はい、ごめんください。Gallup認定ストレングスコーチのコスギです。
今回は、ストレングスコーチの嫁から見た夫の才能について語ります。先に言っておきますがノロケ記事です。毎回思うんですよ、この人と結婚して良かったなって。
夫婦(パートナー)は上位と下位がひっくり返りやすい
私たちのTOP5を並べてみると、こんな感じです。
〈戦略性〉と〈調和性〉は上下に分かれやすく、価値観も異なります。
〈戦略性〉は空中戦が得意で、抽象的な提案ベースで話をします。大抵のことは「考えればわかる」ので、自分で考えて行動することが多いです。その分、森を見て木を見ずになってしまったり、暗黙の了解が増えてしまったりする傾向があります。
〈調和性〉は地上戦が得意で、具体的な合意ベースで話をします。大抵のことは「みんなで決める」ので、何をするのかを確認してから行動することが多いです。その分、木を見て森を見ずになってしまったり、主張することを恐れてしまったりする傾向があります。
こんなふうに一長一短あるのですが、お互いの短所を補い合う関係なんですよね。夫婦やビジネスパートナーなど、強固な信頼関係のある間柄は、自分たちの背中を預け合えるんです。ですから自分の価値観を押し付けあうよりも、相手の価値観を尊重しあうほうが強みを活かせるってことです。
こういった反対の性質を持つ資質については以下の記事で詳しく書いているので、ご自身の資質やパートナーさんについて考えたい方は合わせてどうぞ。
ちなみに、〈公平性〉は〈調和性〉とセットで出やすいため、私の〈調和性〉と〈公平性〉はセットで低くなっていると考えられます。あくまで統計的な話なので、本当に人それぞれなんですけども。
小杉夫婦の具体的な資質エピソード
じゃあ具体的な、いろいろとヤバかった話です。何がヤバいって、価値観のギャップがヤバい。
夫に仕事を任せてみたらヤバかった
以前、大量のデータ(個人情報や機密情報ではないもの)の整理が必要な業務があったときの話です。私は直感的に「これは飽きそう」と思ったので、ルーチンワークが得意な夫に相談したら快諾してくれたんですよね。早速、お願いしました。
私「これこれこういう目的だから、こういうのを作ってくれない?」
(これだけ説明すれば、エクセルファイルを作ってくれるだろう。エクセル得意だから見ればわかるだろうし、わからなければ聞くだろうな。8割くらいできれば、あとは私の方で整えればいいや。まあ急ぎの仕事でもないし、2時間くらい想定しておけばいいよね)← 心の声
夫「は??? いやいや、教えてよ」
(こいつ、人にモノを頼むのに何言ってんだ)← という表情
私「いやいや、エクセルにデータまとめるだけだし……VLOOKUPとかよく使うから、得意って言ってたでしょ?」
(メンドクサイなこいつ)← という表情
夫「VLOOKUP必要なの?というか、求めてる仕様が全然わからんから、具体的に何をしてほしいのか言ってよ」
(真顔)
私「それは、まとめるためのテキストデータの項目を見ればわかるし、書式がバラバラだから揃えてほしいの」
(マジかよ……説明しないとわからんの?)← という表情
夫「……じゃあ1行目だけでいいから、一緒にやろうよ」
(真顔)← イライラを抑えているときの表情
私「えー……」
(これが目的を大切にする〈戦略性〉と手段を大切にする〈調和性〉の違いなんだろうな、かといって〈戦略性〉のやり方は考え方だから伝えてもしょうがないしな、具体的な手段を伝えるなら私がやったほうが早くないか?いやここは面倒臭くても説明してみたら何かが変わるかもしれない、私が見えてないこともわかるかもしれない、でもそれはやりながら見つけていけるもんだしなあ、てか本当に説明メンドクサイな、だけど資質を借りてみるいいチャンスだからがんばってみよう)← 心の声
私「じゃあ、説明するけど……」
(でもやっぱりメンドクサイなこいつ)← という表情
夫「これはこういうことね」「これならアレにしない?」「この書式はコレで揃えることにしていい?」
私「うん」「はい」
(別に確認しなくても、見ればわかるだろうに……私がやったほうが早かったんじゃ……)← それなりにイライラ
夫「じゃあ、今決めたこれで、あとやっとけばいい?」
私「お願いします」← イライラしすぎて丁寧語
15分程度だったのですが、私は少なからず自分の時間をムダにされたと感じつつ、それでもこれで1時間くらいは集中できると考え、お互いにパソコンに向かい合っていたんです。それが30分もしないうちに終わったようで、「これ、どこに置けばいい?」と、声をかけられました。
2時間くらい見込んでいたはずの作業だったのですが、結果的に1時間もかからず終わりました。データも最初の指示どおり整理されており、私が〈戦略性〉と〈活発性〉で勝手にイライラしていただけで、結果的には夫が才能をしっかり使えていたことになります。むしろ、自分の仕事のほうが終わっていなかったので、生産性が低いのは私の方。
彼は〈公平性〉×〈調和性〉で、「合意を得ているサンプルやテンプレート(前例)を参考にして、必要な基準に照らして調整しながら進むこと」が得意なんですよね。
そもそもこの2つの資質は私の下位にあるため、実は概念そのものがよくわかっていなかったことも大きいです。「ルーチンワークが得意だから」と判断していたのに、「ルーチンワークを実行するための環境構築から任せてしまっていた(=ルーチンワークではないことを依頼していた)」のが、彼の才能にイライラしてしまった原因でした。
現在の私の業務にルーチンワークはほとんどない(自分が得意ではないのでなくしている)ため、彼にお願いすることはしていないのですが、次に同じような状況があった際にはしっかりと才能を借りるための準備をしておこうと思った次第です。人に物を頼むマナーが云々って話ではなく、強みを活かす環境は依頼する側がつくったほうが良いと私は考えています。
ドライブデートしたらヤバかった
私たちは結婚して15年以上経っているのですが、時々、子どもたち抜きでデートしています。姑と同居しているので、(夫の祝日休みを狙って)出勤に見せかけデートしているという夫婦でございます。
ある日のこと。
夫が「新しいキャンプ場を見に行って、背脂ラーメン食べたい!」というので、じゃあそのプランで行こうと家を出ました。コンビニに寄って飲み物などを確保しつつ、キャンプ場までドライブ。といってもそこまで遠くはないので、ゆっくり走っても1時間程度でキャンプ場に到着しました。
かなり人気のキャンプ場で普段はテントが密集するらしいのですが、前日が平日だったこともあるのか、広いキャンプ場にはパラパラとテントが残っていました。私たちは2人ともちょうど iPhone 10 から 14 に変更したばかりだったため、写真や動画の性能を試しながら、のんびり散策することに。
出勤と同じタイミングに出発しているので、そこそこ早い時間です。キャンプ場とトイレ以外なにもない(バスケやスケボーのできる場所はあった)ので、ぐるっと回っても太陽はまだまだ東側。時計を見れば、9時をまわったばかりです。当然、ラーメン屋さんは開店前。
私「……ラーメン以外に、何か考えてた?」
夫「いや、特に……」
私(だーよーねーーー!!)
「……じゃあ、天気もいいし展望台行ってみない?ゴンドラ乗ったことないし」
夫「お、いいねえ!」
というわけで、また小一時間ドライブして、展望台に行ってきました。これ、私がアイディアを出さなければ険悪なムードになっていたのかもしれませんが、お互いに〈ポジティブ〉なので「まあなんとかなるだろう」と構えていましたし、私も想定していたことなので結果オーライなのです。
そして展望台を堪能したあと、ラーメン屋に行こうと経路を調べたらなんと休業日。私は道すがらにあるラーメン屋を探しながら、「ウマいけど行きにくい」と評判のお店に行ってみることにしました。夫も、「せっかくなら行ったことのないところに行ってみよう」と意気投合。こういう変なお店を喜ぶのは〈着想〉のおかげでしょうか。
結果的に、(住宅街の中にあるお店だったので、すれ違えないほどに道が狭かったけれども)美味しかったので満足です。その後の予定もやっぱり白紙だったので、ドライブしてからちょっとしたハイキングをして、デザートを食べて帰路につきました。
これ、どちらかの〈目標志向〉や〈慎重さ〉が高かったら、怒り心頭でデートどころじゃなかったかもしれませんが、私の〈戦略性〉で提案し、夫が〈調和性〉で合意して次に行くという流れがぴったりハマっていました。彼の場合〈親密性〉が高いので、一緒にいて私が喜んでいるだけで、何でも良いのかもしれませんけども。
ただの惚気話にしか読めないかもしれませんが、影響力系戦略的思考力の民の決定力と、実行力系人間関係構築力の民の包容力はお互いに支え合っているってことをお伝えしたいのです。あまりにも自然すぎるので感謝を忘れがちですが、こういったデートは相手を見つめられる日になるんじゃないかと思っています(特に私が)。
仕事のまわしかたを聞いたらヤバかった
ここまで、夫の〈アレンジ〉について言及していないのですが、複数のモノゴトを同時に終わらせたい欲求が強いため、家にいてのんびりしているときは発揮されていないようでした(年末年始など予定が詰まっているときにはチラッと見える)。
職場では忙しそうにしているようなので、〈アレンジ〉がどんなふうに発揮されているのかを聞いてみたんです。
私「役職ないけど、仕事がたくさんあるって言ってたよね」
夫「そうそう、だいたい……2つか3つは同時進行してるかも」
私「すでに才能だわー。それ、ひとりで全部やってるの?」
夫「いやいやムリムリw 俺仕事できないしwww 一部はできそうな人にお願いしてるよ。てか、効率厨の俺としては、俺がいなくても仕事が回ってくれたら最高なんだけどw」
私「それは究極すぎて干されるw 私はお願いするのが苦手だからなあ……不安にならない?」
夫「不安になるっていうか、進んでなかったり終わらないと気持ち悪いから、時々確認しに行くかな」
私「確認してくれるの!?メンドウじゃない?」
夫「別に……机すぐそばだし、座ったまま動いて “アレどんなかんじ?” って聞くだけだから」
私「進捗確認してくれるの、ありがたいなー」
夫「社会人なんだから、むしろ進捗報告くらいやんなさいよ」
というやり取りの中に、夫の〈アレンジ〉×〈調和性〉が垣間見えました。〈アレンジ〉で全体を把握しつつできそうな人に依頼をかけ、〈調和性〉で確認しながら着実に進めていく、まさに資質活用のお手本のような使い方。
夫「で、この間、コマゴマした仕事を任せたんだけどさ、すごく早く上がってきたんだよね」
私「え、めっちゃ良かったじゃん!」
夫「俺もそう思ってさ、めっちゃ感謝したし “さっすがですねー!” ってほめたわけ」
私(〈ポジティブ〉はこうやって出てるんだなあ……)
夫「でも、いざ使おうと開いてみたら、途中から間違っててさあ……どうしてこうなった???って思ったけど、言うとまたメンドウなことになるし、俺がやり直したわ」
私「oh……」
このあたりも、強く言えない〈調和性〉が出ていたのかもしれません。とはいえ〈親密性〉×〈ポジティブ〉は仲間に対して甘いところがあり、「まれによくある」と本人も想定内だったようなんですが。私だったらやり直してもらうかなあ。
「仕事ができない」という割には勤続25年を達成しているので、素直にスゴイなと思います。私はひとつのところに留まれないから、組織はこういう人がいてこそなんだろうなって。本人に昇進に興味があるか尋ねたら「その世界を見てみたいとは思うけれども」と、ちょっと消極的な感じでした。まあ、上の人たちが大変そうなのを見ているしヤラれているしねえ……
まとめ:違和感がないことに感謝しよう
資質の上下がお互いに補完しあっているとき、上位資質を貸し借りし合えば強みの掛け算になりますが、価値観が異なるので、上位資質を認めさせようとすると平行線で弱みの掛け算になってしまいます。
本来、「違い」は可能性を広げるものですから、尊重しあってなんぼです。
夫婦や家族、親子などの近しい関係だと「この人なら自分をわかってくれるはずなのに」と無意識に期待しがちなので、適度な距離感を保っておけるといいんですよね。
感謝や挨拶などの、基本的なコミュニケーションを丁寧にすることは、良い “間” をつくってくれるものかもしれません。うちはお互いに「ありがとー!」とか「おつかれ〜!」ってめっちゃ言う〈ポジティブ〉同士なので、うまくいっているのかも。
ということで「ストレングスファインダーのエピソードトーク Advent Calendar 2023」の2日目でした。他の日程に関しては以下をご覧ください。