知的柔軟性(Judgment)の特徴と活かし方|VIAの性格診断24の強み

はい、ごめんください。Gallup 認定ストレングスコーチのコスギです。

今回は VIA 性格診断で「知恵(Wisdom)」のカテゴリーに属する徳性、〈知的柔軟性(Judgment)〉の解説です。和名が性質、英名が行動みたいな強みです。クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)の〈分析思考〉や〈内省〉が高い方は、この強みも高めかもしれません。

VIA 性格診断は「あなたの価値観を日常の行動でどう活かせるか」を示し、「自分らしいふるまい」を見つけやすくなる無料で受けられる性格診断ツールです。ここでいう「性格」とは、より善く生きるために伸ばせる「性格的な強み(Character Strengths)=徳性」 を指します。なお、以下はコスギが自らの学習がてら日本語でまとめたものです。一次情報は必ず公式ページ(英語)を参照してください。有償のフルレポート($49)もオススメです。

VIA 診断とは何か、その受け方などは 無料でストレングスファインダーを受けたいなら「VIAストレングス」がオススメ!10歳から何度でも診断できます をご覧ください。

知的柔軟性(Judgment)の特徴と活かし方|VIAの性格診断24の強み

〈知的柔軟性〉のモチーフは雲。小さな水滴が集まってさまざまなカタチをつくるように、状況によって考え方を変えていく柔軟性を表しているかのようです。

目次

知的柔軟性(Judgment)とは

VIA 性格診断で「知恵(Wisdom)」のカテゴリーに属し、物事を多角的に検討し、根拠に基づいて合理的に決断する性格的な強み(徳性)です。批判的思考(クリティカル・シンキング)が得意で、異なる視点を受け入れ、必要に応じて自分の考えを修正する思考の柔軟性を併せ持つのが特徴です。感情や先入観に流されることなく、冷静に状況を分析し、バランスの取れた結論を導き出すことができるので、メタ認知能力も非常に高いと言えるでしょう。

〈知的柔軟性〉は、問題が複雑に絡み合っていたり、異なる意見が対立する場面、重要な決定を迫られた際に、さまざまな視点からの選択肢を検討し、最も適切な道筋を見極める場面でも活躍します。現代はとんでもなく情報があふれて価値観も多様化していますが、〈知的柔軟性〉の強みは偏見や思い込みに惑わされない力ですから。

日常の中で〈知的柔軟性〉を活かすのであれば、「自分の考え方が正しくないとしたら?」「逆の立場から考えてみたら?」と、別の意見に考えを巡らせてみましょう。AIと一緒に考えるなら、失敗学の事前検死メソッドも面白いかもしれません。深津さんが note を書かれており、GPTs もあります

〈知的柔軟性〉は仕事でどのように役立ちますか?

冷静でメタ認知力が高いので、職場でも信頼できる判断者として頼りにされることが多いでしょう。複雑な状況を整理し、関係者全員が納得できる解決策を提案することも多いのでは。

  • 会議で対立する意見を整理し、客観的な視点から建設的な議論に舵を取る
  • 新しいプロジェクトのリスクと機会を多角的に分析し、実現可能な計画を立てる
  • クレームや問題が発生した際に、感情的にならず事実を整理して適切な対応策を考える
  • 面接で相手の発言内容だけでなく、背景や文脈まで考慮して公平に評価する

〈知的柔軟性〉は家庭でどのように役立ちますか?

家庭生活は心理的距離が近いため感情的になりがちな場面は多いですが、そういった感情も含めて建設的に話し合いのできる理性の強みが役立っていることでしょう。そもそも、ケンカも起きにくいです。

  • 意見が分かれた時に、それぞれの立場の理解と納得を促せる
  • 教育方針について複数の選択肢を検討し、長期的な視点で最適な道を選ぶ
  • 家計の見直しの際に、感情的な判断を排除し、データに基づいて合理的な決定を下す
  • トラブルが起きた時に双方の言い分を聞き、中立の立場と公平な視点で解決策を提案する

クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)の〈分析思考〉や〈内省〉とはどう違う?

どちらも論理的に物事を考える力に関わります。〈分析思考〉は「なぜそうなるのか」を解明したいという知的探究心や、データやパターンを深く掘り下げる行動傾向があります。〈内省〉は「別の角度から見たらどうか」と氷山モデルの見えていないところすらも多角的に考えようとする行動傾向があります。

一方、〈知的柔軟性〉は価値観や徳性の側面から、「固定概念に囚われず、現在の状況に応じて、公正で偏りのない判断をしたい」という動機に基づいています。ちょっと〈公平性〉や〈適応性〉や〈慎重さ〉みもありますね。

これらの資質でなくても、戦略的思考力が高いことは容易に想定できます。

とはいえ、クリフトンストレングスの資質と正確に比例しているわけではありません。VIAの徳性を軸に据えてみると、上位資質をどのように活かしているのかわかりやすいですよ。

〈知的柔軟性〉が高い人は、批判的で、冷たい印象があります

印象だけか、もしくは、強みが暴走しかけているだけかもしれません。

〈知的柔軟性〉は「感情を完全に排除した冷徹な判断力」と誤解されることがあるようですが、本来、感情も含めた人間の全体性を理解した上で、適切に判断して進めるチカラです。時には感情的な要素も重要な判断材料となりますし、人の気持ちに配慮することも優れた判断の一部ですからね。

そして、「批判的」であることと「否定的」であることは異なります。情報を鵜呑みにせず、別の立場からの情報もふまえて判断することを大切にしており、「それはダメだ」と拒否しているわけではありません。「ちょっと待ってね」と焦らず対応しているのです。

感情と理性のバランスを取りながら、最も適切な選択肢を見極めることこそが、この強みの本質と言えるかもしれませんが、安易に「本質」と言わないところが〈知的柔軟性〉なんじゃないでしょうか。

〈知的柔軟性〉が低いのですが、高めることはできますか?

できます。〈知的柔軟性〉を育てる第一歩は、「自分の考えが絶対ではない」ことを受け入れることから始まります。

これは、「相手の立場から見るとどう映るだろうか」と事実から考えることが大切で、自分を否定することではないと認識しておきましょう。あくまで客観的事実に基づいた考え方の話です。思考が感情を揺さぶりやすいときは、紙に書いて俯瞰できるようにしておくのもオススメです。

そこで「たぶん」「きっと」「思う」「かも」などが出てくるのは憶測なので、根拠が足りていないまま判断しようとしていることに気づけます。これを当たり前にやっているのが〈知的柔軟性〉の価値観。

重要な決定を下す前に「他にどんな選択肢があるだろう?」「盲点は何だろう?」「私にはどんな偏見がある?」と自分にオープンクエスチョンを向ける時間を作ることも効果的ですね。ちょっと立ち止まることで、見える世界が広がりますよ。

〈知的柔軟性〉を沈黙させずに活かすにはのセクションも参考にしてください。

VIA 診断を受け直したら、〈知的柔軟性〉が上がりました/下がりました

VIA の結果が変わるのは、珍しいことではありません。

特に、〈知的柔軟性〉は新しい役割に就いて重要な判断を迫られたり、複雑な問題に取り組む機会が増えたりすると、顕著に現れることがあります。逆に、時間的な余裕がなくストレスが高い状況では、持ち前の熟考力を発揮する余裕がなくなり、下がることもあります。

大切なのは順位の変動そのものより、日常生活の中で「よい判断ができているか」を大切にしているかどうかです。この価値観で過ごしているときが自分らしいと感じるのなら、少し熟考する時間をつくるなどして、本来の冷静さを取り戻しましょう。

〈知的柔軟性(Judgment)〉の長所と短所

長所は「最適に使用できているとき(Optimal-Use/Golden mean=黄金律)」で、性格的な強みをバランスよく適切に発揮できている状態です。先述のように、〈知的柔軟性〉を発揮すると、周囲から信頼される優れた判断者となります。感情に巻き込まれず、場に理性をもたらす静かなチカラ。
※カエルコムニスでは、これを「善用(最善に活用できること)」と表現しています。

しかし「使いすぎ(過剰利用:Overuse)」ると短所になり、「使わなすぎ(利用不足:Underuse)」ると自己効力感の喪失につながります。これをまとめると、以下のようになります。
※カエルコムニスでは、この状態を「暴走」/「沈黙」と表現しています。

短絡的

熟考を拒否して
判断が曖昧なまま

善用

論理と道理に沿って
適切に判断する

暴走

正確さにこだわり
反論する

〈知的柔軟性〉を善用すると長所になる

公式では、VIA の強み(徳性)を適切に発揮することを「最適な使い方(Optimal-Use)」と表現していますが、そのバランスの良さから「Golden Mean」として「黄金律」「中庸」と呼ばれたりもします。カエルコムニスではこれを「善用」と呼称することにしています。「悪用」の反対=「善いことのために用いる」ということですね。つまり「イイカンジに使う」です。

自分が〈知的柔軟性〉を善用しているとき=「メタ視点で客観的事実をもとに判断しているとき」を振り返ってみましょう。これは、〈知的柔軟性〉の強みが高くても低くても、必ずあります。高い人は、その頻度が多く、更にその行動をしているときが「自分らしい」と感じやすい違いがあるだけです。思考がクリアでフラットな感じですかね。

個人やチームにかかわらず、日常的にこんなことをしているなら〈知的柔軟性〉を善用していると言えます。

  • 異なる意見に耳を傾け、その価値を認めながら建設的な議論を進められている
  • 重要な決定の前に十分な情報収集と検討を行い、後悔のない選択ができている
  • 自分の間違いを認めることができ、多角的な意見を得て考えを修正している
  • 感情的になりがちな場面でも冷静さを保ち、問題の本質を見極められている
  • 発言する際に、自分の偏見に気づきながらポジションを定めている
  • 否定的な意見を前にしても、何が起きているのか観察している ……など

こういったシーンを思い出せたら、いつ・どこで・誰と・何をしていたのかを具体的に挙げてみましょう。〈知的柔軟性〉を長所として使いやすいトリガーやパターンが見えてきます。

私の〈知的柔軟性〉は、2016年に受けたときは20位以下でしたが、2021年以降は10位前後をウロウロするようになりました。普段からそこまで強い価値観ではありませんが、クリフトンストレングスの〈戦略性〉を適切に活かすことを心がけるために「他の選択肢もあるんじゃないか?だいたい、盲点が多いんだよね私」と自分を批判的に捉えられるようになったことが大きいかもしれません。ですので、大きな判断を下したり、自分の発言に「待った」をかけるときに重視している価値観です。VIAの中位ってこんなふうに、頻度が低くても使いたいときに使えている実感がだいじ。

〈知的柔軟性〉が暴走すると短所になる

公式では、VIA の強み(徳性)を使いすぎることをそのまま「使いすぎ(Overuse)」と表現していますが、カエルコムニスではこれを「暴走」と呼称することにしています。

〈知的柔軟性〉が暴走して制御を失うと、「乱用」して考え込みすぎて動けなくなってしまったり、「誤用」して問題を広げてしまったりするパターンが起こりやすくなります。

乱用:強みを目的以上に、過度に発揮してしまう例

  • 完璧な情報を求めすぎて決断を先延ばしする
  • すべての意見を扱おうとして優先順位をつけられない
  • 自分の価値観や直感まで疑い続けてしまう

誤用:強みが効果的でない場面で使ってしまう例

  • 緊急時に多角的検討を始めてしまう
  • 共感を求めている相手の問題を分析してしまう
  • 単純な好みの問題を複雑にしてしまう

本来、感情を冷静に扱っているからこそ、暴走すると自分が冷静でないことを自覚できないこともあるので、何が起きているのかを周囲の反応から認識できるようにしましょう。感情がないわけではありません。

善用は「バランスを取ってイイカンジに使う」ことなので、バランスが崩れたときに何が起きるのか自覚できるようにしておくといいですよね。

〈知的柔軟性〉を沈黙させずに活かすには

公式では、VIA の強み(徳性)を使えていないことを「全然使えていない(Underuse)」と表現していますが、カエルコムニスではこれを「沈黙」と呼称することにしています。日本語にしたときのバランスを取りたくてですね……。

「使わなすぎ(沈黙)」というのは、〈知的柔軟性〉の価値観に基づいて行動できていない状態です。たとえば、明らかに偏った情報による判断が目の前で行われているのに、「面倒だから関わらない」と見過ごしてしまうとか。

「どうせ言っても変わらないし」とあきらめてしまっているかもしれません。この沈黙状態から感情的になると、「何度言っても理解できないんじゃ意味ねえだろ!」などと暴走しかねません。本来は、事象を紐解くことで解決のポイントを見つけて動かすチカラなのです。

〈知的柔軟性〉を育てて活かすには、メタ認知や批判的思考の習慣をつけること「今、私は怒っているから厳しく判断しがちかもしれない」「私は憶測を事実として捉えているかもしれない」といった自分の内面の動きを客観視できれば、より公正で冷静な判断が可能になります。

  • ニュースで報道されている割合と反対の事象をフラットに考えてみる
  • 意見が分かれたら、その意見に至るまでの経緯と価値観を確認する
  • 感情的に判断してしまいがちな場面をリストアップし、検討する
  • マインドマップなどを使い、テーマへの思考と感情を洗い出してみる
  • 判断材料となる情報収集の効率化を図る(AI活用や仲間に尋ねるなど)

場面の重要度に応じて適切なレベルで検討することも大切で、日常の小さな選択では直感を大切にしてもいいし、重要な決定の際には複数の立場や視点から検討する時間を設けてもいいんです。メリハリをつけると、強みが疲れにくくなるどころか、ラクに判断して動きやすくなります。

VIA は幸福度に直結するアセスメントですが、〈知的柔軟性〉はハッピーな感じよりも「スムーズに動けるとラクだし捗る」という感覚のほうが強いかもしれません。VIA は「Values in Action」、行動してなんぼですから、疲れないように動ける習慣ができるとラクですよね。

〈知的柔軟性(Judgment)〉に似ている強みの違いと掛け合わせ

〈知的柔軟性〉という名称だけだと混同しやすいかもしれません。私自身が間違いやすかった〈大局観〉と〈社会的知性〉との違いを掲載しておきます。

〈大局観(Perspective)〉×〈知的柔軟性〉

どちらも視点に関わる強みです。

〈大局観〉は長期的・俯瞰的な視点から物事を捉える力であり、〈知的柔軟性〉は複数の視点を公正に検討する力です。つまり〈大局観〉は「時間的・空間的」、〈知的柔軟性〉は「多面性とバランス」というキーワードが違いとしてわかりやすいでしょうか。

両方とも高い方は、長期的な影響を考慮した判断が得意、ということになります。

興味深いのは、〈大局観〉の抽象化力によって〈知的柔軟性〉のバランスを損ないかねない(細部を見失いやすくなる)という点があり、他の強みの特性や傾向を加味しておくのも〈知的柔軟性〉を活かすポイントですね。

〈社会的知性(Social Intelligence)〉×〈知的柔軟性〉

どちらも「知」が入っていますが、そもそもカテゴリーも違います。

〈社会的知性〉は人間性(Humanity)のカテゴリーで、他者の行動原理を理解して適応するコミュニケーション力であり、〈知的柔軟性〉は知恵(Wisdom)のカテゴリーで、論理的・客観的な判断力です。こうして並べてみると、だいぶ違いますよね。

両方とも高い方は、人の気持ちや関係性を理解したうえで、合理的な判断を下すことができる貴重な存在です。人情と論理のバランスを取りながら、みんなが納得できる解決策を見つけ出す能力に長けているでしょう。リーダーとしても尊敬されやすいのではないでしょうか。憧れますね〜!

とはいえ、この異なるベクトルの強み同士は葛藤も起きやすいので、場の意見が対立したり硬直したときには、タイミングと伝え方を工夫して、対話できる場を整えることに注力してみましょう。自分ひとりでなんとかしようとしないことも大切ですね。おつかれさまです。

クリフトンストレングスとの掛け合わせ例

VIA 診断は Being、クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)は Doing と考えたら、掛け合わせることで可能性が一気に広がりますね。

〈知的柔軟性〉は「メタ視点で論理的に判断できる方」などと覚えておくと、自分らしい上位資質の使い方が見えてきます。似た資質と、異なる領域の資質との掛け合わせを挙げてみましょう。

〈分析思考〉×〈知的柔軟性〉(Analytical × Judgment)

論理的探究心と判断力が融合した、信頼できる問題解決者

クリフトンストレングスの〈分析思考〉は「原因や根拠を客観的事実から紐解く知的好奇心」の才能で、VIAの〈知的柔軟性〉は「偏見に囚われない公平なオープンマインド」の価値観です。とても良く似ているこの掛け合わせは、表面的な判断では満足せず、徹底的に根拠を求め、非常に信頼性の高い判断を下しています

それは「◯◯さんが言うなら間違いない」という評価を得るほど、重要な意思決定の場面で頼りにされることが多いでしょう。統計的なデータを扱う研究職や品質管理など、正確性が求められる分野で特にチカラを発揮します。

〈共感性〉×〈知的柔軟性〉(Empathy × Judgment)

人の気持ちに流されることなく、配慮に基づいた判断を下す

クリフトンストレングスの〈共感性〉は「他者の感情や立場を敏感に察知し、寄り添いたいという」本能的な才能で、VIA の〈知的柔軟性〉は「感情に流されることなく客観的に物事を判断したいという」価値観を表します。

一見すると相反するように思えますが、お互いを補完し合う組み合わせです。相手の気持ちに共感することで解釈の変化を促しながら、事実は事実として公正で合理的な判断を下すことができます。「厳しいけれど優しいリーダー」として慕われることが多いのでは。表情があまり変わらずとっつきにくいように見えて、めっちゃ優しい感じ。

たとえば、遅刻してきたことを頭ごなしに叱るのではなく、本人の事情や罪悪感に共感しながらも取引先への損失を共有し、会社としてどのような仕組みが必要なのかを建設的に考えられるようなアプローチですね。

〈回復志向〉×〈知的柔軟性〉(Restorative × Judgment)

問題の本質を見極め、根本的な解決策を導く

クリフトンストレングスの〈回復志向〉は「問題や欠陥を見つけたら修正したい」という強い動機の才能で、VIA の〈知的柔軟性〉はさまざまな観点を受け入れながらの批判的思考に価値を置きます。どちらがきっかけになるかで動き方はやや変わりますが、解決行動の際には表面的な対症療法だけでなく、根本的な問題解決を重視する傾向になるでしょう。

冷静に状況を整理して、まずは応急処置を行ったうえで、原因の背景にフォーカスし、関係者全員が納得できる解決策を提示します。これには危機管理、品質改善、システム運用など、リスクを減らしながらも迅速に対処する必要のある現場で重宝されるのではないでしょうか。絶対ではないとわかっているからこそ、仕組みから改善すべきものって、ありますよね。

〈最上志向〉×〈知的柔軟性〉(Maximizer × Judgment)

卓越した基準に基づいて決断する

クリフトンストレングスの〈最上志向〉は高い基準でアウトプットする才能で、VIA の〈知的柔軟性〉はオープンマインドな批判的思考をします。これらが掛け合わさると高い基準による評価によって、妥協のない最適解で判断します

客観的な卓越性が求められる分野でチカラを発揮するので、ブランドのコンセプト設計、ユーザーニーズの徹底検証、業界最高水準の製品開発など、時間も熱量も必要な分野に身を置くと、大変ながらもやりがいを感じやすいのでは。

いつも「◯◯さんのアウトプットは間違いない」と評価されることが多いものの、本人は満足しないので、人知れず完璧主義な側面と葛藤していることもあるかもしれません。得意のメタ認知力を活かして、重要度に応じた基準を見極めましょ。

〈知的柔軟性(Judgment)〉が1位の方へ

〈知的柔軟性〉という強みは「偏見に対抗する是正的なチカラ」として機能する、ある意味、究極の精神力の強さでもあるんですよね。ニンゲンって、感情や先入観、衝動や社会的圧力に流されやすいですから。「自分の考えが正しいとは限らない」という姿勢だからこそ、「相手や世間の考えも正しいとは限らない」と捉えられるのでしょう。

VIA の面白いところは、これが倫理的な強みであるということです。つまり、〈知的柔軟性〉の本質的な価値は、単に「正しい答えを見つける」ことではなく「思考と感情に道徳的なバランスをもたらし、全員が納得できる倫理的な未来へ誘える」ことと言えるでしょう。道徳と倫理の違いは、個人的か社会的かの違いだと認識しています。

私はそれほど倫理観のないニンゲンだと認識していましたが、VIA を学ぶ過程で「本当に頭の良い人は、頭以上に心を尊重する」ということを実感し、それが倫理観であるのだろうなあと思うようになりました。

ですから、〈知的柔軟性〉は一見とてもロジカルな強みですが、善用すれば調和をもたらす徳性なんですよね。〈知的柔軟性〉を「自分らしい」と感じるのであれば、メタ認識によってバランスを取りながら行動することそのものが、大きな価値をもたらすと言えるでしょう。

カエルコムニスでは〈知的柔軟性〉を始めとした VIA もベースにコーチングできます。他の強みやクリフトンストレングスを掛け合わせたバランスについて、一緒に深めてみませんか。だいじなのは、その先にある行動だからこそ。

\ 資質の特徴から紐解くのでわかりやすい /

知的柔軟性(Judgment)の特徴と活かし方|VIAの性格診断24の強み

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著者

話しているとゴキゲンになれるメンタルマネジメントの人。ストレングスファインダー®を扱うGallup認定ストレングスコーチです。心理学はエリック・バーンの交流分析とカール・ロジャーズの傾聴が大好き。WordPressの勉強会やサイト制作、ウェブマーケティング支援など、ウェブ方面でも色々とやっています。登壇は楽しく役立ちわかりやすく、がモットー。

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