標でもないなら、GPTと壁打ちするだけでも納得感を得やすいです。ですが、自分の言葉になっていなければ動きにくいこともよくあります。そんなときこそ、コーチングを受けてみてください。もちろん、弊社カエルコムニスでも承っております。「今年こそダイエットしたい……!」といったことも相談できますよ。
\ 資質の特徴から紐解くのでわかりやすい /
ストレングスファインダーは、自分にとっての最適な方法がわかる
私(コスギ)は、実行力の資質が上位にありません。13位に〈達成欲〉があるので、もしかしたら再度診断したら上がってくるかもしれませんが、ナチュラルな〈達成欲〉さんよりもスタミナは明らかに低いです。それに、今の上位資質を育てるほうが楽しいし、何より実行力資質の低い自分が大好きです。ドラクエ3で転職せずに同じ職業のままレベルアップを続けているイメージ。
そのため、一般的な目標設定の方法よりも、他の領域の欲求に従ったほうが目標を達成しやすいのです。
2024年の後半に、#100日100人チャレンジ をしました。100名の方のストレングスファインダーのTOP10を見て、(たまにリクエストをいただきつつ)資質から読み込める強みのダイナミクスをまとめたものです。こちらはおかげさまで、無事に達成できたものの、改めて、達成感がモチベーションにはならないことを実感しました。火起こしに例えると、こんなかんじ。
着火(〈着想〉×〈活発性〉) =目的決定
↓
燃焼(〈戦略性〉×〈最上志向〉)=目標設定
↓
炭火(〈ポジティブ〉×〈運命思考〉)=継続
これまでも、この流れでやってきたんだろうなと思います。私が継続するためには、他者を巻き込んだほうが良いってことなんですよね(巻き込まないと飽きてやらなくなる)。100日間、他者の強みのダイナミクスに目を向けたおかげで、その資質が持つ根源欲求と可能性の発揮についての目をトレーニングできました。
才能をスキルとして昇華できれば、強みとして使いやすくなります。ですから、スキルをつけることを目標にしてもいいんですよね。目標は、成長の機会。どんなふうになりたいか、身近な方やコーチと話し合ってみてくださいね☺