創造性(Creativity)の特徴と活かし方|VIAの性格診断24の強み

はい、ごめんください。Gallup 認定ストレングスコーチのコスギです。

今回は VIA 性格診断で「知恵(Wisdom)」のカテゴリーに属する徳性、〈創造性(Creativity)〉の解説です。

VIA 性格診断は「あなたの価値観を日常の行動でどう活かせるか」を示し、「自分らしいふるまい」を見つけやすくなる無料で受けられる性格診断ツールです。ここでいう「性格」とは、より善く生きるために伸ばせる「性格的な強み(Character Strengths)=徳性」 を指します。なお、以下はコスギが自らの学習がてら日本語でまとめたものです。一次情報は必ず公式ページ(英語)を参照してください。有償のフルレポート($49)もオススメです。

VIA 診断とは何か、その受け方などは 無料でストレングスファインダーを受けたいなら「VIAストレングス」がオススメ!10歳から何度でも診断できます をご覧ください。

創造性(Creativity)の特徴と活かし方|VIAの性格診断24の強み
目次

〈創造性(Creativity)〉とは

VIA 性格診断で「知恵(Wisdom)」のカテゴリーに属し、「既存の枠に囚われず、より生産性の高いやり方を考えたい」という性格的な強み(徳性)です。

〈創造性〉には、独自性有用性という2つの重要な要素があります。

たとえば、意味不明な内容のブログを書くことは、独創的です。ですが、それが有用であるとは限りません。同時に、「雨が降りそうなときは折りたたみ傘を持っていくと良い」のは有用ですが、独創的ではありません。もちろん、最初に折りたたみ傘を作った人は、独自性も有用性もあると言えるでしょう。

この独自性と有用性がそろってこそ、〈創造性〉は斬新で型破りなアイデアに基づく新しい行動を生み出し、仕事、家庭、学校などの日常生活にプラスの影響を与えるのです。そこには常に「こうなったらいいのにな〜」があるのかもしれません。まずは「ちいさな工夫」が〈創造性〉を活かす第一歩です。

〈創造性〉は仕事でどのように役立ちますか?

「工夫」による変化を期待できます。

  • 日々のルーティン作業に小さな工夫を加え、効率化する(例:Excel のマクロを組むなど)
  • 既存サービス×ニーズマッチで顧客体験を向上させる(例:子ども向けメニューを開発するなど)
  • トラブル発生時に、新しい視点の解決策を考え出す(例:クレームをカウンセリングとして対応するなど)
  • 形骸化した状態に意味を再定義する(例:定例会議にアイスブレイクを入れるなど)

〈創造性〉は家庭でどのように役立ちますか?

「工夫」によって楽しさをもたらすことができます。これらは最初から効率を求めず、プロセスの創造性を楽しんでみるとわかりやすいかもしれません。

  • 子どもの学習にチャレンジやゲーム要素を取り入れる(例:5分でどれだけ解けるかなど)
  • 限られた予算内で工夫を凝らした家族イベントを企画する(例:1,000円で家族4人が楽しめることなど)
  • 料理にアレンジを加えて食卓を楽しくする(例:推しを意識したメニューなど)
  • 部屋のレイアウトや収納に独自の工夫を加えて快適な空間を作る(例:100均グッズでDIYなど)

クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)の〈着想〉とはどう違う?

〈着想〉は34資質の中でも「クリエイティビティの才能」と言われており、VIA の〈創造性〉が高くなる傾向はあると考えられます。ですが、必ずしも傾向が同じとは限りません。

クリフトンストレングスの〈着想〉は、「アイデアが勝手に湧いてくる」才能です。散歩中、会議中、シャワーを浴びている時……突然「あ!」とひらめくのが〈着想〉です。

一方、VIA の〈創造性〉は、「斬新なアイディアを実現したい」という価値観です。ただ思いつくだけでなく、それを形にし、人の役に立てることまでを含みます。

たとえば、「レシピを思いつく」のが〈着想〉で、「新しくて美味しい料理をつくりたい」のが〈創造性〉です。レシピを思いつくのが得意でも、実際に料理することに興味がない人もいれば、料理への情熱はあるけれどレシピを考えるのに時間がかかる人もいます。だから両者の順位が違っても、不思議ではありません。

ちなみに私はどちらも高いので、朝食はほとんど創作そうめんです。迷ったらナスカレー。ZEMBチップスを砕いて使ったらキーマカレーになりました。

〈創造性〉が高いのに、芸術的センスがあると思えないのですが……

〈創造性〉の高い方は、確かにアートやデザインに長けている方もいます。

しかし、クリエイティビティの強みだからといって、必ずしも芸術的でなければならないということはありません。むしろ、芸術的な美しさで言えば〈審美眼〉の強みが高いのではないでしょうか。

〈創造性〉は、プロセスに新しさを取り入れることで有益な結果をもたらす力です。その力によって、課題への取り組み方や業務効率を上げることができます。新しい可能性を信じる価値観なんですよね。

〈創造性〉が低いのですが、高めることはできますか?

できます。

これが、クリフトンストレングスにはない VIA 診断の面白さです。24すべての強みは行動に紐づいていますので、〈創造性〉を高めたいのなら、〈創造性〉を高める行動の習慣をつければよいのです。その方法は、クリフトンストレングス上位資質を使うとラクですね。

〈創造性〉を沈黙させずに活かすにはのセクションも参考にしてください。

ただ、それが大変でしんどいのであれば、意識して行動するタイミングをつくる(たとえばブレストミーティングを隔月で設けるなど)だけでよく、VIA 診断の結果にこだわる必要はありません。

VIA 診断を受け直したら、〈創造性〉が上がりました/下がりました

他の強み(徳性)が下がったり上がったりしたことが大きな要因ではないでしょうか。

VIA 診断は「自分がどの価値観を重視しているのか」がわかり、「これをやっているときが自分らしい」と感じられる強みが上がってきます。ですから、クリフトンストレングスのように「やり方」ではなく「あり方」なので、変化しても不思議はありません。だから受け直すなら VIA がオススメ。

上がってきた結果が素直に「自分らしい」と感じるのであれば、その強みに伴う行動を続けていけばよいのです。生きる意味に直結した行動なので、それはそれは元気になりますよ。

〈創造性(Creativity)〉の長所と短所

長所は「最適に使用できているとき(Optimal-Use/Golden mean=黄金律)」で、性格的な強みをバランスよく適切に発揮できている状態です。先述のように、〈創造性〉を発揮すると実用的な独自性をもたらします。イノベーションを起こせる力です。
※カエルコムニスでは、これを「善用(最善に活用できること)」と表現しています。

しかし「使いすぎ(過剰利用:Overuse)」ると短所になり、「使わなすぎ(利用不足:Underuse)」ると自信喪失につながります。これをまとめると、以下のようになります。
※カエルコムニスでは、この状態を「暴走」/「沈黙」と表現しています。

凡庸

大衆に埋もれたり
迎合してしまう

善用

実用的な独自性を
発揮する

暴走

奇抜なだけで
実現可能性に欠ける

〈創造性〉を善用すると長所になる

公式では、VIA の強み(徳性)を適切に発揮することを「最適な使い方(Optimal-Use)」と表現していますが、そのバランスの良さから「Golden Mean」として「黄金律」「中庸」と呼ばれたりもします。カエルコムニスではこれを「善用」と呼称することにしています。「悪用」の反対=「善いことのために用いる」ということですね。つまり「イイカンジに使う」です。

自分が〈創造性〉を善用しているとき=「実用的なアイディアに基づいて、実際に行動できていたとき」を振り返ってみましょう。これは、〈創造性〉の強みが高くても低くても、必ずあります。高い人は、その頻度が多く、更にその行動をしているときが「自分らしい」と感じやすい違いがあるだけです。

個人やチームにかかわらず、日常的にこんなことをしているなら〈創造性〉を善用していると言えます。

  • ミーティングでさまざまな意見を引き出し活性化させる
  • 繰り返しの作業を改善し、分かれていたマニュアルを1つに統合
  • 何度やってもうまく行かない課題を、新しい方法で解決
  • 対立する意見から第三の道を見出して議論を進める
  • 一度試したプロセスを、新しいツールを用いて簡略化
  • 個別に合ったやり方を示して学習効率アップ ……など

こういったシーンを思い出せたら、いつ・どこで・誰と・何をしていたのかを具体的に挙げてみましょう。〈創造性〉を長所として使いやすいトリガーやパターンが見えてきます。

私は〈創造性〉が上位に来ることが多く、〈着想〉も1位なので暴走しがちですが、この VIA の解説記事を書く際に Underuse と Overuse と Optimal-Use を「沈黙」「暴走」「善用」という言葉に表したのは、まさに実用的な独自性を発揮した結果とも言えそうです。もちろん公式の用語ではないため、あくまで副教材としていただくために、有料レポートの購入を促しています。ポイントもわかるので、手に入れても損はないですよ。

〈創造性〉が暴走すると短所になる

公式では、VIA の強み(徳性)を使いすぎることをそのまま「使いすぎ(Overuse)」と表現していますが、カエルコムニスではこれを「暴走」と呼称することにしています。

「使いすぎ(暴走)」はクリフトンストレングスでも “上位資質が野生化してコントロールを失って暴走してしまう状態” としてわかりやすいと思います。冷静でないため、使いすぎてしまう「乱用」と、使うべきでないところで使ってしまう「誤用」の2つのパターンが起こりやすくなります。

乱用:強みを目的以上に、過度に発揮してしまう例

  • アイデアを次々と出しすぎて、会議の時間を浪費する
  • 「もっと良い方法があるはず」と止まらない
  • アイデアを思いつくたびに方向転換して考えがまとまらない

誤用:強みが効果的でない場面で使ってしまう例

  • 手順や規則が厳格に定められている仕事で、勝手に工夫を加えてしまう
  • 安定性を求めている相手に、新規性を提案する
  • チームが合意に向かっている最中に、また別の新しい案を出して混乱を招く

自分では暴走していることに気づかないことが多いので、周囲のフィードバックを素直に受け取ることや、自分や他者の冷静になれる強み(節制のカテゴリの強みなど)を活用しましょう。

暴走している状態は「ダメ」なのではなく、自分の価値観を周囲に押しつけすぎてバランスが取れていないだけなので、善用(イイカンジに使う)のバランスを取りましょう。

〈創造性〉を沈黙させずに活かすには

公式では、VIA の強み(徳性)を使えていないことを「全然使えていない(Underuse)」と表現していますが、カエルコムニスではこれを「沈黙」と呼称することにしています。日本語にしたときのバランスを取りたくてですね……。

「使わなすぎ(沈黙)」というのは、〈創造性〉の価値観を高く持っているにも関わらず、行動できていない状態です。たとえば、本来なら自由にアイディアを試すような場があるとイキイキしますが、忙しかったり疲れたり制限されていたりしているようなケース。

これが続くと自分の価値観で過ごせていないので、まあ、しんどくなりますよね。しんどいと気づけるなら、まだマシなのかもしれません。沈黙し続けると反動のように暴走しかねない(そして誤用しかねない)ので、ある程度のバランスが大事なのです。

〈創造性〉の特長である独自性と実用性を活かす基本中の基本は、工夫すること小さな変化や改善をもたらすことで、日常的に〈創造性〉を発揮できます。これは、〈創造性〉の強みが低くても意識できる行動なので、「もっと〈創造性〉を高めたい!」「もっと〈創造性〉を活かしたい!」と思うなら、日常に工夫を取り入れてみてください。

また、新しさや遊びを取り入れたり、思考の揺さぶりをかけたりして自らの発想力を育てると〈創造性〉が育ちます。

  • 通勤ルートを変えてみる → 新しい発見ができ、発想力を刺激できる(ノベルティ・ルール)
  • あえてスマホに触らない → 退屈によって脳が自由な発想をするようになる
  • 朝の10分で思ったことを書きなぐる → 心が整理されて発想力につながる(モーニング・ページ)
  • 何かをひらめいたら、あと5つ挙げてみる → 意図的に思考を拡張する
  • 絵しりとりなど、ルールを足したゲームをやってみる → 普段使わない思考を使う

こういったことは、今ならAIに相談すれば何でも提案してくれますからね。できることからやってみましょう。VIA は「Values in Action」、行動してなんぼですから。

〈創造性(Creativity)〉に似ている強みの違いと掛け合わせ

一般的な用語としての「創造性(クリエイティビティ)」から考えると、以下の2つは似ているかもしれません。

〈大局観(Perspective)〉×〈創造性〉

〈大局観〉は、物事を広い視野で捉え、助言できる強みです。木だけでなく森を見渡して、俯瞰的な視点から得られる情報を伝達する力ですね。ただ見渡すだけでなく、そこから意思決定を促せるという行動を伴います。クリフトンストレングスでいうと全体を見渡せる〈戦略性〉、〈慎重さ〉、〈公平性〉、〈包含〉などに近いです。

〈創造性〉に俯瞰的視点はありません。細部に囚われても、そこから新しさを生み出す力があります。

この2つを掛け合わせると、全体を俯瞰しながら新しいアイデアを生み出すことで、より実現可能性の高い創造的な解決策を導き出せます。たくさんの人の舌を楽しませる創作料理を提供するシェフなどが該当するかもしれません。

〈知的柔軟性(Judgment)〉×〈創造性〉

〈知的柔軟性〉は、物事を多面的に捉え、客観的事実を元に決断を下す強みです。批判的思考も得意で、状況が変われば考え方も変わるという柔軟性を持っています。Judgment の名の通り、決断や判断の行動を伴うのが特徴です。クリフトンストレングスでいうと、〈分析思考〉や〈内省〉が近いでしょう。

  • ちなみに、公式では「Judgment」のアメリカ英語。「judgement」はイギリス英語で意味は同じです。

〈創造性〉は客観的事実を重視するものではありません。日本語だと似たようなイメージですが、Creativity と Judgment なら違いがわかりやすいですね。

この2つを掛け合わせると、アイディアに実現可能性の高い根拠が紐づくため、科学的アプローチに基づく革新性が生まれます。食で言えば、ガストロノミーが該当するでしょうか。

クリフトンストレングスとの掛け合わせ例

VIA 診断は Being、クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)は Doing と考えたら、掛け合わせることで可能性が一気に広がりますね。

〈創造性〉は「実用的な自由を愛する在り方」などと覚えておくと、上位資質と掛け合わせた行動が自分らしいと感じやすくなります。似た資質と、反対の性質を持つ資質との掛け合わせを挙げてみましょう。

〈着想〉×〈創造性〉(Ideation × Creativity)

→ 斬新なアイディアを次々と生み出し、実用的な形に落とし込む

クリフトンストレングスの〈着想〉は「思いつきそのものを楽しむ」才能で、VIA の〈創造性〉は「新しいけれど役に立つ」ことに価値を置きます。これらの掛け合わせによって、単なるアイデアの量産にとどまらず、日常や仕事にすぐ活かせるユニークな工夫が湧き上がりやすくなります。

人から見れば突拍子もないひらめき(しかし本人の中では当たり前に起こること)が、実際には「役立つ提案」としてカタチにできるのが、この掛け合わせの強みです。

〈調和性〉×〈創造性〉(Harmony × Creativity)

→ 対立する意見に共通点を見出して、新しい観点からの意見を提案する

クリフトンストレングスの〈調和性〉は「他者の意見をまとめて進める」才能です。これにより、〈創造性〉のベクトルが「自分のため」より「みんなのため」に向かいやすくなります。すると、単に意見の妥協点を見つけるのではなく、皆が納得できる第三の道を見出す力になります。

意見の対立が起きても「言われてみればその通りなのに誰も気づかなかった案」を提示し、関係性を守りながら前進させられるのが、この掛け合わせの魅力。AとBからCを生み出すのは、〈創造性〉の十八番ですからね。

〈戦略性〉×〈創造性〉(Strategic × Creativity)

→ 新しい視点から実効性のあるシナリオを描く

クリフトンストレングスの〈戦略性〉は「条件から目的地へのルートを見抜く」才能です。これと〈創造性〉がかけ合わせると、現在の条件からあえて外れたルートを見つけることに長けるため、既存の選択肢だけでなく、選択肢そのものを新しく創り出すことができます。

チームにとって「前例のない挑戦」を現実的な道筋に変えていく、突破力のある強みとして活躍します。そのためにも、既存のやり方を知っておく必要があるのも忘れてはならないポイントです。

〈創造性(Creativity)〉が1位の方へ

VIA 診断のレポート(有償)を見ると、自分のポイントがわかります。〈創造性〉が突出しているなら、自由を愛して行動している自分を「自分らしい」と感じることでしょう。他の強みと僅差なら、それらと掛け合わさった強みの行動をしているとき、とても充実感を覚えていることと思います。近道を見つけたときとか、めっちゃウレシくないですか?

〈創造性〉は、思いつきを喜ぶ価値観だけではありません。「こうなったらいいのにな〜」と考えて動きたい思いこそ、日常に変化をもたらし、人の心を軽くし、未来を新しく描き直す原動力なんです。

他の人が気づかない工夫を、自然に見つけ出すことができます。それは効率化された毎日からでは見つけられないものかもしれません。なんだか彩りが足りないなと思ったら、雨に飛び込んでいくのも一興です。その先にある虹を見つけにいきましょう。タイミングが合わないと、見つからないときもあるんですけどね、これが。

〈創造性〉をどのように活かすと自分らしく毎日を過ごせるか、他の強みとクリフトンストレングスの上位資質も合わせて深めてみたい方は、VIA 診断もふまえたストレングスコーチングをお試しください。まずは単発で、より深める必要性を感じてから継続を検討していただくほうが面白いですよ。

\ 資質の特徴から紐解くのでわかりやすい /

創造性(Creativity)の特徴と活かし方|VIAの性格診断24の強み

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著者

話しているとゴキゲンになれるメンタルマネジメントの人。ストレングスファインダー®を扱うGallup認定ストレングスコーチです。心理学はエリック・バーンの交流分析とカール・ロジャーズの傾聴が大好き。WordPressの勉強会やサイト制作、ウェブマーケティング支援など、ウェブ方面でも色々とやっています。登壇は楽しく役立ちわかりやすく、がモットー。

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