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〈信念〉さんの特徴は?クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)の組み合わせも含めた徹底解説

はい、ごめんください。Gallup 認定ストレングスコーチの小杉です。

個人の行動や価値観のパターンを言語化し、組織活動に活かすツール「クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)」の34資質について、ひとつずつ徹底的に解説していくシリーズ。今回は〈信念〉(しんねん/Belief®)です。

〈信念〉はその名のとおり、揺るぎない価値観と情熱を持つ才能です。

  • (普遍的な核となる価値観を持っているため)行動や姿勢に一貫性がある
  • (理念を大切にしているため)理想や目標に向かって熱心に取り組む
  • (高い倫理観が土台にあるため)人としての行いに反するふるまいに怒りを覚える

こんな様子を見せるのは〈信念〉さんならでは。Gallup公式サイトはこちら(英語)👇

Gallup.com
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このストレングスファインダー徹底解説は、Gallup社の公式見解ではなく、あくまで弊社カエルコムニスの知識と経験に基づいた内容です。気になった点や違和感がありましたら、SNSやお問い合わせフォームよりご指摘・ご相談ください。
なお、このページへのリンクや引用(not 転載)、SNSでの言及は大歓迎です。

目次

ストレングスファインダーの〈信念〉とは?

〈信念〉さんは確固たる価値観が人生の核となっており、使命感に突き動かされるように行動します。高い倫理観と道徳心があり誠実で、甘言には決して流されないため人望を集めます。しかし自らの価値観に背くような状況は身を焦がされるように感じられ、我が身を顧みず断固として立ち向かいます。

〈信念〉さんは確固たる価値観が人生の核となっており、使命感に突き動かされるように行動します。高い倫理観と道徳心があり誠実で、甘言には決して流されないため人望を集めます。しかし自らの価値観に背くような状況は身を焦がされるように感じられ、我が身を顧みず断固として立ち向かいます。

ストレングスファインダーの上位資質は、“自分にとって” 当たり前すぎるため理解しにくいものですが、特にこの〈信念〉は「全然ピンとこない」と仰る方が多いです。思考・感情・行動のすべての土台をつくっている「核」として存在しているため、あまりにも自然なのでしょう。「人間としての心そのもの」とも言えそうです。

そして普段の〈信念〉さんは「人に優しい人」という印象を持たれることも多く、実際に人間関係構築力のようなふるまいも多いです。だからこそ、「終わらせたい」という欲求を持つとされる実行力の資質としての感覚は薄いかもしれません。

こんな〈信念〉さんを特徴づけるのは、その高い倫理観と、理念に反する状況における爆発的な行動力。成熟した〈信念〉は自らの価値観を “核融合” させて、物事を遂行する情熱と原動力の源としますし、未熟なままの〈信念〉は自らの価値観を “核爆発” させて、燃え上がる怒りに任せて後先考えることなく行動する傾向があります。こうして火がついた〈信念〉さんは、状況が落ち着くまでその行動を続けます。このあたり、実行力才能の「終わらせる」傾向が見られますね。

愛すべきこの資質を、具体的にみていきましょう。

〈信念〉さんの口癖「人として」

ふだんは〈信念〉としての口数は少ないものの、信じるものを曲げずに貫き通すべきだと感じた時に出やすいです。もし、ご自身の〈信念〉がピンと来ていない場合、「人として……」の後に何が続くのかを味わってみてください。

  • 「それは人としてどうかと思います」
  • 「親というより人として、大切にすべきものがありますよね」
  • 人として、やって良いことと悪いことの区別はつけてください」
  • 「申し訳ありませんが、それは受け入れられません
  • 「私たちのやっていることって、理念に反していませんか?

〈信念〉さんらしさは、口癖よりも行動に表れることが多いです。ふだん優しくても、「ちょっとぐらいイイんじゃない?」と倫理観に抵触するようなシーンではハッキリ断りますし、大目に見ていることがあっても「それだけは絶対にダメ」という基準を持っています。

また、理念をとても大切にしています。世間一般的には「企業理念は成し遂げられず形骸化しているもの」と言われることが多いですが、少なくとも私(コスギ)の知っている〈信念〉の経営者は、経営理念を体現している方々ばかりです。どれだけの逆風があっても、どれだけの苦労があっても、自ら掲げた理念に背く行動は絶対にしません。これが “核融合” した〈信念〉さんの姿ですね。話を聞いたとき、鳥肌立ちましたよ……

〈信念〉の感情的な特徴

先述のとおり、〈信念〉さんは基本的に穏やかで丁寧な方が多いです。それは日常的に「人として」の基準に則って行動しているためなのでしょう。

しかし、自分の信念を曲げられないがゆえに融通が利かず、一切の妥協を許さず、頑固になることも少なくありません。また、(他の上位資質も大いに影響しますが)自らの価値観に抵触した状況で突然、人が変わったように怒り出すこともあります。ですがこれは攻撃を意図したものではなく「今の状況は(人として)許すべきではない!!!!!」という強い正義感に駆られたもの。おそらく、意図しているのは「是正」でしょう。

この正義感は、〈責任感〉にも通じるところがあります。〈責任感〉が相手の期待や役割など「他者を裏切らない正義感」であるのに対し、〈信念〉は人間としての正義感、つまり「倫理に反しない正義感」を持っています。ただし、主語が大きくなりがちなので、才能が未熟で視野が狭くなっていると怒りが「人」に向きやすく、〈責任感〉の資質でも解説した「正義中毒」になりかねない危うさがあります。高い倫理観を持っている〈信念〉さんが、自分を正当化するほど追い詰められているとしたら、環境を変えたほうがいい可能性も大きいんですけどね。

また、〈信念〉さんの確固とした揺るぎなさ、突き動かされるような使命感については、それぞれ〈自己確信〉〈自我〉と似ていますが、この2つは決断の基準を自分の中に持っているため、自己中心的な行動になることもあります。ですが、〈信念〉さんの基準は「人としての倫理観」が基準になるため、基本的には世間一般的に正しいとされる方向で決断します。

〈信念〉は実行力の資質ですから、本来は目的を達成する際に大活躍します。言行一致の安心感と信頼感があるからこそ、「人」よりも「仕組み」の改善のために使う才能です。仕組みに人の意図が入ったら不正を含みかねませんが、そんなことは〈信念〉さんにとって首を絞められるようなものなので、人の道に反することはまずしません。良心の塊が服を着て歩いているようなものなんですよ。すごくないですか?

また、「前の職場の状況に耐えられなくて、転職したんですよね」と話す〈信念〉さんは少なくなく、「面接のときの印象とは正反対の環境だった」「理念に共感して入社したのに、その理念をまっとうしているとは到底思えない」「顧客を騙しているような売り方でムリ」といった悲痛な叫びを訴えることもあるようです。結果、自らの価値観を理念として起業する方もいます。

そして情熱の中に身を置いている〈信念〉さんは、自ら掲げた理想や目標を実現するため不退転の覚悟を決めており、熱心で真剣な姿勢が伺えます。目の前の現実とぶつかって苦しみや揺れ動きも経験しますが、それでも自分の価値観を守り続けようとする姿勢は揺らぎません。

たとえるなら、シュインシュインとオーラの出ている超サイヤ人のようなイメージです。怒り以上の純粋な何かを持っているので、周囲に〈信念〉さんがいたら、その価値観について聴いてみてください。もし、本人がピンと来ていなかったら「人として許せないことは?」と尋ねてみてください。かなり興味深い話を聞けると思います。

〈信念〉が低い場合、自分に信念がない……?

〈信念〉の資質が下位にあっても、あらゆる人の上位資質には「信念」といっても良いほどの強い価値観があります

たとえば私の〈信念〉は24位で低めですが、〈着想〉1位、〈最上志向〉を3位に持っているため、「自分の人生はとことん遊び尽くす」ことを信条としています。好きな言葉は “Enjoy interest!” ですし。つまり、社会貢献よりも自分の好奇心を大切にしているんです。誤解を恐れずに言えば、私は社会貢献を「自分の人生のついで」に行っているところがあります。中越地震の復興支援をしようと空回りして燃え尽きかけたこともあり、生きているうちは不謹慎に生きようと決めたのも大きいです。

ですが、上位資質の組み合わせによって得られる「信念」と、資質としての〈信念〉の質はまったく違います。後述しますが、びっくりするくらいに利他的です。そして自分の信条を曲げることは絶対にしません。

〈信念〉の資質が低い方は、「自分の価値観を曲げることは絶対にない」と言い切れるでしょうか。私はコンニャク並に柔らかいです。プルンプルンです。自分のためにある信条なので、世間一般が良しとする「べき」のほうがいいときもあるに決まってるじゃないですか。

もし、ご自身の〈信念〉が低くても、「自分はこれでいいんだな」と思えたら、それでいいんじゃないでしょうか。

〈信念〉さんは、自己犠牲的?

情熱に燃える〈信念〉さんは、自らが掲げた理念や高い目標を達成するためなら自己犠牲もいとわない、強い意志を持つ傾向にあります。連日夜を徹して働いたり、組織や将来のために自らの地位を下げる決断をしたり、正義のために多数派と対立して自分が矢面に立つなど、まるで革命家のような行動が見られます。

〈信念〉の特徴として、金銭的な見返りは求めないことも多いため、無償のボランティア的な行動も見られます。力になりたいと思っている相手から「お金はないんだけど助けてほしい」と言われたら、「お金なんてなくても助けてあげたい」と思ってしまう傾向も。相手が騙したとわかったら、烈火の如く怒りますけども。

“核融合” した〈信念〉さんは誰にも止められないといっても過言ではないほど、34資質の中でもとんでもない行動力を持っています。自らが傷ついて倒れそうになっても、奥底に流れる信念によって守るべきもののために立ち上がり、勇敢に進んで状況を切り拓いていきます。そこには数々のドラマが生まれているほどですが、当然、自身はもちろん、周囲への過度な負担を伴うことも少なくありません。

特に、仕事にコミットしすぎて顧客や組織からの要望を優先するあまり、家族にも自身同様の犠牲を強いてしまうこともあるでしょう。家族から寄せられる「家庭も大切にしてほしい」「傷ついている姿を見たくない」「自分を労ってほしい」という思いに感謝しつつも、活動の足かせのように感じることも自然なことですし、ここに葛藤するのも〈信念〉さんらしさ。自分が分身できたらいいのにと思ったことがあるのは、一度や二度ではないでしょう。

ですが、〈信念〉さんも人間です。精神と身体を酷使すれば、ガタが来ます。これはもう、よく御存知のとおりかと思います。バランスを取れれば良いだけなのですが、「わかってはいるけど、止まらないし、止められないし、正直なところ止める気もない。でもこのままでは(人として)良くないとも思っている……」と認識しているなら、定期的に思考と感情を整理する時間を設けてください。いつでもお話しを伺っていますよ。

\ 思考と感情の壁打ちも大歓迎 /

〈信念〉の才能を具体的に活かす

〈信念〉の資質イメージイラスト:強い視線で先を見据えている女性 / generated by Midjourney

ストレングスファインダーの診断によってわかるのは、「日常的で無意識な思考・感情・行動の(生産的な)パターン」です。得られた上位資質には価値観も含まれますが、これらを適切に扱うトレーニング(投資行動)によってようやく “強み” となります。〈信念〉は「自らの揺るぎない価値観と高い倫理観に基づいて行動する才能」ですから、チームや事業に貢献することで長所として発揮され、強みとして磨きやすいですね。

〈信念〉の長所を磨いて強みにする

事業に貢献している環境で長所として具体的に発揮されるとどうなるか、一例をご紹介します。

  • プロジェクトの方向性について熱心に議論し、チームの方向性を確立する
  • 理念に基づいた決断を下し、社会的意義と施策を一致させる
  • 新しいプロジェクトを固める際、倫理的側面から重要な指摘をおこなう
  • チームのビジョンや理念を明確に定義し、行動指針を示す
  • 社会貢献の重要性を力説し、企業の社会的責任を促す
  • モラルの低下が危惧される状況で、原点に立ち返るよう地道に訴えかける
  • 地域活性化のため、地域に根づいた活動を着実に続ける
  • 不正や倫理違反が疑われる事案から目をそらさず、厳しい姿勢で糾弾する
  • チームの士気が低下しそうなときでも、理念を熱く語り情熱を取り戻す
  • 明確で公平な行動規範を掲げ、場に心理的安全性をもたらす
  • 熱心に現場からの意見に耳を傾け、理念に照らし合わせて風通しを良くする
  • 重要な意思決定の際に、社会的意義のある価値観をふまえて決断する
  • 新規プロジェクトの提案に、顧客企業の理念に基づいたコンセプトを提案する
  • 経営陣に対し社会的責任を果たすよう直訴して、社内文化を改革する
  • メンバーそれぞれの価値観を尊重しながらも、行動の基準に合意を取る

すべてにおいて、自分の価値観を譲らない行動がみられます。補足の必要はないでしょう……。

〈信念〉さんの強みを引き出す声かけ

〈信念〉さんは、自らの確固たる価値観に基づいて物事を判断し行動しているのですが、時折、本人が意識できていないことがあります。強みを引き出すには才能を認識しておく必要があるので、理念や原則、倫理的側面などをテーマに言語化を促すだけで、他者との違いを認識しやすいです。

  • ◎◎さんは、会社の理念のどんなところに惹かれたんですか?(理念への言語化を促す)
  • 私たちが理念に基づくために、どんなアイディアがありますか?(理念ベースで対話する)
  • ◎◎さんにとって、人として守るべき基準は何ですか?(信念の言語化を促す)
  • 何かを許せないとき、怒りが収まるとき、何が起きていますか?(怒りの言語化を促す)
  • 判断の背景にある原則は何ですか?(根本的な原理を問う)

あとは先述したとおり、視野が狭くなると主語が大きくなって正義中毒や自己犠牲的になりやすい傾向があるため、傾聴してフォローすることも効果的です。絶対的な正義はないこと、人それぞれが自分の価値観を持っていること、〈信念〉さんであっても一人の人間であることを一緒に考えたいですね。

また、資質の特徴から〈信念〉を持つ経営者も少なくありません。「強みの開発には、他者との関係が不可欠である」と、ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の生みの親であるドン・クリフトン博士も明言していますから、愛する家族と対話(説得や是正ではなく)を重ねてください。強みとして磨かれやすくなりますよ。

〈信念〉と他の資質との組み合わせ

〈信念〉の資質イメージイラスト:一日のはじまりに床を拭いている男性 / generated by Midjourney

ストレングスファインダーの結果には、〈信念〉を含めて34の資質があります。たとえば〈責任感〉は、約束を自分ごとにして最後まで確実にコミットする才能ですし、〈目標志向〉はゴールまで最短距離で邁進する才能です。このような他の資質と〈信念〉の特徴が組み合わさると、理念に基づく行動の傾向が強くなります。

併せ持つ上位資質によっては、爆発的な〈信念〉のエネルギーに強く影響します。ですが、そういった資質が「あるから良い」とか「ないから悪い」という話ではなく、「〈信念〉を持っている自分にとって、他の上位資質はどんなはたらきをするのか」「自らの理念を正しくまっとうするための、ボーダーラインはなにか」を自覚して行動することが大切ですよね。

そんなわけで、〈信念〉との組み合わせ例を見てみましょう。とはいえ価値観はそれぞれなので、〈信念〉さんの中にある価値観との組み合わせを優先してくださいね。

  • 信念 × 達成欲:理想を実現するため、寝食を忘れるほど情熱的かつ精力的に取り組む
  • 信念 × 活発性:駆られるような行動力によって、周囲に信念を体現する
  • 信念 × 適応性:“頼まれ事は試されごと” の価値観によって、柔軟に行動する
  • 信念 × 分析思考:明確に見える事実と、信条から見える物事の両方を大切に判断する
  • 信念 × アレンジ:理念に基づいて大胆に物事を組み換え、最適化を図る
  • 信念 × 指令性:信念に基づき、明確な指示とリーダーシップを発揮する
  • 信念 × コミュニケーション:意義を的確に伝え、理念で動くチームをつくる
  • 信念 × 競争性:不正に対し、高い倫理感を貫くために戦って勝利する
  • 信念 × 運命思考:個人同士の信念に隔たりが生じても、つながりを信じて行動する
  • 信念 × 公平性:中立的な立場をとり、公正さを重んじて判断する
  • 信念 × 原点思考:自らの信念やルーツに立ち返り、原点を見失わない
  • 信念 × 慎重さ:高い倫理感に照らして物事を熟考し、注意深く判断する
  • 信念 × 成長促進:人の可能性を心から信じ、成長を後押しする
  • 信念 × 規律性:理念に基づいた行動規範を制定し、活動の指針にする
  • 信念 × 共感性:真心を持って他者を尊重し、丁寧に接する
  • 信念 × 目標志向:理念を実現するため、明確な目標を設定して取り組む
  • 信念 × 未来志向:理念とビジョンを融合させ、社会を変革していく
  • 信念 × 調和性:倫理観に反しない方向性になるまで、合意を取る
  • 信念 × 着想:理念を実現するための新しいアイディアを生み出す
  • 信念 × 包含:多様性を自らの信条とし、すべての人を受容する
  • 信念 × 個別化:個性の理解を自らの信条とし、1対1の時間を持って深める
  • 信念 × 収集心:内にある信念を表現するために、外の情報を活用する
  • 信念 × 内省:じっくりと自問自答を重ね、自身の信念を確立する
  • 信念 × 学習欲:自らの価値観が刺激され、学びを得られる活動に没頭する
  • 信念 × 最上志向:高い理想を掲げ、理念ドリブンで有言実行する
  • 信念 × ポジティブ:自らの信念に喜びを持ち、周囲に希望と情熱をもたらす
  • 信念 × 親密性:理念を共有する仲間との、深い絆によって活動する
  • 信念 × 責任感:高い倫理感と信頼感によって、絶対的な安心と信頼を得る
  • 信念 × 回復志向:問題を放置することなく、解決できるまで対応する
  • 信念 × 自己確信:強い信念が自らの人生の軸にあり、決して揺らぐことがない
  • 信念 × 自我:社会的意義の高い活動なら、どんな困難があっても信念を貫く
  • 信念 × 戦略性:信念を仕組みに落とし込み、理念を実現できる環境を築く
  • 信念 × 社交性:自らの信念を豊かに表現し、多くの人々を惹きつける

〈信念〉さんの持つ基本的価値観には、併せ持つ上位資質の傾向も含んでいます。もちろん、基本的道徳観は高いのですが、個人的な価値観が絶対ではないことも認識しておきましょう。強い思いは原動力になりますが、対立を生む力にもなりかねません。少なくとも、個人的な思いで他者を断罪するより、信条を体現する環境づくりに勤しみたいですね。

〈信念〉の資質が5位以内にあるのなら、ストレングスファインダーの結果として得られたTOP5のレポートを良く読んでおきましょう。近しい人と共有して、ご自身の価値観を理解してもらうこと、そしてどういう関係性でいたいのかを対話しておくことも大切です。

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まとめ

〈信念〉さんは、自らに揺るぎない基本的価値観を持っており、人生の理念を持っています。この理念は〈信念〉さんそれぞれが持っており、「家庭は心から安心できる場にする」「仕事によって関わる人の人生を豊かにする」「自分を育ててくれたこの地域に恩返しする」と、使命のように言語化できることもあれば、もっと奥底に言葉にできない普遍的価値観を持っていることもあり、こられはすべて行動に現れています。

物事に対して、熱心で真剣。影響力のような力強さがありますが、「自分の思うとおりに動かしたい」わけではなく、純粋に「信念の核を源にして進みたい(それに紐づくタスクは終わらせたい)」欲求の強い実行力の資質です。ですから、味方が誰もいなくても、ひとりでもやろうとします。それは魅力であり、危うさでもあるのですが。

もし対立するような他者がいても、〈信念〉さんの真剣さに圧倒されることでしょう。当然、〈信念〉さん自身の心情は曲がりませんし、曲げるつもりもないため、貫き通します。そういった姿勢が、あきらめず、情熱を持って人生の目標に取り組み続けられるのです。

実際、頑固で威圧的に見られたり、時には主語の大きい正義感に振り回されがちなこともありますが、それは〈信念〉の才能が未熟なだけ。成熟した〈信念〉さんは、“罪を憎んで人を憎まず” の姿勢で、仕組みや環境を改革していきます。自らの価値観を、理念として体現しているのですよね。

実行力の上位資質を「人」に向けたいときには、「自分は人の役に立てた」といった、他者への貢献感が足りていないのかもしれません。特に〈信念〉さんには “人として” の感覚を持っているので、人間が大好きですしね。それを直接振りかざしてしまうのはもったいない使い方なので、これまでの人生の指針となっているご自身の〈信念〉の才能を認識して感謝し、人生の行動規範を言語化してみてください。難しければ、一緒に紐解いていきましょう。

\ 資質の特徴から紐解くのでわかりやすい /

はい、以下は余談です。

ストレングスファインダーを知り始めると、面白くなって他者の資質も予想したくなりますよね。私はプロのストレングスコーチでもあると同時に、ストレングスファインダーヲタクを自負しているので、その気持ちはとてもわかります。実際にやることも少なくないですが、予想はめちゃくちゃハズレます。目に見えるのは無意識の内面ではなく行動として表に出たものでしかないですから、当然ですよね(だから私は精神分析の口語版とも言われている「交流分析(TA)」が好きです)。

それでも、〈最上志向〉は口癖にも出てくるのでわかりやすいほう(あるんだろうな、くらい)ですが、〈信念〉についてはもうお手上げです。全然わかりません。そもそも、〈信念〉を上位に持つとわかった方ですら「他の資質はともかく、この〈信念〉だけは全然わからないですね〜……」と仰るレベル。それくらい、表面ではなく土台になっている才能なんでしょう。

〈信念〉をTOP5に持つ方を4人くらい知っていますが、基本、本当に優しいです。なんていうか、すごく親身になってくれるんですよね。〈親密性〉のように、仲間と認めた相手だから親身になる感じではなく、目の届く人が困っていたら手を差し伸べるのが当たり前、といった印象。

ですが、とある〈信念〉さんが突然、怒鳴ったことがあったんです。私が怒られたわけではないので、そのときは「え、今ここでそんなに怒る!?」とただただ驚いていただけなのですが……(このあと、すぐ優しい雰囲気に戻りました)(さすがに場は引いてましたけども……)ストレングスファインダーを行ってもらったあとで、「ああ、あのときは〈信念〉があの状況を許せなかったんだな」と理解しました。

人を騙すとか、礼節に欠くとか、人の尊厳を傷つけるようなことが続くと、“仏の顔も三度まで” とばかりに怒ります。アンガーマネジメントできている〈信念〉さんなら、それでも静かになだめるような、しかし有無を言わせない圧のある穏やかな怒りを発するのですが、そうでなければ逆鱗に触れられた龍のように、雷を落とします。〈信念〉さんの特徴を思えば、高い道徳観で生きているにも関わらず、世の中の不条理によく耐えてバランスを取っているなと思うほどです。〈信念〉さんが本気で攻撃しようとしたら世界が平らになりかねませんから。

そういった怒りよりも、世の中の仕組みを本気で変えるために邁進しているほうが〈信念〉さんらしさなので、もし怒りを燻らせているようなら、それは世界の損失です。もっともっとできることがあるので、まずは地域に目を向けるところから始めてみてはいかがでしょうか。

〈信念〉さんは確固たる価値観が人生の核となっており、使命感に突き動かされるように行動します。高い倫理観と道徳心があり誠実で、甘言には決して流されないため人望を集めます。しかし自らの価値観に背くような状況は身を焦がされるように感じられ、我が身を顧みず断固として立ち向かいます。

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著者

話しているとゴキゲンになれるメンタルマネジメントの人。ストレングスファインダー®を扱うGallup認定ストレングスコーチです。心理学はエリック・バーンの交流分析とカール・ロジャーズの傾聴が大好き。WordPressの勉強会やサイト制作、ウェブマーケティング支援など、ウェブ方面でも色々とやっています。登壇は楽しく役立ちわかりやすく、がモットー。

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