はい、ごめんください。Gallup 認定ストレングスコーチの小杉です。
個人が持つ才能を見つけることはもちろん、仕事や人生を充実させるために活用するためのツール「クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)」の34資質について解説していくシリーズ。
今回は〈指令性〉(しれいせい/Command®)です。この資質をTOP5に持つ割合は100人に3〜5人くらいの統計があるほどのレア資質です。「主導権を持ちたい」という気持ちが強いため、そもそもストレングスファインダーのような診断を受けていない可能性も高く、実際はもっと存在するかもしれないのですが、組織を対象に診断を行ってもやっぱり少ないです。
- (主導権を持って主張するため)リーダーシップを発揮する
- (自信に満ちた態度で)周囲に勇気と高揚感を与える
- (果敢に決断して行動するため)混乱した状況でも明確な指示で統率する
こんな態度をとるため、親分肌のような風格を感じさせます。Gallup公式サイトはこちら(英語)👇
ストレングスファインダーの〈指令性〉とは?
〈指令性〉さんは常に前進し、問題を解決し、目標を達成する際の困難さを乗り越えるために指揮を執ります。そのためなら対立を恐れず、感情を明確に伝え会うことを尊重します。 時に、有無を言わせない威圧のように聞こえることもありますが、迷うことなく目的達成を鼓舞する力強さの証です。
ちなみに「司令」ではなく「指令」です。
【指令】
1 指揮・命令すること。また、その命令。「撤退を—する」
2 行政官庁などで、上級の機関から下級の機関に出す通達・命令。
「指令」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書
【司令】
1 軍隊や艦隊、また、消防などで、ある部署を指揮すること。また、その人。
2 海軍や海上自衛隊で、一隊を指揮する職。また、その職にある者。
「司令」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書
「指令」は「指示する」「命令する」という意味合いの強い言葉です。「司令」の方は、主に軍隊用語として使われることが多いようですね。英語では「Command」なので、「指揮する」「要求する」「統制する」という特徴が含まれます。
〈指令性〉の才能は、「相手を変えたい、状況を動かしたい」といった欲求の強い影響力の資質の中でも、決断と指示を通じて具体的なアクションへと導く力が34資質の中でもダントツです。そのため、グループの中で頼りにされることが多く、自然とリーダー的な役割を果たしているのでは。
ものすごく頼れる「オヤブン」「アニキ」「アネゴ」ですね。
〈指令性〉さんの口癖「〜してください(断言)」
〈指令性〉さんは、明確な方向性をとても重視しています。遠慮や曖昧な表現は避け、直接的なコミュニケーションを好みます。それほど、〈指令性〉さんにとって明確な指示や具体的なフィードバックは大切なことなのです。特定の口癖があるというよりは、断言して明確に主張している事が多いですね。
- 「このように進めてください」
- 「決めたことは守ってください」
- 「ちょっとよくわかりません」
- 「それは納得いきません」
- 「もう一度お願いします」
文字だけ見ると丁寧な物言いに感じますが、明確に断言していることが共通します。特に、最後に(圧)をつけると〈指令性〉さんの特徴がわかりやすいです。強烈な存在感を持つ才能から発される言葉の重みによって、言われた相手や周囲は、その明確な要求に応じて行動します。
この力強さは、困難な状況に本領を発揮します。人生において、命に関わるような危機的な状況は少なくありませんが、そんなときの〈指令性〉さんの冷静な判断と統率力は大勢の命を救います。災害などの身体的危機に瀕した現場はもちろん、ハラスメントのような精神的危機に瀕した現場でも〈指令性〉さんは切り込みます。
やはり注意しなければならないのは、〈指令性〉さんの率直な物言いは、相手に恐怖を与えかねないということです。〈指令性〉さんとしては「自分に落ち度があるなら言ってほしい」と思うかもしれませんが、恐怖を感じた人間は防衛本能が刺激されて本音を言えなくなります。当然、理不尽だと思う要求に対しても抵抗できません。〈指令性〉さんには他者を動かしてしまうカリスマ性があるだけに、相手を騙したり惑わしたりするような態度は危険です。壺は売らないように……!
例えるなら〈指令性〉さんは素直な猛獣なので、ちょっと大きな声を出しただけで相手が竦みます。これが統率力の源でもあるのですが、あくびをしただけで怖がられても困りますよね。
〈指令性〉の感情的な特徴
なんとなく、いつも怒っているような印象のある〈指令性〉さんですが、喜ぶときは喜び、悲しむときは悲しみ、その感情はしっかりと態度に出ます。ただ、人間関係構築力さんのような優しさよりも、豪快さを感じるのではないでしょうか。とはいえ上位に併せ持っている資質によっては、むしろ冷静でアッサリした印象を持つこともあるかもしれません。ただただ、裏表がないのです。
ですから、自分の価値観に反する状況になると、怒りを隠しません。相手を説得できるか自分が納得できるまで意見を主張します。このとき、無意識に相手を威圧しているので、この印象が強く残って「いつも怒ってる人」という偏見を持たれて敬遠されるかもしれません。
そういった偏見にさらされ続けて自尊心が傷ついていると、〈指令性〉さんの才能は未熟なまま、傲慢さにつながりやすくなります。自分のやり方を認めさせようとしたり、権力や派閥に無条件で抵抗したりと、反抗する子どものように振る舞うことがあります。
しかし、本来の〈指令性〉さんはとても愛情にあふれています。自分が守りたい人たちに危機が迫った際には、前線で立ち向かっていきます。対立を好んでいるわけではありませんが、対立が起きたとしても意に介しません。相手を動かす言葉を直感的に使うため、有無を言わせない力強さがあります。目を背けたいような不都合なことが起きても目を背けることはなく、声をあげられない人の力になります。
〈指令性〉さんが頼られ愛されるのは、こういった特徴からです。正義なき力は暴力ですし、力なき正義は無力ですが、その両方を持って尽力できる才能です。
〈指令性〉さんは、怖い人?
「この人、思ったことをズバズバ言うし、圧が強くて近寄りがたいかも……(そしてちょっと怖い)」と感じる相手が近くにいたら、〈指令性〉を上位に持っているかもしれません。自分の意見をハッキリと述べることを当たり前にやっているだけで、怒っているわけではないのです。曖昧に濁したり遠回しの表現によって状況がダラダラするくらいなら、それを打破するために強い言葉を使うこともあるくらい、率直なやりとりを好みます。
ただ、よく腕組みをしていたり、眼力を保ったまま表情が変わらなかったり、自分の意見で他者を圧倒したり、存在感のある近寄りがたいオーラを発していたりするため、「怖い人」と印象づけてしまう理由はたくさんあります。特に人間関係構築力の資質が上位に多い方は非言語の情報をキャッチしやすいため、本能的に恐怖を感じてしまうかもしれません。ライオンを前にしたウサギみたいなものです。
ですが〈指令性〉さんは、相手を怖がらせようと思って行動しているわけではありません。むしろ勝手に怖がられてレッテルを貼られて迷惑しているから、それを伝えようとすると更に怖がられる……という悪循環に陥ってしまうこともあるほどです。自分の納得できないことはハッキリと伝えたいものの、相手に逃げられるとコミュニケーションできないために、余計にストレスフルになってしまいます。
ですから、ストレングスファインダーのように客観的に特徴が言語化されて相互理解できるツールは、とてもメリットが大きいんですよね。〈指令性〉のように、TOP5に持っている方が少ない資質はなおさら。実際、研修を想定して役員にストレングスファインダーをやってもらったところ、近寄りがたい上司が〈指令性〉が高いとわかり、一緒に困難を乗り越えていくことを大切にしていることを知り、信頼関係の構築に役立ったという事例もあります。
とはいえ、〈指令性〉の資質が高いと理解してもらえたら、何でも言い合えると考えるのは早計です。ライオンがウサギにじゃれついたら、悪意がなくても傷つけかねません。どのようなコミュニケーションができれば尊重し合いながら目的を達成できるのかを話し合って共有し、お互いに心がけることが大切です。
これは、〈指令性〉さんでなくても必要なことなんですけどね。
〈指令性〉の才能を具体的に活かす
ストレングスファインダーで診断してわかるのは「才能」、つまり「強みの種」であって、長所にも短所にもなります。〈指令性〉は、「決断して前進させる才能」です。これはとても強力なエネルギーを持っているので、長所として発揮できれば絶大な信頼を集めるリーダーシップを発揮しますが、短所として発揮されると傲慢な独裁者になりかねません。
長所として発揮されるように意識しながら、いつでも成果を出せる「強み」になるよう磨いていきましょう。
〈指令性〉の長所を磨いて強みにする
〈指令性〉さんの長所は非常事態に重宝される才能ですが、普段は使えないのかというと、そんなことはありません。以下はあくまで一部ですから、ご自身やお近くの〈指令性〉さんの動きを振り返ってみてください。併せ持っている上位資質の欲求で刺激されていることも多いですよ。
- 緊急事態が発生した際に、冷静な判断でチームにやるべきことを共有する。
- ミーティングで意見が割れた際に、自らの責任を前提に決断を下す。
- 新しいプロジェクトを立ち上げる際に、リーダーシップを発揮してチームを結束させる。
- チームのモチベーションが低下している際に、全体を鼓舞して士気を上げる。
- 期限が迫るプロジェクトにおいて、明確に指示して目標を達成する。
- クライアントとの交渉で、自信を持って自社の製品やサービスを提案する。
- 組織の変革を求められた際、抵抗勢力に対抗し統率力を発揮する。
- 曖昧な内容の会議に声を上げ、主導権を持って明確に決断して進める。
- 新しいアイディアを素早く決断し、具体的なアクションプランを立てる。
- 他部門との連携が必要な場合、積極的に協力を申し出て協業を促進する。
- 高い目標設定に対して物怖じすることなく、チームを牽引して達成する。
- 組織内の問題に対して、迅速かつ適切な対応を主導する。
- 社内のイベントやセミナーを積極的に企画して実践し、組織の団結を促進する。
- 交渉で明確な条件を提示し、疑問には率直に答え、良好な信頼関係を築く。
- 積極的に率直な提案を行い、新しいチャンスを探ってイノベーションを起こす。
必要な時に前に立ち、引き上げてくれる頼もしさよ。どうにもダラダラしてしまいがちなとき、〈指令性〉さんが活を入れてくれたら、そりゃあ生産性も上がるってもんです。こうして見ると、ひとりでは活かすことのできない才能ですから、他者を尊重することが〈指令性〉さん自身の才能を磨くことにもなるんですよね。目指せオヤブン。
〈指令性〉さんの強みを引き出す声かけ
〈指令性〉さんは明確さを欲するので、不確定な状況や曖昧な指示をされるとストレスを感じます(ストレスフルのままだと相手を怒らせてしまうこともあります)。そのため〈指令性〉さんに対しては、その判断力やリーダーシップを尊重する姿勢を示しつつ、具体的に依頼して決定権を委ねる声かけが効果的です。
- 「このプロジェクトのリーダーをお願いしたいです」(主導権を渡す)
- 「個々の認識をすり合わせられるよう、リードをお願いします」(目的に合わせた先導を依頼)
- 「◎◎さんの力が必要です。私も全力でサポートします」(困難を乗り越えるための協力を依頼)
- 「次はどのような方針で進める予定ですか?」(任せつつ状況を確認してサポート)
- 「この件について気になることがあれば、私に相談してください」(状況に応じて具体的に依頼)
〈指令性〉さんの的確な決断力は素晴らしいですが、トップダウンが推奨されている現場ならともかく、対等にチーム内の意見を集める場合には、〈指令性〉さん自身の決断を保留しておく必要があります。最終的に決断するのが〈指令性〉さんでも良いので、「チーム内の認識のすり合わせ」を大切にして耳を傾けましょう。
また、どうしても〈指令性〉さんの態度を怖がってしまう人はいますので、焦らずに信頼関係を構築することが大切です。それまでは、(影響力資質を上位に持つような)対等に話のできる方を含めるなどの環境が必要です。資質の特徴が相反する関係は相互補完できますから、お互いに背中を預け合える仲になれますよ。
〈指令性〉と他の資質との組み合わせ
ストレングスファインダーの他の資質、例えば〈戦略性〉は、目的に応じて最善の道筋を見出す才能です。〈規律性〉は、プロセスを秩序立てて継続することで生産性を高める才能です。このような他の資質と〈指令性〉が組み合わさると、主導権の存在による推進力が生まれます。
〈指令性〉さんは主導権をとても大切にしますが、併せ持つ上位資質によっては「必ずしも自分が主導権を持ちたいわけではなく、リーダーがちゃんと主導権を持って進めてくれればいい(ただ、それがうまく行かなければ自分が前に出る)」という発揮の仕方もあります。資質の組み合わせはもちろん本人のスキルや経験によってもガラリと変わるので、以下はほんの一例として参考にしてください。
- 指令性 × 達成欲:ゴールとプロセスを明確なタスクとして指示し、チーム全体の生産性を向上させる
- 指令性 × 活発性:自ら陣頭指揮を執り、機動力の高いチームとして物事に対応する
- 指令性 × 適応性:重要性と緊急性の高い状況でも、臨機応変に指示を出し混乱を収める
- 指令性 × 分析思考:論理的な根拠を持って決断を下すことで、チーム全体の納得感を向上させる
- 指令性 × アレンジ:チームを横断して適切な指示を行いながら、組織全体の生産性を最大化する
- 指令性 × 信念:揺るぎない信念に基づいたカリスマ性を発揮し、言行一致の姿勢で組織をリードする
- 指令性 × コミュニケーション:的確な言葉の絶大な説得力でチーム全体を統率する
- 指令性 × 競争性:勝つことの重要性を説き、チーム一丸となって勝利を目指す
- 指令性 × 運命思考:すべては必然であり意味があることだとして、不思議な安心感を生み出す
- 指令性 × 公平性:公平なルールを周知徹底することで、チーム全体のモラルを保つ
- 指令性 × 原点思考:組織の根本的な価値を説き、所属することの納得感を強化する
- 指令性 × 慎重さ:リスクを慎重に評価し、その指示を通じてチームの安全性を高める
- 指令性 × 成長促進:明快で納得感のある肯定によって、チームの挑戦を促す
- 指令性 × 規律性:無駄なプロセスを改革して構造化し、組織の持続可能性を高める
- 指令性 × 共感性:メンバーの感情に寄り添い、チームの精神的な支えとなる
- 指令性 × 目標志向:明確な目標を設定し、達成に向けてチームを統率する
- 指令性 × 未来志向:明確な未来のビジョンを通じて組織の進むべき道を示す
- 指令性 × 調和性:チームメンバーに意向を伺いながら、着実に議論を前進させる
- 指令性 × 着想:革新的なアイデアを通じて、組織のイノベーションを促進する
- 指令性 × 包含 :仲間の輪に引き入れながら、多様性によって推進力をもたらす
- 指令性 × 個別化:個別のニーズに対して、得意なメンバーを中心に指示して対応する
- 指令性 × 収集心:常に情報を収集しており、必要な情報を的確に共有して対応を指示する
- 指令性 × 内省:自らの考えを納得行くまで整理してから、明確なメッセージで提言する
- 指令性 × 学習欲:新しい知識や技術に積極的に取り組めるよう、チームに方向づける
- 指令性 × 最上志向:最高の品質を追求するフィードバックによって、チームの成果を向上させる
- 指令性 × ポジティブ:チームを力強く鼓舞して、一気にモチベーションを高める
- 指令性 × 親密性:自ら前線に立ちながら、最愛のチームメンバーを一生かけて守り抜く
- 指令性 × 責任感:有言実行をチームにも徹底させ、チームの信頼性を向上させる
- 指令性 × 回復志向:問題を解決するためのプロセスを指示し、どんな困難にも立ち向かう
- 指令性 × 自己確信:自らの意思と決断により、トップダウンでチームを率いる
- 指令性 × 自我:強烈なカリスマ性によって、チームメンバーと共に社会を変革する
- 指令性 × 戦略性:目的達成のために全体の状況を俯瞰し、優先順位を判断して的確にチームを動かす
- 指令性 × 社交性:相手を尊重しながら、お互いのメリットを提示して商談を成功させる
ご自身の〈指令性〉がどのように発揮されていたのかを知るなら、「自分が前に出たことで、うまくいったこと」を思い出してみてください。1つでもいいんです。なぜならたいていの場合、たくさんあるけれど当たり前すぎて忘れているためです。1つでも思い出したら、うまくいった理由を考えてみましょう。そして、次に応用してみましょう。
〈指令性〉がTOP5に入っているなら、ストレングスファインダーを受けた際にダウンロードできる「クリフトンストレングス上位資質(TOP5)レポート」に目を通しておくと資質の理解が深まります。ただ読むだけでなく、色を変えてマーカーを引いてみるなどの使い方を記事にしてあるので、参考にしてください。
まとめと余談
〈指令性〉さんは感情を偽りなく真っ直ぐに出すので、美しく輝く宝石のような存在感があり、他者を圧倒します。中でもエネルギーの高い「怒り」の感情はその性質上、強烈に出やすいために、ご自身の影響力を自覚しておくことが必要です。アンガーマネジメントは必須ですね。
私の尊敬するストレングスコーチの眞橋さんはアンガーマネジメントの専門家でもあるので、もしご自身の〈指令性〉に振り回されていたら、以下のページを読んでみてください。怒りと上手につきあうこと、怒りで後悔しなくなることを望んでいる方にオススメですよ。
本来は愛情深い〈指令性〉さんですから、周囲を傷つけまいとして自ら孤独を選ぶときもあります。それによってストレスを抱えてしまうのは本末転倒ですから、たまには気兼ねなく愚痴を吐いて、気持ちを整理してみませんか。話を聴いてもらう経験によって聴くことができるようになるので、気持ちが腐る前にお声がけください。
\ 資質の特徴から紐解くのでわかりやすい /
ということで、以下余談です。
娘はストレングスファインダーに興味を持って、私に色々と質問してくるのですが、この〈指令性〉の話をした際に「担任の先生がそうかも……」と話をしてくれました。個性的な生徒たちを強力な個性でまとめており、生徒を怒ることを厭わない先生です。娘は最初嫌がっていましたし、私も正直「アクの強そうな先生だな」と思っていました笑
ですが娘がいじめに会って「大人に迷惑を掛けるわけには行かないし、そもそもメンドクサイことになるから言いたくない」と泣いていたとき、先生は「それは絶対に見逃すことはできない」と立ち上がり、徹底的に対応していただきました(対応について問題ないかを逐一確認し、私に報告してくれました)。教員の残業が声高に言われている昨今、親としてはありがたいやら申し訳ないやらという気持ちでしたが、おかげで娘はわだかまりなく学校に通えています。そして先生からは「頼られるのが大人の仕事」と心強い言葉をいただいたこともあり、何でも相談するようになりました。当然、娘を含めた生徒たちはこの先生が大好きですし、親以外に信頼できる大人の存在を知ったことも、大きな成長につながりました。
実際には、担任の先生が〈指令性〉を上位に持っているのかはわかりません。もしかしたら〈信念〉かもしれませんし、別の資質が組み合わさった結果かもしれません。ですが、(ご本人は小柄な方ですが)大きな存在感があり、声なき声を拾って状況を突破したり、明快な指示と言葉で組織を動かしたりと、その力強さに助けられたのは事実です。
人間関係の問題はどこでも起きますし、それを放置すれば人は腐って死んでいくので、頼れる〈指令性〉さんは多くの方々の人生を救っているのではないかと思うのでした。